三菱 エクリプス クロスの魅力を人気モータージャーナリストが語る【徹底分析・嶋田 智之編】(2/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:小林 岳夫
エクリプス クロス徹底分析【その2】 ~SUVで最も気になる使い勝手を評価する~
長年に渡り本格クロスカントリー4WDやSUVを造り続けてきた"四輪駆動の三菱"ならではのノウハウやアイデアは、果たして“エクリプス クロス”のどの部分に反映されているのだろうか。本項では、気になる“エクリプス クロス”の使い勝手について、嶋田 智之さんにじっくりと検証して頂いた。
嶋田 智之はこう感じた~使い勝手編~
SUVで定評のある三菱らしい使い勝手の良さが光る
“エクリプス クロス”はスタイリッシュなクーペであるが、同時にSUVでもある。ホビーのためのギアを放り込んで休日をスタートしたり、仲間を詰め込んで遊びに繰り出したりするためのクルマなのだ。使い勝手が今ひとつだったりすると、少々具合がよろしくない。
けれど、そこは日本のSUVの元祖というべきパジェロを1980年代に送り出し、この手のクルマ作りに関してのオーソリティともいうべき三菱自動車、である。もちろん抜かりはなかった。リアシートは6:4の分割式でそれぞれ倒せるのは当然として、それぞれを20cmもスライドさせることができる。左右両方を一番前までスライドさせればリアシートを使っている状態でも448リッターの荷室容量があるから、4人でショートトリップに出掛けるぐらいならまず不自由することはないだろう。2人乗車と割り切れば前後が1.6m近い長さの荷室を確保できるから、そうなれば大抵のギアは積み込める。ドアポケットはそれほど大きいとはいえないが、その分コンソールにあるボックスは大容量だし、ラゲッジルームのフロアは2段式になっていて、日頃は使わないものや汚れ物なども収納できる。全長4405mm、全幅1805mm、全高1685mmのコンパクトSUVとしては、充分に合格点といえるだろう。
スマホ連携&タッチパッドでストレスのない操作感
“エクリプス クロス”のインフォテインメントシステムは、一部モデルを除いてスマホ連携型が標準で備わっている。ハンズフリー通話も音楽再生も、Apple CarPlayやAndroid Autoを通じて行うことができる。ナビゲーションシステムはオプションで用意されてもいるが、スマホのマップアプリですませることも、もちろんできる。僕は長年iPhoneユーザーなのだけど、Apple CarPlayは近頃ではGoogle Mapや一部のカーナビアプリを使えるようにもなっていて、実はその便利さを日常的に実感している。個人的にはナビも含めてこれで充分。スマホ世代といえる若い人であれば、なおさらだろう。
それにこのシステムには、とても頼もしいというか何というか、素晴らしいアシスタントがついている。ドライバーの真横、コンソールのセレクターレバーの少し後ろ辺りにタッチパッドが備わっていて、システムをそれで操作することができるのだ。いちいち視線をやらなくても直感的にコントロールできるので、これはいつだって“ぼっち”の僕にとって、とてもありがたかった。そう、こういうシステムの成り立ちや使い方は、シンプルで判りやすいのが一番なのである。
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