トヨタの人気コンパクトSUV「ライズ」に新開発“e-SMART ハイブリッド”初搭載! 同時に一部改良実施で燃費向上した1.2リッター車も新設
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:TOYOTA・ダイハツ工業
トヨタは2021年11月1日(月)、コンパクトSUV「ライズ」を一部改良し、新開発のハイブリッドシステム「e-SMART ハイブリッド」を新搭載した。さらにガソリン車は、従来の1リッターターボを4WDのみの設定とし、2WD(FF)ガソリン車には新開発の1.2リッターノンターボを新搭載し、燃費や性能を改善した。価格は170万7000円(消費税込)から。
トヨタ 新型ライズの多岐に渡る改良点について、順に解説していこう。
2020年度の販売ランキング2位! 超大人気コンパクトSUV「ライズ」に新開発のハイブリッドが追加された
トヨタ ライズは、2019年秋の東京モーターショー会場で初披露されたトヨタSUVシリーズ最少クラスのコンパクトSUVである。ダイハツ工業との共同開発モデルで、兄弟車は「ダイハツ ロッキー」。SUVらしく力強いデザインは東京モーターショー2019会場でも注目の的だった。
2019年11月に発売を開始すると、200万円を切る低価格な設定も話題を呼び、またたく間に評判を集め、翌2020年度(2020年4月~2021年3月)には12万988台を販売し、総合ランキング2位※となるほどの大ヒットモデルとなっている。
※自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)調べ
WLTCモード燃費28.0km/L! システムをシンプルにまとめたことで低価格化も実現
今回の一部改良では、新たにダイハツが開発した新型ハイブリッドシステム「e-SMART ハイブリッド」搭載モデルが追加され、燃費や環境性能の面でも大きく飛躍を遂げた。
e-SMART ハイブリッドは、新開発の1.2リッターノンターボエンジンを発電専用とし、100%モーター駆動としたシリーズ式ハイブリッドである。シンプルかつコンパクトな構造で、低・中速走行に強く、街乗りでの使用を得意とする。減速時にアクセルペダルのみで車速コントロール可能な「スマートペダル(S-PDL)」も採用し、街中や下り坂でのペダル踏みかえ頻度の軽減を図った。カタログ燃費は28.0km/L[WLTCモード燃費]をマークする。
シンプルなシステムに加え、リチウムイオン電池やモーターなど基礎部品をトヨタのハイブリッド車と共有したこともあって、低コスト化を実現。「ハイブリッド G」グレードで216万3000円と、トヨタのハイブリッド車の中でも特に低価格に抑えることが出来た。e-SMART ハイブリッド車は2WD(FF)車のみの設定となる。
ガソリンエンジンはラインナップを変更、2WDに新開発の1.2リッターノンターボを採用し、1リッターターボは4WDのみに
今回の一部改良では、ライズのグレード構成やエンジンラインナップも見直された。
従来型のライズは、直列3気筒 1リッターターボ「1KR-VET」型エンジン1機種で2WD(FF)と4WDを設定していた。今回の一部改良で新設されたハイブリッドに加え、2WD車にはこちらも新開発の1.2リッターノンターボ「WA-VE」型エンジンを新搭載し、ターボを4WDのみの設定とした。
2WD車の1.2リッターは、高タンブルストレートポート、2系統冷却システム、クールドEGRシステムなどを採用し、クラストップの熱効率(最大40%)を実現。こちらもクラストップとなるカタログ燃費20.7km/L(WLTCモード燃費)をマークする。低速域での加速性能を向上し、ノイズも低減させている。
なおe-SMART ハイブリッドに搭載される発電専用1.2リッターエンジンも、このWA-VE型をベースにして、ハイブリッド用に最適化している。
電動パーキングブレーキを採用するなど、先進運転支援機能や装備面も充実を図った
ライズの一部改良では、予防安全機能「スマートアシスト」を全車に標準装備化。夜間の歩行者検知機能や、標識認識機能、電動パーキングブレーキ採用により全車速追機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)に停止保持機能が加えられるなど、機能進化も遂げている。
また装備面では、キーを携帯し車に近づくとルームランプが点灯するウェルカムランプ機能や、ハイブリッド車に降車時に足元を照らすヘッドランプ点灯延長機能を標準化。さらにAC100V・1500W・非常時給電システム付きのアクセサリーコンセントをオプション設定した。
トヨタ 新型ライズの価格は170万7000円から232万8000円まで(消費税込)となっている。
多岐に渡る改良や燃費性能の向上などで、さらに盤石な体制となった新型ライズ。2022年も引き続き販売の主力となりそうである。
[筆者:MOTA(モータ)編集部トクダ トオル/撮影:TOYOTA・ダイハツ工業]
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