日産 新型ルークスの発売は2025年末? e-POWER搭載で燃費30km/L超えか
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/小林 岳夫/日産自動車/MOTA編集部
日産 ルークスは現行モデルの発売から5年が経過し、2025年中にフルモデルチェンジが実施されるという情報が入りました。
そこで、次期ルークス(以降、新型ルークス)についてカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんに、発売時期、新しいパワートレインの設定や燃費、価格、外観、内装、グレード設定などについて、予想していただきます。最後に、日産の現状と新型ルークスが投入される背景についても解説があります。
日産 ルークスとは? 新型ルークスの発売予想時期は2025年末
日産 ルークスは、全高1700mm以上のスライドドアを持つスーパーハイトワゴンに分類される軽自動車です。
広い室内空間で4名乗車でも快適、後席を格納すると自転車も積める広い荷室があるなど使い勝手が良いのが特徴で、ファミリー層を中心に人気を集めています。
スーパーハイトワゴンカテゴリーは人気が高く、軽乗用車市場の上位を占める状況です。
そのため競争が激しく、ホンダ N-BOX、スズキ スペーシアなどは2023年にモデルチェンジを実施しており、2025年2月の軽乗用車の販売台数ではN-BOXが18,823台で1位、スペーシアが2位の15,715台です。ルークスは6位で7,049台と差をつけられています。
このような状況下で、競争力を維持するためにも、日産は2025年にルークスのフルモデルチェンジを実施するでしょう。
新型ルークスの発売予想時期
新型ルークスの発売は、2025年11~12月頃になると予想します。
発売に先駆け、2025年10月30日(木)から開催される「ジャパンモビリティショー2025」に出品される可能性が高いでしょう。新型ルークスが2025年中に投入される背景ついては、記事の後半にて解説します。
まずは新型ルークスのパワーユニットや燃費、価格、外観や内装について予想をします。
新型ルークスのパワートレインと燃費予想
新型ルークスで最も期待されるのが、従来には設定がなかったパワーユニットであるストロングハイブリッドの「e-POWER」の搭載です。e-POWER仕様は他のパワーユニットより少し遅れて登場するかもしれませんが、搭載される可能性は高いでしょう。
その理由は、ダイハツ 次期ムーヴがストロングハイブリッドを搭載する予定であるなど、軽スーパーハイトワゴン市場でストロングハイブリッド車のニーズが高まっているためです。
現行ルークスはモーターで出力をアシストするスマートシンプルハイブリッド(マイルドハイブリッド)仕様をラインナップしていますが、WLTCモード燃費は20.9km/L(※1)です。
ライバルとなるスーパーハイトワゴンで最良の燃費を誇るスペーシアのマイルドハイブリッド仕様は25.1km/L(※2)、軽自動車で最良のスズキ アルトは27.7km/L(※3)です。
そのため、ユーザーニーズに応え、商品力を高めるためにも、e-POWERを搭載した新型ルークスのWLTCモード燃費は30km/Lオーバーを目指すでしょう。
車種名 | WLTCモード燃費 |
---|---|
日産 現行ルークス | 19km/L(※1) |
スズキ スペーシア | 25.1km/L(※2) |
スズキ アルト | 27.7km/L(※3) |
日産 新型ルークス(e-POWER搭載車) | 30.0km/L 以上(予想) |
(※1)NAの場合。ターボエンジン搭載車は19.2km/L
(※2)HYBRID G 2WDの場合
(※3)HYBRID X・HYBRID S 2WDの場合
e-POWERはモーター駆動ですから、加速は滑らかでノイズも小さいです。走りの満足度も電気自動車(BEV)の日産 サクラに近付きます。
新型ルークスの予想価格
新型ルークスの予想価格は、最も安価なグレードが160万円台、買い得グレードが設定される売れ筋価格帯が180~210万円、e-POWERを搭載する最上級グレードが230万円程度です。
ハイウェイスターe-POWER:230万円程度
標準ボディe-POWER:200万円程度
エントリーグレード:169万円程度
新型ルークスにe-POWERが設定された場合、課題は価格です。
小型/普通車のストロングハイブリッドは、コンパクトカーを含めて価格を35万円以上に設定することが多いですが、軽自動車では難しいです。
装備の充実によって全体的に価格帯が上昇した今でも、ノーマルエンジン車に比べて35万円高くなってしまうと、売れ行きが伸び悩みます。
そこで新型ルークスのe-POWERは、バッテリーの小型化などによってコストを低減させ、25万円前後の価格アップに抑えると予想されます。
そうすればエアロパーツを装着したハイウェイスターのe-POWERでも、価格を230万円程度に設定できます。外観がシンプルな標準ボディなら、e-POWERを搭載して200万円以下に抑えることも可能でしょう。
標準ボディの一番安価なグレードは、価格を169万円といった設定に抑えるはずです。スーパーハイトワゴンのライバル車を見ると、いずれも140万円台から160万円台に最も安価なグレードを用意するからです。
新型ルークスの外観デザイン予想
新型ルークスの外観は、現行型と同様に、人気の高いスーパーハイトワゴンのデザインを継承するでしょう。
フロントマスクは、日産の新しいV字型グリル(デジタルVモーション)を採用し、現行型以上に立体感を強め、より精悍な印象に仕上げられるでしょう。
リアビューについては、テールランプをサクラのようなL字型に変更し、左右を繋げたワイドな形状とすることも考えられます。
現行ルークスの外観は、ライバル車に比べてインパクトがやや弱いという指摘もあるため、新型では外観によりメリハリをつけることで、存在感を高めることが期待されます。
また、最新のデザイントレンドを取り入れ、より洗練されたスタイリングとなる可能性もあるでしょう。
新型ルークスの内装予想
新型ルークスの内装は、近年の軽自動車ユーザーが特に重視する質感の向上に力が入れられるでしょう。
現行ルークスの「ハイウェイスターGターボ」「ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」に使われているステッチ(縫い目)入りの合成皮革インパネは、次期型では採用グレードが拡大されると予想されます。
さらに、サクラのプレミアムインテリアパッケージの「インテリアライティング」のように、内装の各部をイルミネーションで彩る演出が施される可能性もあります。
新型ルークスのグレード設定予想
現在、国内販売台数1位のN-BOXをはじめ、人気の高い軽自動車は「標準」「カスタム」「SUV風」といった3種類のシリーズを展開する傾向があります。
新型ルークスも、ユーザーの多様なニーズに応えるため、選択肢を拡大する可能性は高いです。
具体的には、標準モデル、専用のエアロパーツなどが装着されたハイウェイスター、そして新たなプレミアムグレードやSUV風モデルの登場が期待されます。
・標準モデル
・ハイウェイスター
・プレミアムグレード
・SUV風モデル
現在のルークスのグレード構成は、標準ボディとハイウェイスターの2種類に大別されます。
しかし、新型ルークスでは、日産 ノートにおけるノートオーラに相当するプレミアムグレードが追加される可能性が高いです。その理由として、近年、軽自動車市場においても上質志向のニーズが高まっており、各メーカーが高級グレードのラインナップを拡充していることが挙げられます。
アウトドアレジャー人気やSUV人気を背景に、スーパーハイトワゴン市場でもSUV風モデルの需要は増加傾向にあります。
ライバル車のホンダ N-BOXジョイやスズキ スペーシアギア、ダイハツ タントファンクロスに相当するSUV風モデルの登場も考えられます。
ルークスと基本部分を共通とする姉妹車の三菱 デリカミニも人気が高いため、新型ルークスにも同様のモデルが設定されるかもしれません。
日産の現状と新型ルークス投入の背景
日産はホンダとの経営統合が破談に終わり、今後の動向が注目されています。ユーザーにとって特に気掛かりなのは、日産が国内市場に投入する今後の新型車でしょう。
現時点(2025年3月上旬時点)で、日産が国内で販売している車種を見ると、以前よりも設計の新しい車種が増えました。ノートオーラの発売は2021年、セレナ、エクストレイル、フェアレディZ、サクラは2022年です。
しかし、これらの新型車投入にもかかわらず、日産の国内販売台数は伸び悩んでおり、2023年の国内自動車メーカー販売ランキングでは5位という結果でした。
日産の今後の計画
このような状況もあり、日産は今後の計画として「2025年度(2025年4月から2026年3月)に新型の軽乗用車を発売する」と明らかにしました。
現時点で日産の軽乗用車には、デイズ、ルークス、軽商用車をベースにしたワゴン仕様のクリッパーリオ、電気自動車のサクラが用意されています。この中で、2025年度には、ルークスが新型にフルモデルチェンジされるでしょう。
現行ルークスの発売は2020年で、2019年の現行デイズよりも設計が新しいですが、日産の関係者は「デイズではなくルークスが先にフルモデルチェンジします」と述べています。
ルークスが優先される理由
その理由は、ルークスの売れ行きがデイズよりも好調だからです。2024年におけるルークスの届け出台数は、1か月平均で5,891台に達しました。日産車ではノート(+ノートオーラ)とセレナに次いで多い販売台数です。
一方、デイズの1か月平均届け出台数は4,202台にとどまり、ルークスの約70%に過ぎません。そこで、販売の好調なスーパーハイトワゴンのルークスが先にフルモデルチェンジされることになったのです。
ちなみに他社でも、N-BOX、スペーシア、ダイハツ タントなど、スーパーハイトワゴンは販売が好調で、新車として売られる軽乗用車の50%以上を占めます。
そのため、スズキでは、スペーシアは2023年に新型となりましたが、デイズのライバル車であるスズキ ワゴンRは、2017年の発売で設計が古くなっています。
日産のルークスとデイズにも、同様のことが当てはまります。つまり、市場のニーズが高いスーパーハイトワゴンであるルークスを優先的に新型に切り替えることで、日産は販売台数の増加、ひいては業績回復を目指していると言えるでしょう。
(※)これらの情報はあくまで予想であり、実際の発売時期や価格は変更される可能性がある点にご留意ください。また、最新情報については、日産自動車の公式発表をご確認ください。【筆者:渡辺 陽一郎/カメラマン:茂呂 幸正/小林 岳夫/日産自動車/MOTA編集部】
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