メルセデス・ベンツ Cクラスクーペ 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
スポーティなスタイルに反して極めて快適なドライブフィール
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すでにセダンやワゴンも高く評価されているCクラスの完成度の高さは誰しもが認めるところだが、クーペもそのCクラスファミリーの一員であるだけに、走りの仕上がりには口を挟む余地はなし。
今回は「C250ブルーエフィシェンシー クーペ」に試乗することができたのだが、平地はもちろん、けっこうキツめの登坂路でも2000回転以上をキープすれば、動力性能は問題なく必要十分。
ECOスタートアンドストップ機能の制御も極めてスムーズで、エンジン停止~再始動の振動や音もかなり抑えられているし、再始動の素早さには感心させられる。燃費については、JC08モードの公表値が13.2km/Lとなっているが、実燃費もそれなりに期待していいだろう。
手ごたえが軽く、優しい感覚のステアリングや、当たりはソフトながらロールやピッチングを抑えたフラットライドな乗り味など、走りのキャラクターはCクラスの良さをそのまま受け継いでいる。
Cクラス自体がコンフォート(=快適性)とアジリティ(=俊敏性)の両立を追求したクルマであり、それを踏襲したCクラス クーペも、あくまで快適な中で、ほどよくスポーティな感覚を持ち合わせている。
あらためて、Cクラスならではのコンパクトなサイズ感や比較的軽いボディが、運転を楽しむ上ではちょうどよいことを再確認した。
さらに、「ダイナミックハンドリングパッケージ」を装着すると、よりスポーティなドライビングを楽しむことができる。Cクラスクーペがあまりに快適なため、物足りなく感じるかもしれない人は同パッケージを選べばよい。
プラットフォームを共有する同門のEクラス クーペとの棲み分けぶりも気になっていたのだが、Cクラス クーペのほうが見た目にも乗り味にも軽快感があり、若々しいクルマに仕上がっていた。
あるいは、CクラスやEクラスのセダンに対しても、あまり後席を使うことがないようであれば、Cクラス クーペを選ぶというのは大いにアリだと感じた。
もちろんリアドアはないが実用性は十分に高く、乗り味も快適で、なんら気負うことなく付き合えそうなクルマに仕上がっている。それでいて、こんなにスタイリッシュなルックスを手に入れることができるからだ。
さらに、セダンでは味わうことのできないパーソナルな感覚、すなわち、敢えてクーペに乗る意味のようなものを、このクルマはそっと教えてくれるはずだ。
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