自動運転の普及はMaaSが鍵|トヨタとソフトバンクが示したモネの方向性 [“モビリティの世界” Vol.11](3/3)
- 筆者: 楠田 悦子
- カメラマン:楠田 悦子・オートックワン編集部・トヨタ自動車
モネが提案するのは、欧州式MaaSを超えた“ビヨンドMaaS”の世界
モネが捉えたポイントは、モビリティの周辺産業と組む事でビジネスモデルをつくることです。既に80社と組み「モネ モビリティコンソーシアム」をつくり事業連携を検討しています。それはもう既にMaaSを超えた"ビヨンドMaaS"の世界です。移動手段をシームレスにつなぐ欧州式MaaSの概念を超えた内容となっていて、日本らしいMaaSを提案できたと言ってよいでしょう。
またモネでは、新モビリティサービス、MaaS、自動運転レベル4の受け皿となる自治体に足を運び課題をヒアリングしています。当初は100自治体を支援すると決めていたようですが、要望があれば300自治体でも出来る限り支援したいと話すなど、自治体に寄り添う姿勢もポイントを押さえた動きです。さらにタクシーやバスなど既存の交通事業者との関係性にも非常に気を配っていたことも印象的です。
せっかくの新技術だが、受け入れ側の自治体や交通事業者では深刻な人材不足も
日本の経済は自動車産業が支えているといっても過言ではありません。自動運転を含め、自動車産業の発展に繋がる新技術とそれを実装させる環境は、これからも積極的に育てていく必要があります。しかしせっかくの自動運転技術や新モビリティサービスを活用出来る自治体や交通事業者の人材不足が、大きな課題となっています。
日本の場合、先進技術があっても人材不足により技術が活用できないミスマッチばかりが起きているのも事実なのです。今回のトヨタやソフトバンクの大号令により、MaaS、自動運転、新モビリティサービスに民間企業や公的機関の大きな投資が起きることが予測されますから、ミスマッチの是正も期待されます。
モネは地方のモビリティ問題を解決する救世主となるのか
モネはストーリーこそ描けましたが、欧州勢と比べれば中身はこれからです。モネが目指すMaaSと自動運転の流れも、自動運転が実装するまでかなりの長期的なスパンで動いていく話だと考えられます。欧州では先行して数年前からモビリティサービスを数多く実装し、自動運転社会に向けあらゆる専門家を集め、都市と移動はどうあるべきかの研究を進めています。日本連合を標榜するモネも、負けてはいられません。
日本や世界の移動(モビリティ)を見続けてきた筆者としては、モネの積極的な動きは、日本の地方で深刻化していく移動の課題が注目される絶好の機会と捉えます。この流れを上手く活用して、社会課題が少しでも減ると良いなと切実に思います。ただ単に流行りのビックワードに乗っかるのではなく「持続可能な都市と暮らしをどう築いていくのか」について、しっかりとした検討と活用が行われることを期待します。
[筆者:楠田 悦子/撮影:楠田 悦子・オートックワン編集部・トヨタ自動車]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。







