“ロールバー装備”のモータースポーツ向けロードスター「NR-A」の実燃費を測ってみた【燃費レポート】(3/6)
- 筆者: 永田 恵一
マツダ ロードスター NR-A 燃費レポート/高速道路編
ロードスターは、絶対的な加速性能こそパワフルなものではないものの、エンジンや6速MTのフィーリングは実に“楽しい”。
まず、最近の輸入車のスポーツモデルのように軽いブリッピング(空吹かし)を伴いながら始動するエンジンは、かつてのホンダのスポーツVTECのように、爆発的なパワー感を伴いながらレッドゾーンまで吹け上がるという性格ではない。
だが、低速域から太いトルクを発生しながら4000回転あたりで盛り上がり、6000回転から7500回転のレッドゾーンに向かってエンジン音が変わりながら力強く伸びていく様は、スポーツカーらしいドラマ性を備えている。
加えて、エンジン音も共鳴しているような爽快な音を響かせながら回転域によって音質が変わる、乾いた良い“音色”を聴かせてくれて、マフラー交換の必要性を感じないほどだ。
なお、エンジン音に関しては最上級グレードの「RS」には吸気音を室内に取り込むことでエンジンをより気持ちの良い音にするための「インダクションサウンドエンハンサー」が装備されており、確かに低速域でのエンジン音の迫力は増している。
だが、それと引き換えなのか高回転域での共鳴のような音が薄れており、筆者個人の総合的な印象としてはインダクションサウンドエンハンサーは無い方が好みであった。
6速MTのフィーリングも、スポーツカーらしく短いシフトレバーでギアを変える際には適度な節度を持っており、ギアの入りも冷間時からどのギアにもスコスコと入り、さらにエンジン音の気持ち良さも加わってつい(無駄な)シフト操作を繰り返してしまうほどの楽しさと高い完成度を持っている。
6速ATの方はというと、6速MTのフィーリングが素晴らしいこともあって1.5リッターという排気量の小ささゆえのトルクの細さが気になり、簡単に表現すれば「カッたるい」と感じてしまうこともしばしばであった。
現行ロードスターを購入するのなら、6速MTのシフト操作の楽しさを放棄してしまうというのはあまりに勿体なく、6速MTを基本に検討すべきと思う。
ちなみにトップギアの6速、100km/h走行時のエンジン回転数は2500rpmと、スポーツカーとしては標準的であった。
高速道路での燃費はおおよそ20km/Lといったところ。望外ともいえる高速道路での燃費を出す要因としては、スポーツカーゆえの車重の軽さ、空気抵抗の少なさなどが考えられる。
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