メルセデス・ベンツ新型Eクラス(W213)、先進技術満載で夏ごろ日本導入!新しい価値はEクラスから始まる(1/3)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:ダイムラーAG
日本上陸に先立ち、新型Eクラスを探る!
メルセデス・ベンツの新型Eクラスが今年の夏ごろに日本に上陸する。それに先立ち国際試乗会がポルトガルのリスボンで開催されたので、さっそく試乗記をレポートしたい。
Eクラスはメルセデスにとってもっとも重要なモデルだ。以前はミディアムクラス(W124:のちにEクラスと改名)として市販されてきたアッパーミドルセダン。Sクラスに相当するビッグサルーンはショーファーカー(運転手付きのクルマ)だったことを考えると、「W124」こそ最高のドライバーズセダンだったのだ。
1995年にEクラス(W210)がフルモデルチェンジ。大きさではSクラスとCクラスの中間に位置するが、Eクラスはメルセデスのコアモデルであり、常に先進技術が搭載されてきた。新しいメルセデスの価値はEクラスから始まると言っても過言ではないだろう。
例えば、W210で登場した世界初のサイドエアバッグや、コンパティビリティと呼ばれる衝突安全の車体設計コンセプト(小さいクルマと大きいクルマがぶつかっても共生できるコンセプト)など、数多くの先進技術がEクラスから始まっている。今回発表された新型Eクラス(W213)ではどのような新技術が登場したのだろうか。まずはその辺りから探ってみよう。
マイナス50kgでも衝突安全性能と車体剛性を大幅に進化
スタイリングは派手さこそないものの、機能的な凛としたフォルムが印象的だ。フロントグリルは最近のメルセデスのアイコンになっているスポーツグリルとクラシックグリルが用意されているが、デザイナーは「Eクラスにはクラシックグリルだ」と言い切っている。
私も同じ意見で、スポーツグリルでは他のモデルとの差別化ができない。実際にEクラスはCクラスほどセクシーなヒップではなく、Sクラスほどゴージャスでもなく、質実剛健なドイツ車らしい機能美が特徴なのだ。
驚いたのはボディサイズ。最近の新型車では珍しく、全長は4923mmと53mm長くなったが、横幅は1852mmで3mm短い。車体設計のエンジニアは素材置換により、幅は狭くなったが、キャビンは広げているとコメント。
超高張力鋼板やアルミなど適材適所で新素材を使うことで、衝突安全性能と車体剛性を大幅に進化させているが、それでもマイナス50kgのダイエットに成功している。メルセデスは「無駄なサイズを削ぎ落とした」と説明している。
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