[西部警察]DR30型 日産 スカイラインRSターボ ”RS-2”を徹底解析|特別機動車両 Vol.4
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション 取材協力:小樽 石原裕次郎記念館
西部警察RS軍団の中核、情報収集を担う“RS-2”
遅筆な筆者が原因でなかなかアップされない……と苦情が続出と言うウワサ(大汗)の西部警察で活躍した特別機動車両 徹底解説の第4弾。
今回は6代目スカイラインRSターボ/RSがベースの3台の特別機動車両「RS軍団」の中で、哨戒(しょうかい)の任にあたる情報収集車の役目を持つ「RS-2」だ。
主に運転席には五代純刑事を演じる石原良純氏、助手席には「おやっさん」こと南長太郎刑事を演じる小林昭二氏のコンビで乗ることが多かった。
ちなみに、西部警察「オフィシャル写真集」には以下のようにRS-2のスペックが掲載されている。
全長×全幅×全高:4595×1665×1360mm
エンジン形式:FJ20ET
最高速度:260km/h
車体重量:1395kg
主要装備:マイクロコンピューター、センサー信号処理装置、パルス・ドップラー・システム
ベース車両はRS-1と同じく、190ps/23.0kgmを発生するFJ20ET(インタークーラーなし)を搭載したRSターボだ。
“RS-2”スカイラインRSターボの内外装に備わる特殊装備の数々
RS軍団唯一! RS-2の屋根にパトライトが載らない理由とは
RS-2のエクステリア最大の特徴は、RS-1/RS-3のルーフに搭載される大型パトライトを装着せず、RS軍団唯一となる電動サンルーフ仕様となっていることである。そのため、パトライトはボディ左右ドア後部に装着されているが、なんと車内のスイッチにより台座が回転収納される優れものモノ。これは本物の覆面パトカーのアイデア(反転式回転灯)を応用したと言う。
このパトライトの装着により、レギュレーターハンドルで開閉可能な後席ウィンドウは、アクリル製の嵌め殺しに変更されている。
また、リアバンパーに2本設置された長いアンテナもRS-2を象徴するアイテムで、TV放送では大きく揺らしながら追跡するシーンが印象的だったが、普段はルーフサイドに追加された固定フックによる固定も可能だった。
トランクから4連装の特殊弾を発射できる!
さらにまた、トランクリッドはRS軍団唯一の「逆ヒンジタイプ」に改造されている。トランク内に4連装特殊弾発射筒(無煙閃光弾、信号弾、曳光表示弾、発煙弾、催涙ガス弾が発射可能)を装着していた。
企画当初はエアブレーキと言う設定だったが、石原プロからの「派手な装備が欲しい」と言う要望から変更されたと言うが、なぜかTV放送では一度も使われていない。
その他の外観は、FET極東(エアロクラフト)製のフロント/リアスポイラー、当時の日産純正OP「AD three」のエアスプリット/フェンダープロテクター/マッドカード/リアのエクストリームスプリット/リアウィンドウバイザー、そしてオリジナルのリアバンパー下のスリットスポイラー/エアアウルトレットなどのエアロパーツ類や、今や貴重な16インチサイズのエンケイメッシュ4とポテンザRE91(205/55R16)の組み合わせなどはRS-1と共通である。
室内は2シーターに改造、搭載するコンピュータは他モデルに比べ小型
インテリアはリアシートを取り外した2名乗車だが、RS-3とは違って運転席/助手席のオーソドックスなレイアウト。助手席グローブボックス前にレイアウトされるコンピューターはRS-1/3と比べると小型だがスペックは高機能で、全周波数での送受信が可能な特殊無線機(YAESU FT-77S)や距離測定機、平面および側面投影が可能なISAレーダー、微細な振動と音源をキャッチするセンサーなどを装備。
パートIII 第16話「大門軍団フォーメーション」ではISAレーダーとセンサーにより犯人の大型バイクの判別、パートIII 第33話「仙台爆破計画-宮城・後編-」では、犯人グループの移動アジト(バス)の位置を無線発信から特定など、RS-2の機能が事件解決に役立っている。ちなみにシグナルコントロールも旧マシンRSより進化したバージョンで、「赤→青」だけでなく「青→赤」も可能だ。
ちなみに助手席はこのコンピューターを操作するために、運転席よりもかなり後ろ側の位置がデフォルトで、フロアが滑りにくい鉄板仕様になっている。これは電動サンルーフを使って銃で攻撃をする際に、安定した姿勢を取りやすくし確実な狙撃のために……と言う配慮のようだ。
RS-2の最高速はRS-1より5キロ低い260km/h
他の部分はナルディのステアリング、コルビューのスポーツシート、ブリタックスの4点式シートベルト。インパネのサイレンアンプ(クラリオン製)などはRS-1と同じだが、センターコンソールのVOD製の追加メーターはRS-1は電流/電圧/外気温/ガスコントロールの4つに対し、RS-2は電流/外気温/ガスコントロールの3つとなりスイッチはRS-1は3つに対してRS-2は7つと若干異なる。
RS-2のパワートレインはRS-1と同スペックのチューニングが施されている……と言う設定で、特殊装備の違いで車両重量はRS-1の1315kgに対して1385kgと重く、最高速はRS-1より5km/h低い260km/hと発表。しかし、実車は点火系(アクセル製ハイテンションコード/コイル)の変更以外は基本的にはノーマルだったようだ。追跡時にRS-1よりもリアを沈ませながら加速していくシーンが印象的だった。
[レポート:山本シンヤ/Photo:オートックワン編集部・株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション]
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