煽り運転が発生する原因はあなたにもあった!?

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煽り運転に遭わないように運転することが大切

2017年6月に発生した東名高速道路での痛ましい事件をきっかけとして、改めて危険性が注目されるようになった煽り(あおり)運転。しかし、その後も煽り運転をきっかけとする事件や事故は後を絶たず、高速道路上に無理やり停車させられた上、運転手が殴打されるという事件も記憶に新しい。

煽り運転をどうしたらなくすことができるのかについて、連日のようにさまざまなメディアで取り上げられているが、まず問題になるのが加害者側(煽った側)についてばかり。確かに、煽った側に非があるのは間違いないことだが、自分自身が煽り運転の被害に遭わないようにすることも大切だ。煽り運転の被害に遭わないためには、どういった運転を心がければ良いのだろうか。

煽り運転を助長しかねない“追い越し車線の居座り”

どんな状況であっても、煽り運転は絶対に行ってはならないが、煽られる原因としてよく取り上げられるのが、追い越し車線への居座りだ。高速道路には、走行車線と追い越し車線という2つの通行帯が存在し、追い越し車線は読んで字のごとく、先行車を追い越すための車線である。

つまり、追い越し以外の目的で走行してはならないわけで、追い越しが完了しているにも関わらず、追い越し車線を走行し続けることは認められていない。そして不必要に追い越し車線を走行し続けることは、「通行帯違反」に該当し、反則金6,000円、違反点数1点となる。

どのくらいの距離を走行し続けると違反になるのかについては、明確な距離が示されているわけではないが、一般的には2km以上で検挙されることが多いようだ。ただしこれはあくまでも、これまでの傾向というだけであって、明らかに追い越しが完了しているのにも関わらず、追い越し車線を走行し続けていれば交通違反になる、ということを忘れてはいけない。

追いつかれたクルマには譲る義務がある

もう一つ覚えていていただきたいのが、追いつかれたクルマには、道を譲る義務があるということだ。これは道路交通法27条に定められており、もしも故意に道を譲らなかった場合には、「追い付かれた車両の義務違反」となり、違反点数は1点となる。

ただ、実際に「追い付かれた車両の義務違反」で検挙されることはほとんどなく、あくまで円滑な流れを維持するための“マナー的なルール”と言えるだろう。

とは言え、「法定速度で走っているから譲る必要がない」という理屈は成り立たない。なぜならば、道路交通法の基本理念は、「交通の安全と円滑な流れ」を守ることであるからだ。

もしも、「法定速度を守らないことが絶対悪」であるならば、法定速度を1キロでもオーバーすれば速度違反として検挙されるはず。しかし、速度取り締まりの実情はと言うと、おおむね15キロオーバー(高速道路では20キロオーバー)で検挙される傾向にあり、わずかな速度超過は検挙されない。つまり、制限速度がすべてではなく、円滑な流れを維持することも重要である。また車載の速度計には1台ごとの誤差も少なからず生じる。このあたりも考慮したうえで、多少の速度超過は、ある意味許容範囲と捉えなければならない。

交通の安全と円滑な流れを守るためにしなければならないこと

近年、煽ってきた車両の映像を録画し、動画投稿サイトやSNSなどにその映像が投稿されていることをよく目にする。もちろん、本当に悪質な運転に対して、多くの皆さんが怒りを覚えるのはごもっともなことであるし筆者も同感だ。

ところが、中にはそういった煽り映像を撮りたいがために、わざとゆっくり走ったり、やや強引な割り込みを行ったりする事例も報告されている。

大切なことは、悪い者を吊し上げたり、自己中心的な正義を振りかざしたりすることではなく、道路を利用するすべての人が、安全かつ快適に利用できる環境を作り上げることではないだろうか。

もちろん、繰り返しになるが、煽り運転は決して行ってはいけない危険な行為であることは間違いない。しかし、追い越し車線に居座らない、制限速度だから頑として譲らないなど、自分ではない他人のことも十分に配慮し、煽り運転の被害に巻き込まれない心得も必要ではないだろうか。

[筆者:増田 真吾]

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増田 真吾
筆者増田 真吾

和太鼓とROCKを愛する自動車ライター。国産車ディーラー、車検工場でおよそ15年自動車整備士として勤務したのち、大手中古車販売店の本部業務を経験。その後、急転直下で独立しフリーの自動車ライターに転身。国家資格整備士と自動車検査員資格を保有し、レースから整備、車検、中古車、そしてメカニカルな分野まで幅広い知見を持つ。昔の彼女が付けた肩書は「熱血太鼓車バカ」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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