マセラティ、ヨットレースで世界新記録を樹立し優勝!

マセラティ、RORCカリビアン600レースで新記録を樹立し優勝

マセラティがメインスポンサーとしてサポートするイタリア人ヨットレーサーのジョバンニ・ソルディーニと「マセラティ マルチ70号」チームが、カリブ海 小アンティル諸島で行われた第11回「RORC カリビアン600レース」で見事新記録を樹立し、優勝した。

レースではアメリカの「Argo」と接戦の末、マセラティ マルチ70号は1日と6時間49分0秒でフィニッシュ。Argoは7分後の20時56分にフィニッシュした。

※RORC:Royal Ocean Racing Club

>>熱いレースの様子をチェック

快晴の中、ライバル艇に続いてスタート

このレースでは、世界中から集まった総勢700人以上のクルーが20カ国以上から参加する78隻のヨットに乗船し、カリブ海小アンティル諸島、11の島々の周囲を巡る600マイルのコースでタイムを競う。

今回の「RORCカリビアン600」において、好調なマセラティ マルチ70号は、新たに設定された「Multi /MOD 70」クラスでアメリカの「Argo」と対決した。これは金曜日のトレーニングレガッタで転覆し、艇の修理に時間を要したArgoチームがスタートの数時間延期を要求し、これにマセラティ マルチ70号チームが合意したため。RORCは、両トリマランのために特別に同クラスを設定した。

スキッパーであるジョバンニ・ソルディーニは、スタート直前に次のようにコメント。

「気象条件は良好です。安定した強い貿易風が吹いており、私たちは記録を塗り替えることができるはずです。スタートが遅れたことは残念ですが、私たちの目標はArgoと最高のレースをすることです。彼らがスタート地点に到達できてなによりです。Argoには非常に強力なチームが乗船しています。ブライアン・トンプソンは『Phaedo3』での経験をすべて注ぎ込んでくるでしょうし、フランソワ・ガバールは世界最高峰のヨットレーサーです。このレースは間違いなく素晴らしい挑戦になるでしょう」

スタート時刻の現地時間2月18日(月)14時、天気は快晴、風速は南東25ノット、波の高さは2〜3メートルというコンディション。マセラティ マルチ70号は、ジェイソン・キャロルがスキッパーを務めるライバル艇「Argo」に続いてスタートラインを出発し、数分後にリードを奪った。

ライバルチームとの駆け引きもヨットレースの見どころ

本レースにおけるマセラティ マルチ70号の目標は、直接のライバルであるArgoを破り、2016年にアメリカのPhaedo3が樹立したタイム、1日7時間59分4秒を塗り替えることだった。

このレースコースは、多様な潮の流れと風を特徴としており、選手にとっては非常に面白く挑戦的なもの。アンティグア島を出発した75艇のうち、アメリカの「Maxi 72 Bella Mente」はリタイアして帰港。気象予報によると、レースコース全体で16〜20ノットの安定した貿易風が想定されていた。ジョバンニ・ソルディーニはこの点について、次のように解説した。

「14ノットを超える風と小さな波により安定した航行が可能になるため、この天候は私達にとって有利になるでしょう。レース条件的には、風が弱まるグアドループ島の南側が最も厳しくなります」

スタートから間もなく、現地時間19時頃、サバ島から数マイルのところで、マセラティ マルチ70号は2時間20分早く帆をあげた。

サンマルタン島を回った後、2月19日(火)深夜に同船は37ノットに到達するスピードで南へ向かった。ソルディーニは次のようにコメント。

「風も強く、さまざまな操縦方法を必要とするとても良いレースでした。最初の区間では、北の島々をスラロームしていたため、Argoをはるかに引き離し、とても優位に立てました。あざやかで正確な操縦をした乗組員を心から称賛します」

現地時間の火曜日の朝には最難関であるグアドループ島に到着。

島の高い山々は風に悪影響を与えた。そのため、ソルディーニ率いるチームは、海岸から数マイル離れた距離で航海することに決め、そのおかげでスピードを落しすぎることなくレースコース最南端のレ・サント諸島に到達した。

「グアドループ島に着いた後、私たちはメインのヘッドセイルに問題を抱えていたため、多くの時間を失ってしまいました。何時間ものフォアセイルだけを使わざるを得なかったので、問題を解決するまで、私たちが持っていた利点の多くを失いました。」

そうゾルディーニが語るようにトラブルはあったものの、総じて乗員は自分たちのパフォーマンスに満足しているという。ソルディーニは「私たちはマセラティ マルチ70に本当に満足しています。2年をかけて素晴らしいボートになり、良い航海方法も学びました。従来のMOD70よりも乗るたびに多くの操作が必要ですが、私たちは今では素早くこなすことができます。」と締めくくった。

ジョバンニ・ソルディーニとマセラティ マルチ70号にとって、本レースは2019年シーズン最初のレガッタとなった。

この後、チームは「ニューポート-カボサンルーカスレース」(3月17日〜)に参戦。続いて「カリフォルニアオフショアレースウィーク」(5月25日〜6月1日)、「トランスパシフィックヨットレース」(7月10日〜)に参加した後、アジアで「香港-ベトナムレース」(10月16日〜)に参戦する。

チームメンバー

マセラティ マルチ70号の乗員は、スキッパーであるジョバンニ・ソルディーニと以下の国際色豊かなクルーによって構成されている。

■ヴィットリオ・ビッサーロ(イタリア)

タクティシャン。2016年リオデジャネイロ・オリンピックの「Nacra17クラス」に参加した経歴を持つ。マセラティ マルチ70号では、2017年の「RORCカリビアン600」、2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」を含むいくつかのレースに参加。マセラティ マルチ70号のチームと協力し、トリマランのダイナミクスおよびデータ分析を最適化する役割も果たしている。

■グイド・ブロッジ(イタリア)

メインセール・トリマー。数千マイルの航海経験を持つマセラティ マルチ70号のキャプテン。チーム結成時のリーダーであり、1998年の「60’Fila」のレース準備以来、ジョバンニ・ソルディーニと共に数々のレースに参戦している。マセラティ マルチ70号では、2017年の「RORCカリビアン600」に参加したほか、2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」と「RORCトランスアトランティックレース」では、クルーの一員として香港-ロンドン「ティールート」記録を樹立した。

■カルロス・エルナンデス・ロバイナ(スペイン)

トリマー。長年の航海経験と、さまざまなクラスのレースに参加した経歴を持つ。「トランスパシフィック・ヨットレース」や「ロレックス・ミドル・シー・レース」など、複数のレガッタや横断レースでジョバンニ・ソルディーニと共に航海してきた。マセラティ マルチ70号では、2017年の「RORCカリビアン600」、2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」および「RORCトランスアトランティックレース」に参戦。

■オリバー・エレーラ・ペレス(スペイン)

ボウマン。「Ims 500」、「Swan 45」、「Rc 44」の乗員としてレースに参戦してきたキャリアを持つ。「VOR70マセラティ」クルーの一員を経て、現在はマセラティ マルチ70号のボウマンとしてレースを続けている。2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」および「RORCトランスアトランティックレース」では、ジョバンニ・ソルディニと共に「ティールート」記録を樹立。

■ニコ・マリンリ(イタリア)

グラインダー/トリマー。幼い頃にセーリングを始め、2016年には、父親のヴィットリオ・マリンリと共に20フィートカタマランで「マルセイユ-カルタゴ」および「ダカール-グアドループ」コースの記録を樹立。マセラティ マルチ70号では、2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」および「RORCトランスアトランティックレース」に参戦。

■マッテオ・ソルディーニ(イタリア)

グラインダー/トリマー。マセラティ マルチ70号プロジェクト開始当初からチームの一員であり、「RORCカリビアン600」のエディションを含む多くのオフショアレースに参加。マセラティ マルチ70号では、2018年の「ロレックス・ミドル・シー・レース」および「RORCトランスアトランティックレース」に参戦した。

■クロード・テリエ(フランス)

トリマー。グアドループ出身。「ORMA 60」や「MOD 70」など、さまざまなクラスで長年経験を積んでいる。2009年の第1回「RORCカリビアン600」では、「Region Guadeloupe」に乗船。同トリマランの樹立したレース記録は、2015年まで破られていない。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

マセラティの最新自動車ニュース/記事

マセラティのカタログ情報 マセラティの中古車検索 マセラティの記事一覧 マセラティのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる