日産 GT-R specV 試乗レポート(3/4)
- 筆者： 岡本 幸一郎
- カメラマン：柴田 康年（編集部）
このエンジンはとにかく速い！
エンジンについてだが、注目のハイギアードブーストを作動させるには、いくつかの条件を満たす必要がある。ONにすると一時的にブーストアップし、最大トルクが20Nm（2.0kgm）増して608Nm（62.0kgm）となる状態が80秒間も続く。
もともと驚くほど速いクルマなので、劇的な変化とまでは言わないが、3500～5000rpmあたりの中間加速におけるトルクの盛り上がり感が、さらに増すことは体感できる。とにかく速い。
やや音量の増した、チタンマフラーらしい硬質で乾いたサウンドも、標準のGT-Rとは明らかに異質で、スポーティな雰囲気に満ちている。
カーボンセラミック製ブレーキの制動性能が本領を発揮するのはサーキットだろうが、バネ下の軽量化には大いに貢献しているのは前記の通り。性能の高さは、もはや説明の必要はないだろう。これほど速く重いクルマを、制動Gをペダル踏力で意のままにコントロールしつつ、瞬時に減速させることができる。
反面、カーボンセラミックブレーキらしく、熱が上がるまで、やや初期の食いつきの甘い印象は若干残るが、そうした状況も踏まえて、一般走行での扱いやすさをも意識してチューニングされたことが伺い知れた。
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