“スバリスト視点”で見る新型「WRX S4・STI」徹底解説(2/4)

  • 筆者: マリオ 高野
  • カメラマン:和田清志/富士重工業株式会社
“スバリスト視点”で見る新型「WRX S4・STI」徹底解説
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最高に“気持ち良く曲がる”足へ!“見た目重視”の装備を真面目に煮詰めた結果・・・

まずは、極太偏平タイヤを装着する傾向が強い欧州の高性能セダンに対し、ルックス面で比較されるとやや弱さのあったバネ下の視覚的な迫力を増すため、「2.0GT-S Eye Sight」に「245/40R18」のハイパフォーマンスタイヤをオプション設定しています(ノーマルは「225/45R18」)。

WRXシリーズに“見た目重視”のオプション設定を追加するとはスバルらしくない・・・などと守旧派スバリストとしては難癖をつけたくなるところですが、そこはさすがスバル。タイヤの高性能化に伴い、245/40R18タイヤを装着する場合のビルシュタインダンパーは「タイヤ幅245mm専用セッティング」としているのです。

そして、ハイパフォーマンスタイヤのグリップ力を持て余さないよう、(245mmのタイヤ幅専用の)ビルシュタインでは「曲がりやすい特性」を強く意識。コイルスプリングのチューニングも合わせて245mm幅タイヤの接地性を上げる方向に煮詰めた結果、なんと“WRXシリーズ中、最も気持ち良く素直に曲がる足”に仕上がったようです。

単純な減衰力の強弱でいうとWRX STIよりはマイルドだし、もちろんWRX STIが素直に曲がらないというワケでは決してないのですが、WRX STIはトラクション性能のためのLSDが前後のデフに装着されているため、日本の山道などでの旋回時のスッキリ感では、245mmのタイヤ幅仕様のWRX S4のほうが気持ち良く感じる場合が多いとのこと。従来型と同等の乗り心地を確保しながら、コーナリング限界性能と回頭性を向上。より安心で楽しいハンドリングを実現したといいます。

見た目重視の装備をマジメに煮詰めた結果、ある部分においては上級グレードを上回る旋回フィーリングが得られたところは実にスバルらしいといえます。幅広タイヤのオプション設定がそれだけに止まらず、2.0GT-Sにスポーツ度を増したグレードがひとつ増えたかのような印象を受けました。乗り味にスポーツ性を重視する人は要注目です。

GT系グレードは、ややマイルドな方向へ微修正

スバル WRX S4

標準グレードの2.0GT Eye Sightが採用するカヤバ製ダンパーも仕様を変更。

オイルシール、ガイドプッシュ、オイルの粘性などを見直しながら、全体としてはわずかにフリクションを増やすことにより、減衰特性に連続性を出して乗り心地の改善をはかりました。これまでのダンパーでは筒内のオイルが流れるまでにごくわずかな不感帯、減衰力が出るまでにごくわずかな空走ストロークがあり、減衰が立ち上がった瞬間にやや唐突な動きをして、それが人によっては角のある硬さとして感じてしまうことがあったのですが、フリクションを増やしてその問題を解消。

微小なストロークでも的確に減衰力を発揮するダンパーとなり、上下方向の細かなピッチングを低減したといいます。WRX S4のGT系グレードはややマイルドな方向に微修正された模様です。

旧世代のWRXに乗り続ける私マリオ高野のように、古典的な味付けを好むタイプのユーザーは従来型でも特に不満を覚えることはありませんが、WRXより圧倒的にコンフォートな味付けの4代目レガシィからの乗り換えユーザーにとっては、少し硬さを感じる可能性があったかも知れません。

WRX S4は、WRXシリーズでありながら、歴代WRXユーザーよりも、WRX以外のクルマに乗ってきたユーザーのほうが気になるクルマなので、この微修正は正解だと思います。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

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