トヨタが救世主!? CO2が減るどころか増加中の欧州で大きな功績|最新レポート公開
自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州における二酸化炭素排出量の平均値についての最新レポートを公開した。2019年は2014年以来最も高い水準となり、欧州23カ国の平均値は3年連続して上昇している。ピュアEVはCO2排出量削減に良い影響を与えているが、販売台数に占める割合は6%にとどまり、排出ガス増加傾向を打ち消すには至っていない。
ヨーロッパでのCO2削減ぶりを最新レポート!
積極的にEV導入の国が好結果に
欧州の主要5カ国のうち4カ国でCO2排出量は上昇したが、ピュアEVの販売割合が最も高いフランスだけが減少傾向となった。
また、最も排出量が少なかったのはオランダ。2018年、オランダで販売される電気自動車1台に対しディーゼル車は2.3台であったが、その1年後には、ディーゼル車1台あたり電気自動車が1.9台と逆転し、その結果が数値に表れたと言えるだろう。
欧州20社のうち、CO2減トップは「トヨタ」!
ハイブリッドが功を奏す
欧州で販売台数の多い上位20メーカーの中で、CO2排出量の平均値が一番少ないのはトヨタ。それに加え、2018年比で最も排出量を減らしているのもトヨタであった。
この成功には、2019年に同メーカー販売の60%を占めたハイブリッドモデルの人気によるところが大きい。JATOのグローバルアナリストであるフェリペ・ムニョス氏は「電気自動車を投入していないにも関わらず、欧州メーカーよりも良い結果を残していることを考えると、トヨタはとりわけ適切な成功例である。欧州勢は、電動化計画で目指しているだけのモデル数をいまだに提供できていない」と述べた。
グループ別でも日本勢が上位に!
グループ別のランキングで見ても、テスラを除けばトヨタが首位。レクサスブランドも合わせて、2位のPSAに大きな差をつけた。
なお、市場全体のCO2排出量平均値よりも少ない値となったのは日産グループ、ルノーグループ、三菱、スズキである。欧州最大のメーカーであるフォルクスワーゲングループは平均値以下には至らなかった。
シトロエンが2位になった理由
メーカー別2位となった、シトロエンの結果も特筆すべきものがある。しかしながら、トヨタとは対照的に、これは電動化によるものではなくガソリンエンジンの効率改善によるものである。コンパクトSUV「C5 エアクロス」が投入されて増えた排出量は、「C3」「C3 エアクロス」「C1」のガソリンエンジンが改良されたことによってかき消された。
CO2増、犯人は大人気の「SUV」だった!?
早急にEV化が必要
世界的なブームもあり、欧州18カ国の市場全体の38%を占めているSUVだが、その人気が二酸化炭素排出量に悪い影響を与えている。
前述のムニョス氏は「SUVセグメントへは、早急に電動化モデルを増やす必要がある。これまでのところ電動車の選択肢はハッチバックやセダンが多く、SUVにはごく限られた数しかない。もし今後もSUVの人気を継続させつつ、排出量による処罰を避けたいのであれば、電動化は必須である」と強調した。
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