絶品過ぎる“大トロ” RAV4 PHVは新型ハリアーをも超えた![速攻試乗](3/4)

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RAV4 PHVの上質できめ細やかな走り、その制御を支える技術の要とは

スポーツ4WDのようによく曲がり、しかもナチュラルだったRAV4 PHV

もう一つ、RAV4 PHVがこだわったポイントがEPS(電動パワーステアリング)の制御。これを教えてくださったのは走りの味付けを担当された凄腕技能養成部・片山 智之氏だ。

その前に個人的なインプレッションを述べさせていただくと、先述のとおり速いわパワフルだわE-Fourの電気式の四輪駆動の制御はきめ細やかだわで、モーター由来の圧倒的トルクが直線番長の揺るぎない稲妻のような加速を見せてくれはするんだけれども、そこからのフルブレーキ〜コーナリングと、走る・曲がる・止まるのどこを切り取っても質感の隙間がないと言うか、ダルさを感じさせないというか、とにかく制御がきめ細やかに張り巡らされているのにとても驚いた。

サスペンションは18〜19インチという大径タイヤ装着ながら、双方偏平率55%〜60%と高偏平なことも相まって、もっちりしたストロークを存分に楽しめるものだ。

しかし、通説でいえばストロークが深いということはロール変化も大きいということで、特にターンアウトではドライバーにテクニックを強いることがままある。

しかし、このRAV4 PHVに関しては、そのターンアウトあたりがまるでスポーツ四駆のように踏めば踏むだけ曲がっていくし、ハンドリングがとてもナチュラルなことに驚いていたのだ。

「“戻し側”制御の質感にこだわった」とはいったい!?

そう伝えた私に片山氏は言った。

「今回こだわったのは“戻し側”の制御です。結局、そこが不自然だから次の加速、次のコーナリングに備えての負担が大きくなってしまう。戻し側が自然でリニアならば、ドライブの質感は格段にアップします。

驚いた。システム最高出力306PSを活かすのに、スペック表には掲載されない戻し側の制御に気を配ったとは!!

この“戻し”というのは、アクセルペダルのオンオフのオフ側、ブレーキペダルのオフ側、そしてハンドルの切り始めじゃなく戻すとき、を指す。特にアクセル・ブレーキなどペダル操作では、どんなドライバーでも意識の有無に関わらず、必ず“抜き”方向で調整を行っているはずなのだ。たとえば信号待ちのラインに合わせるとき。渋滞時のノロノロ運転。そしてハンドルも必ず“切り戻し”という操作が必要になる。これの質感をとにかく鍛えたのだという。

「ベンチマークしたクルマはありますか?」と聞くと「どのメーカーのどのクルマ、ではなく、人間が感覚的に“良い”と感じる感度のレベルをベンチマークした」のだそうだ。

今のトヨタのクルマの味付けの、真骨頂を見た気がした。豊田章男氏の言う「もっといいクルマづくり」とは、まさにこういうことなのだ。

“流行りの”ワンペダルドライブを採用しなかった理由

片山氏に「EVといえば、のワンペダルドライブにしなかったのですね」と聞くと「ワンペダルドライブの楽しさは素晴らしいと思います。ただ、これには流行があると考えました。我々はもと、普通にずっと楽しいと思える、普遍的な運転の楽しさを提供したかったのです」と即答された。なんと・・・ぐうの音も出ませんがな。

さらに言うなら「あ、でもワンペダルドライブに近い感覚なら、スポーツモードを選択していただければ可能ですので!」・・・全方位にぬかりなし。ぎゃふん。

そしてこの“戻し方向”の制御の緻密さこそ、大容量バッテリーに拠って設定に幅が広がったためというのだからユニークだ。PHVにしか出来ない上質さがあるということに、このパワートレーンの未来を感じた。

トヨタ/RAV4 PHV
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新車価格:
469万円539万円
中古価格:
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トヨタ/RAV4
トヨタ RAV4カタログを見る
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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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