日産 マーチ 新型車解説
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:島村栄二
新型マーチは「クラスNo.1の燃費」と「低価格」が最大の魅力!
初代から数えて28年間という、長期に渡って販売され続けてきた歴史あるコンパクトカー「日産マーチ」。そのマーチが、7月13日にフルモデルチェンジを迎えた。
今度の新型マーチは「4代目」。旧型(3代目)は2002年の2月に発売され、実に8年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
新型マーチのエクステリアは、旧型のキュートなデザインから一新され、より「現代的なコンパクトカー」へと変貌した。
旧型の愛嬌ある外観からすると、新型マーチのデザインは率直にはありきたりなエクステリアとなってしまっている感も拭えない。
だが、日本などの先進国だけでなく中国、インド、タイなどの新興国にも販売を展開するグローバルカーとして、無難なデザインに纏まってしまうことは仕方ないのであろう。
だが、新型マーチは現代のコンパクトカーとしては外すことのできない、大きな特徴を備えている。
その特徴とは「燃費の良さ」だ。新型マーチの燃費は「26.0km/L」と旧型の「19.0km/L」に比べ、大幅に燃費を向上させている。
日産では「同セグメント内でNo.1の燃費」を謳っているが、実際にライバル車の燃費を挙げてみると、例えばホンダ フィットの燃費が「24.0km/L」。また、トヨタ ヴィッツは「24.5km/L」で、マツダ デミオは「23.0km/L」と、ライバル車を上回る燃費を叩き出している。
その優れた低燃費性能は、新開発エンジンや新世代CVTの採用、軽量なプラットフォームのほか、「アイドリングストップ機能」を新たに搭載したこと(12X、12G)が、燃費の向上に大きく貢献している。
アイドリングストップといえば、プリウスやインサイトなど「ハイブリッドカー」、マツダの「i-Stop」などがあるが、いずれもコンパクトカーの類ではなく、日産がマーチに同機能を標準装備(一部グレード除く)してきたことは、大きなトピックだろう。
さらに、新型マーチでは価格設定も意欲的だ。前述のアイドリングストップが搭載されない最安グレード「12S」の価格が999,600円(税込)と100万円を切る価格帯に設定された。
これは、フィットやヴィッツなどのライバル車、売れ筋の軽自動車よりも安い価格帯だ。
また、アイドリングストップが搭載された「12X」でも1,229,550円(税込)と、標準的なコンパクトカーの価格に設定されている。なお、新型マーチでは、全車がエコカー減税「75%減税」対象車であることも付け加えておきたい。
クラストップの低燃費とアイドリングストップ、100万円を切る価格帯、日系メーカーでは初めて生産を海外に移すなど様々な波紋を呼んでいる新型マーチ。
今後のコンパクトカー市場の売れ行きにどう影響してくるのか、要注目だ。
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