未来のエンジン技術と言われた”セラミックエンジン”ってどうなった?
スペースシャトルが使う素材でエンジンを開発
スペースシャトルが実用化された頃の70年代末期から80年代初頭にかけて、「未来のエンジン」としてもてはやされたエンジンがありました。スペースシャトルの表面は、断熱性が極めて高いファインセラミックで覆われています。「この素材を自動車エンジンに使えば、効率をぐっと上げられる」という話から生まれたのが「セラミックエンジン」です。
しかし、その後セラミックエンジンが登場するという噂は全く聞きません。現在も自動車用エンジンといえば、鉄・アルミ・マグネシウムと相変わらず金属を使って作られています。金属以外の新たなエンジンの登場は厳しいのでしょうか?
セラミックエンジンは、もともと「断熱エンジン」として米軍で開発が始まりました。戦車のエンジンからラジエーターを無くし、弾が飛びこむリスクを低減させたいとか、当時の旧共産圏で多く産出していたレアメタルを使わずに、高性能エンジンを作りたい、というのが、開発のきっかけでした。
そして、断熱性や熱膨張性の低いセラミック(窒化ケイ素)が最適では、ということになり、日本では「セラミックエンジン」として脚光を浴びました。
セラミックは確かに断熱性が高く、熱膨張も小さいので、冷却の必要がありません。ただし、燃焼室内側の表面が高温になることは避けられません。
すると何が起きるでしょうか? 吸気工程でも燃焼室内部表面が赤熱するほど熱いままなので、吸気の温度が上がって熱膨張。その分、吸気効率が下がってしまいます。
また、冷却がセラミックエンジンだと必要ありませんが、燃焼室内の温度が高いことで排気が高温になり、結果的に熱損失は減らないということがわかってきました。
燃焼温度が高いと、窒素酸化物の排出量が多くなってしまうので、排ガスのクリーン化にも逆行してしまいます。さらに生産コストも厳しく、少なくとも自動車用としては、開発する意味がないと結論付けられたのです。
消えた技術もあれば新たな新技術も誕生
一方、ハイブリッドシステムは、減速エネルギーを回収することで、効率アップに成功しました。
セラミックエンジンのような「消えた技術」は数多くあります。
自動車メーカー各社が開発していた2サイクルディーゼルエンジンや、マツダが現在生産を休止しているロータリーエンジンも、「消えた」と言っていいでしょう。
技術は常に開発競争にさらされ、適者のみ生存します。
ハイブリッドカーは、現在日本では「勝ち組」ですが、仮にシェールオイル革命でガソリン価格が劇的に下がれば、無意味な高コスト商品となり、消えてしまうかもしれません。
そんな中、内燃機関に未来があると開発を進めていたマツダが「SKYACTIV X」というガソリンとディーゼルの利点を融合した理想的パワーユニットの実用化へメドを立てたと発表しました。
電動化が騒がれている今、内燃機関エンジンも急激に進化してきました。今後もどんな技術が発表されるか楽しみな時代に突入したと言えるでしょう。
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