2009年 下半期ベスト・バイ・カー/松田秀士(1/2)

2009年 下半期ベスト・バイ・カー/松田秀士
トヨタ サイ 日産 スカイラインクロスオーバー ホンダ ステップワゴン ボルボ XC60 メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ シボレー カマロ 画像ギャラリーはこちら

【国産車編】トータルベストカー/トヨタ サイ

トヨタ サイ

開発者の方の話をじっくりと聞き、そのこだわりと志向の高さに感心した。

開発途中でバッテリーをさらに前方に移動して、ゴルフバッグ4個が収納可能なラゲッジスペースを確保しているが、そのために安全対策をやり直す必要があったという。発売のスケジュールが決まったあとにこのような変更を敢行してまでも、ラゲッジスペース拡大にこだわるあたりにトヨタのクルマ作りの姿勢への変化が見受けられる。

その結晶として登場してきたサイに乗ってみると、単にプリウスの兄貴分というレベルのクルマではないことがすぐに感じられる。

静粛な室内、出足を含めフラストレーションを感じさせないパワー、18インチと16インチのハンドリングの棲み分け、リサイクル材の大幅な増加。

真面目に作り上げたクルマだと思うし、値段に見合っていることを感じる。

【国産車編】ベストハンドリングカー/日産 スカイラインクロスオーバー

日産 スカイラインクロスオーバー

FRをベースにしたSUVを作るというのだから、ユーティリティスペースなど初めから無視しているようなもの。目指しているものは、他にはない個性だ。

スカイラインクロスオーバーは、信じられないようなロングノーズのエクステリア。これだけでも十分にキャラを主張しているのだが、走り始めるとその乗り味に驚く。まず、スカイラインのドラポジをそのままSUVにしたことを顕示したような、アイポイントの高さと見晴らしの広さ。

そして、ハンドリングが素晴らしい。硬すぎず柔らかすぎず、ほどほどなレベルのサスペンションが心地よい。しなやかという表現がピッタリなサスペンションの動きは、どのような路面でもボディをフラットに保ちタイヤからのグリップ情報を正確に伝えてくる。

しかも、キャビンの静粛性もとても高い。乗って5分でとりこになってしまうクルマに久々に出会った。

【国産車編】ベストデザインカー/ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴン

ステップワゴンは、エンジンから静粛性に大きく関係するバランサーシャフトを取り去った。目的は燃費の向上だ。

シビック タイプRユーロを除くすべてのタイプRにも、バランサーシャフトは付いていない。こちらの理由はピックアップを良くするためだ。しかし、当然振動は大きくなる。

スポーツ系のタイプRなら多少の振動は許されるだろうが、ステップワゴンはそうはいかない。その対策はボディ全体のアレンジで、エンジンから発生する振動を封じ込めることだ。

見事にその対策は功を奏している。しかも、ホンダ十八番の低床技術により、十分な室内高も確保した上での静粛性。このようなことを考え合わせてエクステリアデザインを眺めたとき、車体開発とデザイナーのコラボレーションがとても融和したデザインであることが理解できる。

ただトレンドを追いかけているデザインでないことが分かるのだ。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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