ホンダNSXの「X」の意味、知ってますか?

【2001年】NSX タイプR プロトタイプ

NSXの起源は、1983年ごろに始まったミッドシップ駆動方式の基礎研究だった。最初はシティ、次いでバラードスポーツCR-Xをベースに試験車を開発。アメリカでは上級のアキュラブランドの展開、欧州ではF1第2期参戦で市販のイメージリーダー車が欲しいということになり、1985年からミッドシップスポーツカーの開発をスタート。

当初は2L4気筒エンジンを積んだアルミボディ車だったが、性能面や北米での販売を考慮してV6搭載に変更。ボディも拡大した。

こうして開発を進め、1989年2月のシカゴオートショーでのプロトタイプ車発表に際してアメリカ側で「NS-X」と決めた。社内での開発コードは別で、NS-Xは対外的なコードネーム的な愛称のようだ。このNS-Xの知名度が上がり、市販時に “ハイフン”だけを取って「NSX」という名称になった。

>>歴代NSXを写真で振り返る(2001年~2016年)

何かわからない未知なる存在=X

【2001年】NSX (カスタムオーダーカラー)
【2011年】NSX タイプT イメージカット (内装色はカスタムオーダーカラー) メーカーオプション装着車

車名は、「New Sportsの未知数(X)」という意味で、当時、国産車ではスーパースポーツカーが存在しないなかで、何かわからない未知なる存在=Xというニュアンスで命名した。

2005年12月には生産が終了するも、NSXを継続したいという思いでV型10気筒を積んだFR駆動車の開発が進んでいたという。

08年秋の金融危機によって開発は中止され、環境要件など世の中の動きがドラスティックに変化したことを受けてコンセプトを練り直した。

実験する過程でステップアップして経験もできる=eXperience

【2012年】NSXコンセプト

その結果、2011年にアメリカ人のテッド・クラウス氏が開発責任者に任命され、日米合同チームで開発が進められた。開発に際して初代NSXの開発責任者を務めた上原繁氏に会ってNSXらしさや伝統について話を聞いたという。

「とにかく新しい技術でどんどんエクスペリメント=実験しなさいと私たちに言ったのです。それが(初代NSXの)X=experimentの意味なんです。でも上原さんは私たちに、あなた方はもっとエモーショナルなものにフォーカスしなければいけないと言いました。私たちのコンセプトのなかではNew Sports eXperimentが基礎にあります。その上に私たちはもっとエモーショナルなeXperience(エクスペリエンス=経験)を提供したい。一番大事な “実験”という基礎の上に、ステップアップして経験もできる。でも、その2つはつながって存在しています」とテッドは話す。

新時代のスーパースポーツ体験=New Sports eXperience

【2015年】Acura新型NSX

NSXのスピリットは新しい考え方で新技術に果敢にチャレンジし、新しい価値を創り出すこと。「人中心のスーパースポーツ」という初代の思想は2代目にも承継されている。

新開発の3.5LV6ツインターボエンジンと3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」、複合素材による軽量スペースフレームによって、既存のクルマとは異なる“操る喜び”を実現した。こうした新しい体験こそ、このクルマの価値というわけで、2代目NSXはNew Sports eXperience「新時代のスーパースポーツ体験」という新たな解釈を行った。

[著者:吉川雅幸]

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車名博物館 PART1

タイトル:車名博物館 PART1

著者:吉川雅幸

発行:八重洲出版

定価:1,500円+税

体裁:四六判・164ページ(カラー16ページ)

発売:2016年11月17日

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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