懐かしの名車に胸アツ!スバル初代レオーネやホンダ歴代レジェンドが登場【オートモビルカウンシル 2018】

スバルは新型フォレスターを軸にSUVの歴史を紹介

オートモビルカウンシル2018、国内メーカー出展5社の一つであるスバルは、テーマを『SUBARU SUV STORY ~量産初の乗用AWDをつくった、SUBARU SUVの進化の系譜~』として、「初代レオーネ4WDエステートバン(A22型/1972年)」、「レガシィ・グランドワゴン(2代目レガシイ・BG型/1995年)」、「初代フォレスター(SF型/1997年)」、そして、e-BOXERを搭載したフォレスター初のハイブリッドモデルで2018年9月14日から市販される「新型フォレスター ADVANCE」のスバルの歴史が分かる4WDバン、クロスオーバーワゴン、そしてSUVモデルの全4台を展示した。

いずれも水平対向エンジンにAWD(スバルでは4WDをAWDと呼ぶ)の組み合わせを持ち、スバルの伝統を強く感じさせるラインアップになっていた。

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初代レオーネは量産車世界初の乗用車型AWD

会場でもひときわ注目を集めていた初代レオーネ4WDエステートバン。実はこれこそが量産車世界初の乗用車ベースの4輪駆動車だ。現在AWDは珍しいものではなく、軽自動車からミニバン、スポーツカーまで広く搭載されるメカニズムとなった。しかし、かつての4輪駆動車は軍用車が出自のジープに代表されるような、機能一徹の“男っぽいモデル”しか無かった。

そんな中、スバルは1972年に「レオーネ4WDエステートバン」の発売を開始する。このクルマの特徴は乗用車をベースに四輪駆動を与えたということだった(厳密にはエステートバンなので商用車扱いだった。その後、1975年に本当の意味での乗用車型AWD、レオーネ4ドアセダン4WDが登場する)。それは、ハードボイルドで快適性が低いそれまでの4WDと違い、見た目はちょっと車高が高いだけの普通のクルマなのに、悪路を今までの4輪駆動車のように突き進んでいけるという、全く新しいジャンルのクルマの登場を意味していた。

実はレオーネ4WDエステートバンが登場する前、レオーネの前身だった「FF-1」にもすでに4輪駆動車「FF-1 1300Gバン4WD」が用意されていた。同車は、冬季の業務で雪深い山間部を走る東北電力からの『乗り心地が悪くヒーターも効かない従来のジープ型ではなく、乗用車の快適性を持つ4輪駆動車が欲しい』という要望が生んだモデルだった。

FF-1 1300Gバン4WDは量産されなかったが、レオーネ4WDエステートバンはカタログに載り、そしてスバル=4WDというイメージを確立することになった。スバルではFF−1からすでに水平対向エンジンを採用していたため、スバル伝統のシンメトリカルAWDの基本はすでにFF-1、そして初代レオーネで完成していたことになるのだ。

ホンダはフラッグシップ車「レジェンド」の歴代モデルを展示

続いて、『LEGEND History』と題して、歴代レジェンドを並べたホンダの展示を見てみよう。

ホンダ初の高級車、かつ3ナンバーモデルだった「初代レジェンド(KA1~6型/1985年)」も登場から早33年が過ぎており、立派なヘリテージカーの仲間入りをしてしまったことが感慨深い。このころの年代のクルマは、1960~70年代のヘリテージカーよりもむしろ流通量が少なく貴重なため、筆者もイベント以外で初代レジェンドを見たのは実に10年以上ぶりだった。

ホンダは、当時高級車を開発するノウハウが少なかったため、提携先のブリティッシュ・レイランド(イギリス)との共同開発という道を選択。ローバー、ジャガーなどの高級車部門を多く持っていた同社とのタッグで生まれたのが、ホンダ レジェンドとローバー 800シリーズだった。

そのためレジェンドは神殿のような派手なメッキと、リビングのソファー的なシートを持つ1980年代の国産高級車とは異なるシックで上質・洗練された内外装を備えており、それは当時とても新鮮に映ったものだった。

レジェンドはまさにホンダの“伝説”の一つ

「2代目レジェンド(KA7~8/1990年)」は流麗なクーペモデルが持ち込まれていた。初代にも設定されていたレジェンドクーペは、2代目ではボディサイズが全長4.9mほどまで成長。さらに欧米のビッグクーペにも負けないエレガンスを持つことになった。前輪駆動ながらV6エンジンがフロントミッドに縦置きされたことも特徴だ。

続いて3代目(KA9型/1996年)を飛び越してSH−AWDの採用で劇的にスポーティさを増した4代目(KB1~2型)、そしてビッグマイナーが施された現行型・5代目(KC2型)が展示され、ホンダのフラッグシップとして、そしてアメリカのアキュラブランドでも主力商品となるレジェンドの歴史を一目で追えるブースになっていた。

ホンダは昨年のオートモビルカウンシルで新旧NSXを計4台並べたように、今年も車種をテーマにして展示を行った。

昨年のレポで筆者は、『NSXのヘリテージを紹介するというより単にNSXが新旧並んでいるだけというイメージで、正直に書いてしまうと展示内容が他の国内メーカーに比べて力が入っている印象が薄かった』と少々厳しく記しているが、残念ながら今年もその印象をぬぐいきれなかった。

それぞれの車種はホンダの伝説とも言えるほどに力が込められたモデルなので、登場した時代のバックボーンの紹介やレジェンドにまつわる資料などがもう少しあれば、より『LEGEND History』というテーマが鮮烈に来場者に伝わったのではないかと思った。

[レポート:遠藤イヅル/Photo:和田清志]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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