日本版コンシューマレポート -日産 ジューク ユーザー試乗レビュー-(4/6)

日本版コンシューマレポート -日産 ジューク ユーザー試乗レビュー-
ジュークの原型となったコンセプトモデル「Qazana(カザーナ)」 画像ギャラリーはこちら

ジュークのユーザー評価・レビュー/試乗

またも繰り返すが「スポーツカーは外観が100%」だ。そうしたかっこいい外観に惚れて、「それじゃ、走ってみるか」となる。そして「結構いい走りしてるじゃないか」となり、「う~ん、どうしよう、買おうかな」となる。

だが「ジューク」の場合、特異な外観デザインから、走りに対する先入観が芽生える。

第一に「視界が悪く、運転しづらいかもしれない・・・」。第二に「1.5リッターなんかじゃ、走りがかったるいンじゃないか・・・」。しかし「試乗前後の印象の変化」を見ると、「印象が変わった」が39%もあり、そのほとんどがポジティブ方向への印象変化だった。

視界については、インテリアの項でのデータ(右記)を見ると、「前方視界」3.9点、「斜め前方視界」3.8点、「ルームミラー視界」3.4点、「サイドミラー後方視界」3.7点と、「まあまあ」の評価だ。

ところが、実際に運転した後の感想(下部グラフ)では、「視界が良く運転が楽だった」が58.1%と高い。同設問、40代では85.7%とかなり高い。

ヒップポイントが低く、ダッシュボードが高く、囲われ感が強調された運転席。だがそれは、スポーティなドライビングにピッタリの設定。だから、実走行すると「ワクワク感にも後押しされながら、視界が良く感じる」のだ。

走りについては、「キビキビ走る感じがした」が54.8%と高評価だ。これは、「ティーダ」などで使用しているBプラットフォームをショートホイールベース化。

フロント部のサブフレームを装着して剛性をアップした結果、ロール量を抑えて、より背の低いクーペ型スポーツカーの乗り味に近づいたからだ。

シャーシ開発者は「やや、直進安定性の方向に振っていますが・・・」と弁明したが、いやいや、コーナー侵入時のステアリングのシャープさは、SUVのなかでは最上級に近い出来だ。

そして、エンジン。ゴッツイ見た目のこのボディで、たったの1.5リッター。

「大丈夫か?」と思うのは当然。だが、強い味方が新世代エクストロニックCVT。2段変速の副変速機が付いていて、変速比の幅がこれまでより20%広がった。つまり、加速時の制御が細かく出来るので、自然な伸び感が生まれる。

さらに、高速走行時のエンジン+トランスミッションの音が低くなる。さらにエンジン本体は、デュアルインジェクター採用などで、低中速のトルクアップ。

こうして「たったの1.5リッター」でも、「外観デザイン最重視」の「ジューク」の総合イメージは「スポーツカー」の領域で踏み止まることが出来た。

また、「けっして狙ったワケではありません。たまたまですが・・・」(ジューク開発関係者)という、燃費19(ジューク)km/L。今回のユーザーコメントに、燃費に関するものはほとんどなかった。

そして、さらにスポーティがお好みの方には、直噴1.6リッターターボが今年秋に発売予定。こちらにはマニュアルトランスミッションの設定、四輪駆動車の設定もある。さらに、北米では同2.0リッター仕様を投入。欧州では1.5リッターディーゼルを投入する。

「ジューク」は、世界各地の道路事情、ユーザー志向に根ざしたスポーティ性を追及する。また、筆者が走行して感じたのは、ボディの大きさの「錯覚」。駐車場やショールームで見ると「結構立派なサイズ感だな」と思った。

スポーツカーに乗っている気分100%でしばし走り、東京湾アクアラインの「海ほたる」で休憩。隣に止まっていた「フィット」を見比べてビックリ!たいして大きさに違いがない。「へぇ~、ジュークって、こんなに小さいンだ」と再認識した。

「ジューク」は不思議な魅力のあるスポーツカーだ。

ジューク試乗におけるユーザーコメント

・エンジンが1,500ccということで、どこまでストレスなく走れるかがとても気になりましたが、4人乗車(大3人 子1人)であっても、長い上り坂、低速でコーナーの続く道、渋滞のどれをとっても、ストレスなく走れました (くま坊さん 神奈川県)

・スポーツモードでも思ったよりスポーツではない感じに少々肩透かしを食らった。ステアリング、アクセル共にいつもの日産+CVTの向上という味付けだったと思う。ただ、スポーツモードではCVTの悪性はあまり感じられなかったので不満というほどでもない。こちらがノーマルであってほしかった (ハジメさん 広島県)

・イメージより軽快に走ります (cop10さん 群馬県)

・ボディが大きく見えるので重たいイメージがありましたが走ってみると軽いですね。1.5LのNAですがスポーツモードでは元気があり加速感・トルク感は十分感じられるでしょう (しゃーるさん 福岡県)

・思ったより乗り心地がいい (コウムラさん 愛知県)

・思ったより中は狭くアウトドア派の自分には荷物を載せるには少し狭いかもと (ゆずさん 愛知県)

・1,500ccなので、非力かと思いきや低速から中速まで全くストレスフリーだった (ヤマダさん 福井県)

・今の車が大きいせいか自分のイメージでは運転のしやすさや小回りがすごい利く感じはあったがイメージと違った (まささん 千葉県)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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