トヨタ×ソフトバンクの取り組みはどこを目指す!?|2028年、ヒトとクルマのミライを大胆予想

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:オートックワン編集部・トヨタ自動車

それで一体、クルマの何が、どう、いつ変わるの?

あっと驚く重大記者会見。

2018年10月4日・午後1時半、都内ホテルで開催されたトヨタとソフトバンク・両社トップ会見の模様は、同夕から夜にかけてテレビやウェブでトップニュース扱いとなった。

>>ソフトバンクとトヨタ自動車、10月4日会見の模様を画像で見る

とはいえ今回の会見で明確になったのは、2社共同で完全自動運転によるライドシェアリングの研究開発を行うモネ・テクノロジーズを設立することだけ。

孫 正義ソフトバンク会長も、豊田 章男トヨタ社長も、これを第一弾として、未来のモビリティ社会に向けて両社は様々な試みを行うと言うに止めた。

東京オリンピック・パラリンピックまでには、完全自動運転コンセプト「e-パレット」での実証を始めて…。

そのためには、人工知能を活用したアルゴリズムで…。

といったIT技術の話が主体だった、今回の記者会見。

正直なところ、ユーザーから見ると「それで、クルマの何が、どう、いつ変わるの?」とたくさんの疑問を持ったに違いない。

そんなクルマの近未来について、大胆予測をしてみたい。

【大胆予測1】クルマはスマホで買う時代へ

全国の町から書店が激減し、その代わりに一気に売り上げを伸ばしたのがAmazon(アマゾン)だ。

その後、Amazonは書籍や雑誌だけではなく、家電から衣装、そして食品まで豊富な品揃えとなり、生活必需品の大半がネット通販で買える時代になった。しかも最近は、パーソナルコンピュータからではなく、スマホで決済までの一連の流れが簡単に完結する。

これが、EC(電子商取引)の威力だ。

クルマについては最近、中古車を中心にスマホで検索してお店に実車を見に行くことが、けっして珍しくなくなってきた。クルマの買い取りでもスマホで行うサービスが登場した。

この先に訪れるのが『スマホで新車を買う時代』だ。

若い世代を中心に、高額商品でもスマホで購入する傾向が高まっており、数百万円のクルマもその対象に十分なり得る。

そうなったら、カーディーラーの役割は大きく変わらざるを得ない。

【大胆予測2】様々なサブスクリプションモデルが登場

孫会長も豊田社長も、記者会見中に「所有から共有」というフレーズを多用していた。

その代表格が、欧米や中国で大ブレイクしているライドシェアリングだ。個人が所有するクルマをタクシーのように使う。配車については、人工知能を活用してピックアップの時間の短縮と、相乗り乗車の効率化、さらに需要に応じて価格の最適化を行う仕組みだ。

日本でライドシェアリングは原則禁止だが、ソフトバンク×トヨタが政治力を発揮して霞が関の官僚と永田町の政治家を一気に動かし、ライドシェアリング日本上陸を実現してしまうかもしれない。

ライドシェアリングと並行して始まるのが、サブスクリプションによるクルマの共有だ。

サブスクリプションとは音楽が動画の配信サービスで普及が拡大している、定額料金制度を指す。これを、クルマを含む公共交通機関に組み込むのだ。

例えば首都圏ならば、JR東日本と私鉄各線やバス各社、そして駅やスーパーなどを起点・終点としたカーシェアリングや電動アシスト自転車シェアリング、さらにタクシーやライドシェアリングを連携した、定額交通パッケージ料金制が誕生する。その中には、スマホのように家族割りなど各種のパッケージが含まれる。

またサブスクリプションモデルによる「共有」の中には、残価設定新車購入を含む枠組みも当然、誕生するだろう。

もっと言えば、サブスクリプションモデルには、スマホの通信料、電気代、ガス代、そして家賃や家のローンまで、生活に関わる全ての支払いが毎月定額での支払いになることも十分に考えられる。

【大胆予測3】自動運転やEV、空飛ぶクルマは、さらにその先

このような様々なサービスが、あと数年以内に実用化されていく。なぜならば、既存のクルマやスマホを使ってすぐにでも設定できるビジネスだからだ。

むろん、普及されるためには価格を下げる必要があり、そのためには人工知能を活用した超効率化を達成する必要がある。

さらに、交通機関どうし、また交通機関と自動車販売業など、各業界の垣根を超えたサービスを実現させるためには、各種の規制や法律の改正が必須となる。

とはいえ、絶対に事故を起こさない自動運転や、どんな気象状況でも安心して乗れる空飛ぶクルマなどを、高性能なハードウエアを作るよりは、事業化へのハードルは低い。

豊田 章男社長の常套句「100年に一度の大変革」とは、けっして自動運転、EV、コネクテッドなど難解な技術が融合することを懸念した考えではない。さらにその先、技術変革よってユーザーの日々の生活に直結するサービスが大きく変わることが、自動車メーカーに強烈なインパクトを与える。

もしそうなれば、自動車メーカーの組織や、ディーラーとの関係性などを根本的に見直す必要がある。それが自動車メーカーにとって「死ぬか生きるか」の大変革なのだ。

いまから10年後。2028年には、あなたとクルマの関係がいまとは大きく変わっていることは間違いない。

[Text:桃田 健史/Photo:オートックワン編集部・トヨタ自動車]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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