トヨタ プロボックス&サクシード(2014年マイナーチェンジ)新型車解説(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
インパクトの強い、乗用車的な顔立ちに変貌
今回のマイナーチェンジでは、エンジンの変更と併せてプラットフォームのフロント側にも手を加え、サスペンションの設定も見直した。走行安定性と乗り心地の向上が図られている。
安全装備では、横滑り防止装置がすべてのグレードに標準装備。ただし、サイド&カーテンエアバッグは依然として設定がなく、後席のシートベルトも中央席は2点式にとどまる。
横滑り防止装置は、2014年10月以降には既存の車種を含めてすべて義務化されるから(軽自動車は実施時期が異なる)、対応したと受け取られる。
デザインは内外装ともに刷新。現行プロボックス&サクシードの登場は2002年7月。すでに12年を経過しているため、大きな変更が加えられた。フロントマスクは、今日のトヨタの乗用車と同様、厚みのあるインパクトの強い顔立ちになった。
ヘッドランプの中央のグリルよりも、バンパー部分を強調している。従来型(特にプロボックス)にもサラリとしたプレーンな魅力があったが、変更後は存在感が強まった。
インテリアもデザイン、使い勝手に変更が施される
内装では、インパネのデザインを大幅に変更。エアコンの吹き出し口を拡大して、高い位置に装着している。エアコン本体にも可変容量コンプレッサーを採用して冷却効果を高めた。
フロントシートは新型を採用。背もたれや座面の形状を変更し、ドライバーのフィット感を向上させている。前後スライドの調節幅を240mm、シートリフターを60mmにすることで、着座姿勢を調節しやすくなった。リクライニングの角度も82度としたので、移動の途中でゆったりと休憩できる。
インパネ周辺の使い勝手にも注目したい。プロボックス&サクシードは従来から引き出し式のテーブルを設けるなど独自の工夫をしていたが、変更を受けてさらに使いやすくなった。少し小さめだったインパネテーブルは、従来型に比べて左右寸法を80mm、奥行を35mm広げ、ノートパソコンなどを置きやすくした。高い位置には、スマートフォンなどが収まるマルチホルダーも備わる。
センタートレイには、照明付きのドリンクホルダーを装着した。このほか引き出し式のテーブルとは別に、ファイルなどを簡単に置けるインパネトレイ、前席の中央にはビジネスバッグを置けるトレイも備わる(先代型の日産ブルーバードシルフィもセンターコンソールに女性のバッグを置けた)。
荷室の造りは従来型と共通だが、フラットで張り出しが少なく、荷物を素早く出し入れできる。このあたりは登場時点から熟成されていた。
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