日産 GT-R specV 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:柴田 康年(編集部)
まず驚かされたのは、その乗り心地
おそらく相当にスパルタンなクルマなんだろうと予想していたのだが、実際には逆で、その乗り味は「洗練された」という表現が似つかわしいものだった。
標準のGT-Rに対し、一般走行ではむしろ乗り心地がよくなったように感じる部分もあり、攻めた走りでも、一体感が増して走りやすくなっていたのだ。
これには、1本あたりのブレーキで5kg、ホイールで2kgと、実に7kgも軽量化されたバネ下重量が効いていると推測できる。
標準GT-Rに付く調整機構の廃された足まわりには、むろん固さは感じるが、バネ下の軽量化により、振動自体が起こりにくくなっている。
また、タイヤの路面への追従性が高まっていて、クルマの挙動を把握しやすく、先の動きを読みやすい。つまりコントロール性が大きく向上している。2009年モデルでも、これらの進化は感じられたが、スペックVは明確だ。
もうひとつがステアリングフィールだ。GT-Rの登場時から気になっていたコトの中に“妙にセンターの遊びが大きいこと”があった。
それは2009年でもあまり改善されていなかったのだが、スペックVではステアリング切り始めからリニアにクルマが反応する。しかも、ワンダリング(路面の凹凸や轍に取られてふらつくこと)も、ほとんど気にならないレベルに低減されている。
つまり走りに関しては、謳い文句通りの「人車一体」に近づいていた。ただし、このクルマの宿命である車重の重さは拭い切れていない。
60kg軽量化されたとはいえ、まだまだ重いのは否めない。もっと軽ければ、まさに“理想的”なハンドリングとなるはずだ。
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