「待ち焦がれていた運命の再会」ルノー 新型 トゥインゴ「TWINGO INTENS Canvas top」試乗レポート(2/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林岳夫・オートックワン編集部・ルノージャポン
甘いムードに内包される力強さ
そう、時代はただ甘いだけではダメ、ファッションだってどこかヒネリの効いたエッジを求める傾向にある。原宿にたむろする、全身パステルカラーの「ゆめかわいい」系女子が好んで目玉や流血などのホラーモチーフを選ぶように、ベタベタに甘ったるいだけでは胸焼けしちゃうのだ。
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随所に円のモチーフを多用し、柔らかい印象を演出しつつも大型のエアインテークやリアフェンダーの張り出しでしっかりと「フランス流」の走りを期待させ、そこだけ切り取れば車体全体のデザインからはちょっと意外なほどに強い目力=フロントライトで強さをアピールする。
あえて黒のアクセントカラーを選んでくるあたり、いかにもルノーらしい
その左右のフロントライトから繋がるガーニッシュの中央に鎮座するのはもちろんルノーブランドの象徴「ロサンジュ」(フランス語で“菱形”と言う意味。フランス語にするだけでなんとなく美味しい洋菓子のようになるマジック炸裂な語感!)のエンブレムなのだけど、このガーニッシュをはじめその下のエアインテーク、サイドパネル、そしてルーフ、リアドアなど、かなりの分量でパリジャンが最も愛する色である「黒」を多用しているのも興味深い。こういう、パステルをボディーカラーにラインナップする甘い系カーのツートンカラーには、得てして白を組み合わせがちだ。それをキリっと黒を投入して引き締めてきたあたりがルノーらしい。
コントラストの強いパステルとブラックの組み合わせは、分量を少しでも間違うと野暮ったくなったり時代遅れになっちゃったりするのだけど、どうよこれ。自分が作ったわけでもないのになんとなく誇らしい気分になるのはなぜ。それくらい完成度高いってことなんじゃないの。
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