自動運転の普及はMaaSが鍵｜トヨタとソフトバンクが示したモネの方向性 [“モビリティの世界” Vol.11](2/3)

ライバルのホンダも加わって“モネは日本連合”となった

またサミットでは、トヨタグループの日野自動車に加え、本来はトヨタのライバルであるはずの本田技研工業までもモネと資本・業務提携に合意したことも話題を呼びました。それぞれ約10%ずつ出資するとのことです。

モネはこの関係性を「日本連合」という言葉で表現していました。欧州でも、これまではライバル関係にあったダイムラーとBMWの連携が2018年に発表されています。今後日本でも自動車メーカー間の連携が加速していくでしょう。

モネは自動運転社会を見据えた情報のプラットフォーマーへ

MaaSや自動運転にはあらゆる情報の収集が大切です。モネ自体も「自動運転社会を見据えた情報のプラットフォーマー」を目指すとしています。モネのMaaS戦略について、モネプラットフォームを基盤とする以下の3つを挙げました。

1.鉄道やバスなど既存交通の高度化、2.サービス間の連携による新たなライフスタイルの創出、3.スマートシティなど社会全体の最適化、というようにモネプラットフォームに、自動車に関する170以上の車両ログのデータ（車内情報、走行情報、搭載カメラ情報、車両情報）、人流データ、移動データ、人口分布データ、車両位置データ、交通渋滞データを集め、MaaS総合データベースをつくろうとしています。

モネが目指す理想的なモビリティの課題解決手段

MaaSのマネタイズを阻む日本特有の課題

MaaSの自動運転色が強くなったことや、GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)への対抗や投資家へのアピールなど、他の思惑が入り込んだことなどに対し、難色を示す人もいます。

しかし今回モネが発表したコンセプト、自動運転社会に向けた連携の動き、自治体や交通事業者、他の自動車メーカー、マネタイズのための他のサービサーとの連携などは実にポイントを押さえていると感じます。ストーリーも美しく、モネの本気度がうかがえると筆者は高く評価します。

例えば欧州と比べ公共交通に民間企業が多く参画している日本では、MaaSの枠組みを使ってのマネタイズは非常に複雑で難しいと言われています。しかしモネはその課題と解決策のポイントを押さえています。

＞＞モネが提案するのは、欧州式MaaSを超えた“ビヨンドMaaS”の世界[次ページへ続く]

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