新旧アルピーヌ A110の共演が実現! 宇宙船のようなシトロエンDSや懐かしの四角いボルボも登場【オートモビルカウンシル 2018】
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:和田清志
国内発表したばかりの新アルピーヌ A110が早くも登場!
クルマの長い歴史を創始時代から作り続けてきたフランス車にも名車が多く、魅力的な新型車も次々と発表されている。
その中でもフォーカスしたいのはやはり新生アルピーヌ A110だろう。
2018年6月22日に国内発表・販売受付がついに開始されたばかりだ。世界限定1955台/日本限定50台のプルミエール・エディションは申し込み倍率が20倍に達したことも話題になった。
そのA110が、早くも主催者展示として会場入り口にオリジナルのA110と並べて展示されていた。しかも両車ともに同じ方向を向いていることで、かつてラリーを席巻した小さく軽いオリジナルA110を、新生A110が見事に復活させたことを感じられるようになっていた。
>>新旧A110やシトロエンDS、ボルボなど、フランス・スウェーデンのヘリテージカーを画像でチェック
ウェザリングが施された左ハン+MTのオリジナルA110も
オリジナルのアルピーヌ A110は他にも展示されていた。「左ハンドル+マニュアル」の現地仕様のフランス車にこだわりを持ち輸入販売を行うショップ「LES MAINS SPRL」(愛知県名古屋市)が、A110 1300VC(1974年)を展示。
こちらはまるでラリーを走ってきた直後のような「ウェザリング」が施され、ワイパーが跳ねた泥水をかいた状態まで再現されていた。ラリーで強かったA110のイメージが強く反映された新しい展示の仕方は、来場者の注目を集めていた。
宇宙船のようなシトロエンDS(Dシリーズ)が会場に飛来
毎年フランス車の展示で最も多くみられるのがシトロエン DSだ。まるで宇宙船のような、1950~60年代に夢見られた「その当時考えられた未来」感たっぷりの姿を持つDS(Dシリーズ)だが、今年は京都のシトロエン専門店「アウトニーズ」が用意した4台が登場。
戦前のモデル“トラクシオン・アヴァン”から、早くも前輪駆動を採用したシトロエンが1955年に発表したDSは、オイルと空気によるサスペンション「ハイドロニューマチック」を採用したことでも知られる。ここではその呼び方をDS(Dシリーズ)としたが、DSには装備を省いたID(のちにDスペシャルやDスーパーに改名)が存在するため、このように呼ばれることがあるためだ。
4台の内訳は2台が上級版のDS21パラス(1968年/1973年)、廉価版のID19(1973年)、そしてID19 ファミリアーレ(1968年)だった(つまり2台は正しくはDSでなくIDということになる)。
なおID19 ファミリアーレは、今年から新たに行われたイベント初日の来場者による人気投票「AUTOMOBILE COUNCIL CAR OF THE YEAR 2018」を受賞。水色の車体にオレンジブラウンの内装、3mを超えるホイールベースの長い車体にアメリカ車を思わせるテールデザインなど、異端なデザインが多かったかつてのフランス車を代表するモデルだ。
ボルボ・カー・ジャパンがヘリテージカーを再生する「クラシックガレージ」、今年も出展
ボルボ・カー・ジャパンがボルボのヘリテージカーを自ら整備を行って再生する「クラシックガレージ(KLASSISK GARAGE)」。今年も美しい内外装を持つ素晴らしいコンディションのボルボを展示した。
初日は、未だに中古車市場で絶大な人気を誇る240が3台(240 GLEセダン/1993年、240 GLセダン/1987年、240クラシックエステート/1992年)に、240の後継車として1980年代半ばに登場した740/760の中から740セダン(1990年)、740/760の改良版となる940/960の940ポラールSXエステート(1996年)、そして1960~70年代ボルボの名車P1800の2ドアシューティングブレーク版P1800ES(1973年)の6台が並べられていた。
他にもイベント開催期間中はベルトーネがデザインと製造を担当したエレガントなクーペ780(1990年)も置かれていたようだ。
レンガのよう、と形容されていた四角いボルボは、同社の歴史の中でもむろん重要なモデルたちだ。実は近年の新型車も、再び肩が張った四角いデザインをまとい始めている。このようにオートモビルカウンシルは、それぞれのメーカーが保ち続けている個性や哲学を読み取ることができる得難い機会にもなるのである。
[レポート:遠藤イヅル/Photo:和田清志]
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