トヨタがEVに出遅れているなんて誰が言った!? ハイブリッド量産20年超のノウハウでEVでも世界制覇へ(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:MOTA編集部・トヨタ自動車
初代プリウスから20余年、電動化技術で世界の最先端を独走中のトヨタ
トヨタのEV普及のための準備が着々と進んでいる。このように書くと必ず「EV化に出遅れたトヨタがやっと……」と苦言を呈する人が出るが、ちょっと待って欲しい。確かに「量産EV」と言う意味では2012年にiQをベースとした「eQ」を100台販売したのみだ。
しかし「電動化技術」と言う意味では、トヨタは世界の最先端を行く。それでも信じない人がいるのは、「EVとハイブリッドは別物」と言う間違った考えがあるからだ。
電動化のコア技術は「モーター」、「バッテリー」、「インバーター」の3つ。そのまま使えば「EV」だが、ここに固有の技術を足すと様々なユニットになる。エンジンを組み合わせれば「ハイブリッド(HEV)」、エンジンと充電機能を追加すれば「プラグインハイブリッド(PHV)」、フューエルセルと水素燃料タンクを組み合わせれば「FCV」だ。
つまりトヨタの電動化技術は、1998年に登場した初代プリウス以降、20年以上の歴史を持っている(しかも“量産”している!)ことを良く理解したほうがいい。
>>2020年以降登場する予定のトヨタEVの数々[フォトギャラリー]
EVに欠かせないバッテリーの確保にめどがついた
そんなトヨタが2020年以降、EVの本格展開を行なう。それを後押しする要因の一つが「電池の開発/供給」に目途が立った事にある。
ハイブリッドシステムは20年以上に渡る開発により高効率化を実現。実際に少ない電池量でも低燃費を可能にしているが、この技術をEVにも活用している。
更にバッテリー最大のネックである耐久性(長期間使用後の電池の残存容量)に関しては、材料/パック構造/制御システムなど、様々な面での劣化の抑制を可能にした。通常の使い方であれば、10年で9割程度の性能を維持すると言う。昨今、EVのリセールバリューが課題だが、その問題も一気に解決する。
ちなみにトヨタは2030年までにEV、HEV、PHV、FCVなどの電動化車両の販売は年間550万台と言う目標を掲げているが、それを実現するにはバッテリーの供給問題をクリアさせる必要がある。
そこに関しても鉄壁の包囲網が敷かれている。
すでに提携しているパナソニックに加えて、トヨタでは既に中国のBYD、CATLとも提携している。つまり、世界のバッテリー生産量トップ3とタッグを組んでいるのだ。
>>トヨタがグループのチカラを結集して展開していく電気自動車のラインナップとは[次ページへ続く]
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