日産 R35 GT-R 2015年モデル 試乗レポート/嶋田智之(4/4)

日産 R35 GT-R 2015年モデル 試乗レポート/嶋田智之
(左)日産 GT-R NISMO 2014年モデル(右)日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル(右)とモータージャーナリストの嶋田智之氏 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 日産 GT-R 2015年モデル 画像ギャラリーはこちら

「GT-R NISMO」、その速さはGT-R 2015年モデルの20~30%増しか

日産 GT-R NISMO 2014年モデル

そして余談ではあるけれど、上には上がいた。2014年モデルから継続してラインナップされている「GT-R NISMO」である。

600ps/66.5kgmへとパフォーマンスを上げたパワーユニットは、体感的に2015年モデル GT-Rの20%増し、いや30%増しか?と感じられるほどの凄まじい速さを味わわせてくれる。スタートダッシュも中間加速も、慣れないと感覚がついていけない領域にあるといってもいいだろう。

けれど、本当に凄いと感じられたのはボディとシャシー。その強烈なアウトプットをしっかりと受け止めて、ここまで行ったら物理の法則を超えちゃうかも・・・という辺りまで頑張ったとしても、ワインディングロードのレベルでは何事もなくコーナーをクリアできてしまうのだ。

日産 GT-R NISMO 2014年モデル日産 GT-R NISMO 2014年モデル

ステアリングの効き具合はよりシャープにして正確、通常のモデルよりもガチッと締め上げられているサスペンションはどこまでも路面を捕らえ続けていき、簡単に限界を見せてくれたりはしない。驚いたのは、そんな強力すぎるほど強力なパフォーマンスを発揮するクルマなのに、その乗り心地には微塵も荒さが感じられなかったことだ。

いや、確かに硬い。それも相当に。だけど硬いなりに脚がものすごくしなやかに動いてくれるのがよく判る。コーナリング中にグッと踏ん張ってるところで多少の凹凸やうねりを踏んでも、ドライバーにインフォメーションを与えはするものの、細かく処理して姿勢を崩したりすることがない。硬いくせに全く不快じゃないのである。

もちろんそれは足周りそのものがよくできてる証でもあるのだが、最も効いてるのは車体の方なのだろう。通常のスポット溶接に加えて結合部に構造用接着剤を用いた、メーカーにしかできないチューンナップが施されたボディの剛性は、まるで岩のように盤石なのだ。その頑丈さがあって初めて、その足周りは持てる実力をフルに発揮できるのだから。

「日本の誇り」と呼べるGT-R、未だ世界でもスーパースポーツカーとしてのバリューは高い

日産 GT-R NISMO 2014年モデル

GT-R NISMOには2015年モデルが計画されてはいないというが、いや、これはもはや手を入れ直すべきところなんてないんじゃないか?と思った。と同時に、このNISMOヴァージョンを開発してきた過程で得たものが、前後して試乗した2015年モデルに活かされていたことも身体で理解できた。

それにしても、凄いクルマを作るものだ。これはまさしく「日本の誇り」である。

ちなみにスタンダードなGT-Rの価格は947万7,000円~1,058万7,240円、それにボディやサスペンション、スタビライザーなどをNISMOヴァージョンから移植したハードコアな「GT-R Track edition engineered nismo」が1,170万720円、そして夢のような「GT-R NISMO」は1,501万5,000円。

値段とパフォーマンスのバランスを考えたら、GT-Rが世界でも断トツにバリューの高いスーパースポーツカーであることは間違いない。

くそっ!欲しくなっちゃったじゃないか!

2015 NISSAN GT-R/GRADE

GT-R Pure edition,/9,477,000円

GT-R Black edition/10,400,400円

GT-R Premium edition/10,587,240円

Track edition engineered by nismo/11,700,720円

2015 NISSAN GT-R/SPEC

全長×全幅×全高:4,670×1,895×1,370mm/ホイールベース:2,780mm/最低地上高:110mm/エンジン:3.8リッターV型6気筒DOHC(VR38DETT)/最高出力:404kW(550PS)/6400rpm/最大トルク:632N・m(64.5kgf・m)/3200-5800rpm/燃費:8.7km/L/タイヤサイズ:[前] 255/40ZRF20(97Y)・[後] 285/35ZRF20(100Y)

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

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