新型ノートの装着率驚異の41%! 新しいプロパイロットは何が違うの!?
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
今や日産を支える基幹車種にまで成長したノート。2020年末にフルモデルチェンジし、月販目標台数の2.5倍を達成するなど絶大なる支持を集めている。販売から1ヶ月が経過し人気オプションも発表されたのだが、そこで注目を集めているのが新世代のプロパイロットだ。今回は新型ノートに搭載された新プロパイロットの新機能など、これまでの違いを改めてご紹介する。
そもそもプロパイロットってどんな機能?!
本題に入る前にプロパイロットのおさらい。
2016年にデビューした現行セレナに初めて搭載されたのだが、主に高速道路や自動車専用道路において同一車線内でステアリングアシスト、さらには加減速をクルマ自らが操作してくれる半自動運転(自動運転レベル2相当)とも言える機能である。
2021年1月現在でプロパイロットが搭載されている車種は、新型ノートをはじめ、SUVのエクストレイル、軽自動車のデイズとルークス、電気自動車のリーフ、さらにスカイラインハイブリッドがある。いずれも人気のモデルだ。
じつは大きく2種類あった! その違いは?
プロパイロットには大きく分けて2つの種類が存在する。セレナやエクストレイルといった売れ線車種に搭載されているプロパイロットは、単眼カメラとミリ波レーダーを使用したシンプルな機構。
それに対し、スカイラインハイブリッドに搭載されているプロパイロット2.0は、より高度な機構を用いる。光学式3眼カメラとミリ波レーダー、さらには3Dマップを用いたシステムとなり、ナビと連動した制御が行われる。いわゆるカーナビに使われている地図データの他に、車線数や勾配、さらには制限速度などをデータ化した高精細地図と呼ばれるものを使用しているのだ。
これまでのプロパイロットは、例えばコーナーに差し掛かって初めてステアリング制御が介入するためギクシャク感が強かったのだが、2.0は地図と連動しているためにコーナー直前からクルマ自らが減速するなど、より自然な制御がなされるのだ。それに加え先行車が遅い場合、車線変更を促すアラートを表示し、これまたクルマ自らが車線変更を行うなど、自動運転により近づいた印象である。
まとめると、通常のプロパイロットは、軽を含む普及モデル用に廉価で提供出来るシステム。これに対しプロパイロット2.0は、高度な仕組みな分、高価格帯モデル向けのシステムとなる。
このようにプロパイロットには2種類存在するのだが、新型ノートに採用されているのはこのふたつの中間に位置し、いわばプロパイロット1.5とも呼べるものなのだ。しかもその装着率は驚異の41%だというが、これまでと一体どんな違いがあるのか?
新型ノートにプロパイロットはイイとこ取り
新型ノートに搭載されたプロパイロットは、先に紹介した2種類のいいとこ取りをしたものである。通常版プロパイロットの機能にプラスして、ナビ連動機能が加わっているというのが最大のトピックだ。
スカイラインハイブリッドのプロパイロット2.0は高精細地図を使用して、より緻密な制御を行っているが、新型ノートはカーナビデータとリンクさせている。2.0ほど緻密な制御ではないものの、これまでのプロパイロットよりもコーナー直前での自然な制御を実現しているのが魅力なのだ。
プロパイロット2.0は先述の通り、ミリ波レーダーと光学式3眼カメラ、さらには3Dマップを用いていおり、装備自体のコストはかなりの高額。
だが、新型ノートのプロパイロットは既存の機構を用いて、それにカーナビとのリンクをさせることにより、安価で作れるというメリットがあるのだ。新型ノートはご存知の通りスカイラインのような高価格帯ではないため、より安価な価格設定とする必要があったというワケ。
お得な特別仕様車の登場を待つのもアリ
だが、ひとつ大きな問題がある。それは新型ノートのグレード、そしてオプション構成にある。というのもプロパイロットを装着できるのは最上級グレードのX(218万6000円)であるという点。加えて、プロパイロット単体では装着できないうえ、9インチのメーカーオプションナビを選ばなければナビリンク機能はつかないという、なんとも複雑な構成となっているのだ。
ちなみにプロパイロット1.5が欲しい場合、オプションだけで44万2000円となり、車両本体価格と合計すると262万8800円にまでなってしまう。
どうせ買うならば、プロパイロット1.5が欲しいが、ここまでの価格になってしまうと……と躊躇してしまう人も少なくないはずだ。だが、現状装着率は41%と半数に近いことからも、プロパイロットをはじめとする先進安全装備に対するニーズはかなり高いのだ。
それだけにもう少しわかりやすいオプション構成にしてほしいところだ。あるいは中間グレードにプロパイロットを装着した特別仕様車の登場に期待したい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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