トヨタ センチュリー実燃費レポート|最高級VIPカー、意外にもエコで経済的!?(2/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:永田 恵一、茂呂幸正
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センチュリー 実燃費レポート|市街地・街乗り編

■新型センチュリー 市街地での実燃費:10.9km/L

ハイブリッドは大柄なVIPカーに最適なパワートレインだ!

新型センチュリーは市街地で10.9km/Lという、車格や2370kgという巨体を考慮すれば望外といえる燃費を記録した。

EV走行ができ、電動エアコンを使えるハイブリッド機構は、それぞれ首都圏にあるオフィスから取引先への移動といった市街地での走行や、VIPを待つためなどエアコンを入れながら駐車するケースが多いことも考えると、VIPカーにも適性のあるパワートレインであることがよく分かる。

ハイブリッドの印象はセンチュリーでもトヨタの2モーターハイブリッドと同様で、発進時は20km/hあたりまでモーターでスタート→走行中はエンジンに加えモーターによるアシスト→EV走行を車がマネージメント→減速時は回生制動も使う、といった具合で、静かでスムーズなため運転がしやすい。かつバッテリー残量があればエンジンを使わずにエアコンなども気にせずに使えるという、トヨタの2モーターハイブリッドのメリットを大いに享受できた。

なおテストした日の気候であればエアコンのために停止中エンジンが掛かることはほとんどなく、EVモードで走れる最高速は44km/h程度であった。

市街地では取り回しに苦労する場面も

市街地編ではボディサイズが全長約5.3m×全幅1.9mという新型センチュリーの取り回し、ハイブリッドシステムの印象などをお伝えしよう。

まず取り回しについては、狭いところと駐車は別問題として、ただ前進している分には運転席からボンネットがよく見え、車幅が掴みやすく、タイヤの切れ角も大きいので非常に運転しやすい。「大きいクルマに乗っている」という意識は必要にせよ、感覚的にはクラウンくらいのセダンと同じような印象だ。

東京都内でセンチュリーやメルセデス・ベンツ Sクラス、トヨタ ハイエースのスーパーロングといったビッグサイズのクルマが走っているのを意外によく見るのも、「案外乗ってしまうと慣れるものだからなのだな」と感じた。

しかし駐車に関しては、写真にようの駐車場の広い郊外のコンビニでも枠から出てしまうことがあったり、輪止めをあてにしてバック駐車すると後端が壁に当たってしまいそうになるケースも多々ある。従って駐車に関しては、駐車場自体広いところを探す、ぶつけられるリスクが少ないスペースに停めるといった工夫が必要だ。バックモニターを活用したり、人がいれば後ろを見てもらうことで、輪止めを当てにしないといった配慮も重要だろう。なんといっても約2000万円の高級車だ。

また市街地で停止まで対応するアダプティブクルーズコントロールを使ってみたところ(メーカーでは高速道路での使用を推奨)車間は適切で加減速もスムーズと、市街地でも十分に使えるシステムに仕上がっており、首都高速の渋滞も見事に追従してくれた。さらに停止時には、電動パーキングブレーキを使用して停止状態を状態にできるブレーキホールド機能もあり、新型センチュリーを運転する運転手さんは非常に楽に運転できるだろう。

その他気づいたこととしては、以下の点が挙げられる。

■新型センチュリーの前席のインテリアは、ダッシュボードなど意外に質素というかビジネスライクな印象がある。豪華なイメージが合ったので、これは意外だった。これは後席との差を付けることで後席の豪華さ、ステータスを高めるためのものなのか定かではないが、VIPカーとしての1つの個性と言えるのかもしれない。

■パワーウィンドウやパワーシート、半ドアを防ぐイージードアクローザー、トランクの自動開閉の動きは非常に静かかつスムーズで上品なものとなっており、この点にはVIPカーらしさやメイドインジャパンの素晴らしさを感じさせられた。

>>次ページ:センチュリー 実燃費レポート|郊外路編

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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