ホンダ 新型シビック ハッチバック燃費レポート|1.5L VTECターボの実力を徹底評価!(5/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:和田清志・永田恵一
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新型シビック ハッチバック実燃費レポート|総合評価

ホンダシビックハッチバック(CVT)の総合実燃費 14.9km/L

ホンダ シビックハッチバック実燃費レポート|総合評価
車種名パワートレイン実燃費

ホンダ 新型シビックハッチバック

2WD/1.5Lガソリン

14.9km/L

スバル インプレッサスポーツ

AWD/1.6Lガソリン

14.3km/L

スバル レヴォーグ(現行・2014年モデル)

AWD/1.6Lガソリン

14.6km/L

VW ゴルフ(現行・2013年モデル)

2WD/1.2Lガソリン

15.1km/L

新型シビックハッチバックはライバル車に比べてもそれなりに良好な燃費を含め、多くの評価項目で85点以上を与えられる、それなりによくまとまった車ではあった。

しかし良好な燃費も「とにかく燃費のいい車が欲しい」というなら同クラスにプリウスがあり(しかもシビックハッチバックはハイオクガソリン指定だ)、「操る喜び」も「いつまでも運転していたい」などと感じるほどのものでもない。

車は高額商品であるだけに、選ぶ際には何らかの理由や決め手が必要なことが多いと思う。

特にシビックが属するミドルクラスは、250万円を超える車が増える上に各社が力を入れているジャンル。少し周りを見れば、「燃費ブッチ切りのプリウス」、「ディーゼルエンジンを持ちMTも設定するアクセラ」、「地味なところもあるけど、イザという時に頼りになる安全性能日本代表のインプレッサ」、「見た目の華もある安全性能欧州代表のボルボV40」といった個性的で強力なライバル車がズラリと揃う。

その中で新型シビックは価格がリーズナブルな訳でもなく、特徴と言えば6速MTの設定という点くらいしか積極的に選ぶ理由が浮かばない。

新型シビックはタイプRも含めた2000台の月間販売目標台数に対し、7月末の発表から約3カ月経った10月末の時点で1万2000台を超えるという予想外に好調な受注を集めているという。しかし初期受注が落ち着いた来年(2018年)春になっても好調が続いているかと考えると、筆者は大きな疑問を感じてしまう。

それだけにホンダには中国仕様と欧州仕様のシビックにある3気筒1リッターターボをリーズナブルな価格で追加し、「大きなボディを小さなエンジンで不便なく走らせる」といった日本ではあまりない新しい世界観を提案するなどの手入れや磨き込みを行いながら、せっかく日本で復活したシビックを長期的に育て続けて欲しいと思う。

ホンダ 新型シビック ハッチバックとは

ホンダ シビックは日本でいうミドルクラス、欧州流に表現するとCセグメントという世界的なボリュームゾーンに属するモデルである。ライバル車はとても多く、日本車ではトヨタ プリウス、マツダ アクセラ、スバル インプレッサ、輸入車ではVWゴルフ、ボルボ V40といった個性豊かな車がひしめく。

1972年に初代モデルが登場したシビックは、世界各地で販売されるホンダにとって重要な柱となる1台で、高いスポーツ性や先進性などを理由に日本でも人気を集めていた。

「人気を集めていた」という過去形になってしまうのは、2000年に登場した7代目の頃から、常に高い総合力を持つコンパクトカーであるホンダ フィットが出たこともあり「フィットで十分」というユーザーが多くなった。そのため兄貴分のシビックは存在感が薄くなってしまい、販売も低迷していったのである。販売低迷により、日本で販売されるシビックは途中、イギリスから台数限定で輸入されるスポーツモデルのタイプRユーロやスーパースポーツモデルのタイプRがあったものの、2010年に8代目モデルで姿を消していた。

そんな経緯もあり9代目のシビックは日本で販売されなかったが、10代目となる新型シビックは2017年1月の東京オートサロンでの公開などを経て、7月に発表、9月末に発売された。

新型シビックのコンセプトは「世界のCセグメントでトップクラスの『操る喜び』の提供」だという(筆者は最近の車のコンセプトと考えると「操る喜びだけ、それだけ?」と感じてしまったが)。

コンセプトはさておき、先々代の8代目と先代の9代目シビックは北米向けと欧州向けでプラットホームが違うなど、名前は同じシビックでも仕向け地によって別の車となっていたが、新型シビックでは世界各国同じプラットホームを使う。

そのプラットホームは新型シビックを期に新開発されたもので、強いボディ剛性を確保しながら先代の北米向けシビックに対しボディそのものを22kg軽量化した点や、低いドライビングポジションを実現したのに加え、タイプRを想定したものとなっている。

北米では2ドアクーペも設定されるが、日本で販売されるのはイギリスで生産され輸入車となる5ドアハッチバックと、日本の寄居製作所(埼玉県)で生産される4ドアセダンの2つとなる。

エンジンは1.5リッター4気筒直噴ターボのみ。ステップワゴンやジェイドにも搭載されるこのエンジンは、「エンジンの小排気量化、小型化による軽量化を含め燃費を向上させながら、ターボという過給機を使うことで排気量の大きなエンジン並みの動力性能も備える」というコンセプトを持つダウンサイジングターボで、過給機のないNAエンジンで考えると2.4リッター級の動力性能を持つ。

最高出力と最大トルクは、ステップワゴンとジェイドの150馬力&20.7kgmから、ボディタイプとトランスミッションによって仕様によって以下のようにパワーアップされている。

セダン(CVT) 173馬力&22.4kgm

ハッチバック(CVT) 182馬力&22.4kgm

ハッチバック(6速MT) 182馬力&24.5kgm

※ハッチバックの燃料はハイオクガソリン指定となる。

トランスミッションは前述したようにセダンとハッチバックそれぞれにCVTが設定されており、ハッチバックには予想外の受注を集めている6速MTも設定される。 

燃費向上の技術としては全仕様にアイドリングストップが装備され、カタログに載るJC08モード燃費はセダンが19.4km/L(メーカーオプション装着時は18.6km/L)、ハッチバックのCVTが18.0km/L、ハッチバックの6速MTが17.4km/Lで、エコカー減税では全仕様が取得税20%、重量税25%減税が適応となる。

最近では車を買う際の重要なチェックポイントとなる自動ブレーキと運転支援システムは、ミリ波レーダーと単眼カメラからの情報を基盤としたホンダセンシングが全仕様に標準装備される。

新型シビックのホンダセンシングは緊急ブレーキ機能、車線逸脱を防ぐ路外逸脱抑制機能、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(以下ACC、CVTは停止まで対応)、車線の中央をキープすべくハンドル操作をアシストするLKAS(車線維持支援システム)、夜間遠くまで見通せるハイビームを積極的に使うオートハイビーム、制限速度、はみ出し通行禁止、一時停止、車両進入禁止という4つの標識を単眼カメラが読み取りメーター内に表示する標識認識機能という6つの機能から構成される。

新型シビックが使うホンダセンシングに含まれる自動ブレーキは、まだ国が行うJNCAPのテストは受けていないが、最近のホンダセンシングの中では成績が良くなかったフリードのものでも、停止車両のような物体に対しては50km/h、歩行者に対しても日中の単純な大人の飛び出しであれば40km/hでの停止が確認されており、新型シビックのホンダセンシングに含まれる自立自動ブレーキもフリード程度の性能は備えている可能性が高く、ミドルクラスの車の自立自動ブレーキとしては平均的な性能は持っていると思われる。

ホンダ 新型シビックハッチバックの主要スペック
車種名ホンダ シビック

グレード

ハッチバック

駆動方式

2WD

トランスミッション

CVT

価格(税込)

2,800,440円

JC08モード燃費

18.0km/L

全長

4,520mm

全幅(車幅)

1,800mm

全高(車高)

1,435mm

ホイールベース

2,700mm

乗車定員

5人

車両重量(車重)

1,350kg

エンジン

直列4気筒DOHC VTECターボ

排気量

1,496cc

エンジン最高出力

134kW(182PS)/6,000rpm

エンジン最大トルク

220N・m22.4kgf・m/1,700~5,500rpm

燃料

無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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