トヨタ センチュリー実燃費レポート|最高級VIPカー、意外にもエコで経済的!?(3/6)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田 恵一、茂呂幸正
センチュリー 実燃費レポート|郊外路編
■新型センチュリー 郊外路での実燃費:13.5km/L
シャープではないが正確なハンドリング、運転のしやすさが際立つ
新型センチュリーは郊外路でも13.5km/Lという望外な燃費を記録した。この結果にはセンチュリーの搭載するパワートレインの恩恵が大きい。すなわち登場から10年以上が経ち、現在は新型センチュリーのみが搭載する、トヨタの5リッターV8エンジン+ハイブリッドシステムである。今回の試乗では、その完成度の高さを再認識させられた。
郊外路編では新型センチュリーのハンドリングと乗り心地を中心にお伝えしよう。
まずハンドリング。普通に乗っていると、特にシャープとかいった面白さ・楽しさはない。しかし、ハンドルは軽いながらも操作に対する反応は大変正確で、全体的に運転していて非常に楽というタイプだ。このハンドリングはVIPカーという性格を考えれば、運転が楽であれば運転手さんの疲労も減り、結果的にVIPの安全につながる。クルマのコンセプトにピタリとあっていると感じた。
それでいながらワインディングロードを走ると、コーナーではコシがあり、ユッタリと起きるジワリとしたロールを伴いながら、約2.4トンという車重が信じられないくらいほど正確な挙動を示す。そのため、ドライバーズカーとして乗ってもなかなか運転を楽しめると感じた。仕事とはいえ、新型センチュリーを運転できる運転手さんがちょっとうらやましく思えたほどだ。
さらにステアリングフィール、操作感も非常に滑らかで素晴らしい。
しいて言えば、中~高速で直進している時のハンドルのセンター(中立)の手応え、落ち着きがもう少しシッカリしたものになればなおいい。
このあたりは「安楽だけど、芯がある」というクラウンを基準にしたトヨタの主力車種に強く通じるもので、新型センチュリーに乗ると“好き嫌い、良い悪い、面白い面白くない”を超えた、会社としてブレないトヨタの強いポリシーを再認識させられた。
余談だがこのハンドリングの感覚はアルファード&ヴェルファイア、ランドクルーザーにも共通しているように感じた。
上質な乗り心地はまるで船のよう
乗り心地はいい意味での船のような印象だ。ゆったりとした上下の動きを伴い、基本的には柔らか、しなやかなもので、VIPカーに相応しい素晴らしい仕上がりとなっている。ただスピードが比較的遅い時、路面の小さい凹凸や高速道路のジョイントの形状によっては、若干の硬さというかゴツゴツした感じがあるのは少し残念だった。
またブレーキを踏んだフィーリングも硬めでコントロールがしやすく、このブレーキであれば、運転手さんは後席のVIPを揺らさないスムーズなブレーキ操作をしやすいだろう。
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