“最後のランエボ”エンジン出力向上でWRXを超えるか!?「ランエボ ファイナルエディション」(2/2)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:マリオ高野・三菱自動車工業株式会社
モータースポーツジャパンフェスに、ランエボ ファイナルエディションの姿が!
実際、ランエボの進化が止まった頃からWRXのエンジン性能の進化も止まりました。
ライバルが居なくなり、孤高の存在となったWRXは、今では戦いのステージを変え、欧州車を標的に孤軍奮闘していますが、やはり、WRXにとってもライバルを失うことは大きな損失なのです。
そんな惜別の思いを噛みしめながら、東京・お台場で開催されたモータースポーツジャパンフェス2015の三菱ブースに展示された「ランサーエボリューション・ファイナルエディション」の姿を拝んできました。
クルマの概要は、5MTのGSRをベースに専用の内外装パーツを施した最後の特別仕様車で1000台の限定販売。価格は429万8400円(5MTのみ)。
数値は未公開ながら、エンジンの出力アップも施したということで、最後のランエボに相応しいスペシャル感が注ぎ込まれております。開発を担当した三菱自動車の渡邊敦彦氏は、
「23年の歴史の集大成として、オーナー様に〝ファイナルエディションを所有する喜び〟を感じていただけるよう、見た目ですぐにファイナルエディションだとわかる意匠としました。ルーフ部分をブラックとするツートーン仕様が選択でき、チタニウムグレーという専用色も新たに加えています。
戦うために生まれたランエボ本来の方向性とは少し異なりますが、最後の台数限定車としてのプレミアム感を高めました。
また、これまでのファンの皆様への感謝を込めて、対ベース車56万円アップ相当の装備とエンジンの出力アップをはかりながら40万円アップにとどめ、16万円分以上お買い得な内容としています。生産は8月から開始し、来年の3月をもって最後のクルマがラインオフされるでしょう」と語られました。
まだ数値は未公開ながらエンジンの出力アップをほどこし、これは筆者の予測ですがきっとWRXの性能を抜いてくることでしょう。ライバルを超えて幕を閉じるという部分に、三菱エンジニアの意地が垣間見えた気がします!
WRXはランエボファイナル対策のパワーアップが急がれる!(笑)
ところでランエボといえば、アクティブセンターデフやアクティブヨーコントロールなど、WRCの実戦現場で磨いた超高精度の電子制御4WDシステムを強力な武器としてきましたが、これらのハイテク4WDのノウハウは、実は電気モーター4WDのアウトランダーPHEVに受け継がれており、今後も三菱車の基幹技術のひとつとされます。
アウトランダーPHEVを冬の女神湖で氷上試乗したときに味わった、アクセルを踏みながら外側の車輪が車体を押し出すようにしてグイグイ曲がって行く感覚はまさしく「ランエボそのもの!」でした。
ランエボは歴史の幕を閉じても、そのDNAはしっかり次世代のクルマに受け継がれて行くということを忘れないでおきたいものであります。
【エンジン】
・4B11型2リッター4気筒MIVECターボエンジンに、新たにナトリウム封入エキゾーストバルブを採用し、最高出力を向上。中低速域で伸びのある出力特性に
【シャシー】
・従来車にメーカーオプション設定の「ハイパフォーマンスパッケージ」を標準装備
(ビルシュタイン社製前後単問筒式ショックアブソーバー、アイバッハ社製スプリング、ブレンボ社製2ピースタイプフロント大径ベンチレーテッドディスクブレーキ、ハイパフォーマンスタイヤ)
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