三菱 アウトランダー 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
2リッターと2.4リッターの価格差は「実質」5万円
2リッターと2.4リッターは、車両重量が同等でタイヤも20Gの4WDは2.4リッターと同じ「225/55R18」になる。従って、走行安定性や乗り心地に違いはほとんどない。
従来型と同様、SUVとしては操舵に対する反応が機敏なタイプ。良く曲がって旋回軌跡を拡大させにくく、スポーティな印象だ。
ただし、コーナリングの最中に不用意にアクセルを閉じたり、危険を回避するために素早い操舵を強いられると、従来型と同じく後輪の横滑りを誘発する傾向がある。その対処も含め、すべてのグレードに横滑り防止装置が標準装着されるところは有り難い。
乗り心地は18インチタイヤのため若干硬めだが、サスペンションの伸縮性に優れ、粗さは感じない。適度な重厚感も伴い、「欧州車風」という表現もできる。
居住性は前後のシートともに快適。
特にリヤシートの足元空間が広い。スライド位置を後端まで寄せると、ホイールベースを含めてプラットフォームを共通化したRVRに対し、90mm後方に位置する。着座位置も適度な高さに設定され、身長170cmの大人4名が乗車した状態で、リヤシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。これはLサイズセダン並みの広さだ。
荷室には3列目の補助席も備わり、短距離に限定すれば多人数乗車も行える。ファミリーカーとしての資質は高い。
価格にも触れておこう。
4WDの20Gは263.4万円で、4WDの24Gとの価格差はわずか5.4万円に過ぎない。しかも24Gにはマフラーカッターが備わるから、実質5万円だ。
400ccも排気量が少なくて、価格差がたったの5万円!?不思議に思えるが、クルマの価格は部品点数で決まる。エンジンの基本構成や装備が同じなら、ほとんど安くできないのだ。
それなら世間一般のクルマが、装備が同じでも、400ccの排気量差で10~15万円もの価格差を付けているのはなぜか。排気量の大きなグレードは価格を割高にして、小さな方は割安に抑え、性能に応じた差額を演出しているからだ。
ところがアウトランダーは、2.4リッターのみで登場した時点で価格を安く抑えていた。従って2リッターモデルの価格を15万円下げたとすれば、メーカーとディーラーの利幅が大幅に減る。そのために価格差を付けられなかった。
つまり、気筒数は同じで排気量だけ小さなエンジンを追加するのは、非常に難しいのだ。
このように矛盾だらけのエコカー減税で、アウトランダーのグレード間の価格差まで妙なことになった。改めて日本の自動車行政を考えさせられる試乗であった。
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