三菱 デリカ ファンミーティングで新型デリカD:5の魅力を知る!話題の“縦型ライト”採用の理由も判明!?(3/3)

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驚くほど変わったフロントマスクには意味があった!

イベントでは新型デリカD:5の開発に関わった商品企画の鴛海尚弥氏、デザインの松延浩昭氏、開発ドライバーの増岡浩氏によるトークショーも行われました。そこで、デザイン畑出身の筆者は、話題の大胆なフロントマスクの話やデザイン、そして新型デリカD:5の魅力について、三菱自動車株式会社 デザイン本部 プロダクトデザイン部 プログラムデザインディレクター 松延浩昭氏にお話をお伺いしました。

 

遠藤イヅル(以下、遠藤):ここまで変化をつけたのは、かなりチャレンジングな試みだったかと思います。

松延浩昭氏(以下、松延):実はデリカは、モデルチェンジの度に大きな変化があります。変わるスパンが約10年と長いこともあり、時代に合ったデザインを採用しているのです。

遠藤:確かにデリカはスターワゴン、スペースギア、D:5と全く形が違いますね。でも、デリカのイメージはつながっています。

松延:そうなのです。SUVの感覚を持った1BOX……大きなタイヤと大きなアプローチアングルを持つのに、居住性が高いボディが載っている。そして快適に移動できる。それがデリカというクルマ。ですので、この12年の間に時代が変わっても、デリカらしさをそのままで何をできるか、時代に合ったデリカとして、どういう機能を入れていくか、を考えました。それが今回のデリカD:5のモデルチェンジです。そのデリカD:5に三菱の統一したフロントデザインアイデンティティ“ダイナミック・シールド”を取り込んだ場合、デリカだったらどんなデザインにできるだろう?という答えがこのデザインなのです。

遠藤:縦型のヘッドライトを採用した理由はあるのですか?

松延:新型デリカD:5ではフロントオーバーハングが伸び、バンパー下部も歩行者との衝突時に人をすくい上げるようにバーが入っているため、前に突き出て下がっています。そこでボンネットを上に持ち上げることにしました。しかし、上に足すとフロントが重たくなる。そこでポジションランプを高い位置につけました。これは安全性のためでもあります。次にヘッドライトなのですが、大きなフロントに小さなヘッドライトではデリカらしさが減ってしまう。そこで、縦にヘッドライトを配置することにしました。クルマの幅いっぱいにヘッドライトがあることで、対向車からの車両(車幅)感覚が掴んでいただきやすくなる。こちらも安全性につながります。

遠藤:なるほど!デザイン性と機能性、安全性が備わっているということですね。これまでのデリカも機能がカタチになってきたように思います。そういう意味では、今度のデリカD:5も「正常進化」ですね!

松延:そうなのです。お客様には、実際に新しいデリカD:5に乗って、良さを実感していただければ、カタチに関する話題からムーブメントが変わっていくと思います。

遠藤:確かに、さらに良いクルマになっています。実際に見ると、とてもまとまりがいいです。個人的には、12年前の車体に見事に新しいマスクをつけたと思います。フロント全体にボリュームがあることで重心が移って、前に進むSUVらしい力強さも増していますよね。

なお、バンパー下部が下がっていてもアプローチアングルに大きな変化はなく、SUVらしい走破性は維持されているとのこと。デザインと機能性の高いバランスを保つご苦労が偲ばれます。

実は2005年にD:5が出た時も、スペースギアからの変化が大きかったためか“これはデリカじゃない”という意見もあったそうです。それは、まさしくデリカに対する期待の大きさの表れ。今回の新型デリカD:5は衝撃的なデザインですが、デリカは常に時代の要請に合わせて変わってきたことを考えると、デリカらしい変化なのだ、と思いました。

デリカの伝統はこれからも絶えることなく紡がれる

開発陣のお話を伺い、走行性能の高さを味わい、実車の車内外をじっくり見ることができた今回のデリカファンミーティング。確かにフルモデルチェンジに匹敵するほどの力作だと感じることができました。その変わりっぷりに多くの人がビックリした外観も「写真で見るよりもはるかにカッコイイ」という声も多く聞こえました。

クルマは時代の要請に合わせて変化をします。多くは、流れの中で上質になり、洗練されていきます。その一方で男らしくタフなイメージのあるクルマは、無骨さや道具感が求められます。それを両方盛り込むのはとても難しいことだと思います。ミニバンなのにタフな4WDというデリカD:5ではなおさらのこと。でも新型デリカD:5は、品質高く高級感あふれるミニバンに進化を遂げつつ、「道無き道を行く4WDらしさ」を見事に残していました。デリカの伝統、本質はしっかりと紡がれていたのです。来場した人の多くは、きっとそれをしっかり感じたことでしょう。

[筆者/撮影:遠藤 イヅル]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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