マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback)、その美しい後ろ姿に魅了される/プロトタイプ試乗レポート(1/4)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:小林岳夫
名車と呼ぶに相応しいクルマ、それがロードスター RF
生まれながらの名車誕生! マツダ ロードスターに新たに追加された<ロードスター RF>(RF:Retractable Fastback/リトラクタブル・ファストバック)は、そんな表現が相応しい1台だった。
理由の第一は、間違いなくスタイル!
斜め後ろから見たときに、フェラーリ ディーノ等のミッドシップスポーツで見られるようなリアウィンドウを奥に置きピラーで囲む手法が展開されており、極めて印象的な後ろ姿を披露してくれる。その様は、かつてこれほど後ろ姿で語る日本のスポーツカーがあっただろうか? といえるほど。
>>[画像100枚超!]マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) フォトギャラリー
またそのピラーがしっかりと残ることで、ソフトトップを採用するノーマルのロードスターと同じはずのリアフェンダーが、より張り出して見えるのも印象的な部分だ。
これほどの美しい後ろ姿を持つスポーツカーが、かつて日本にあっただろうか
しかも! ボタン操作ひとつで屋根を開けると、この印象的な後ろ姿は変わらずに、ドライバーの頭上だけが開放されるというオープン構造を持つ。これはポルシェの専売特許であるタルガトップと同じ機構か・・・と思うのだが、さにあらずで、リアのウィンドウは頭上のルーフ部分が格納されると同時に一緒に収納されるため、運転席と助手席ヘッドレストの間はオープンとなるのだ。
【動画】マツダ ロードスターRFの電動ルーフは世界最短13秒で開閉できる!
その動作は美しく滑らかに、そして最後の瞬間に“スッ”
まずは実際にマツダ ロードスター RFのルーフ開閉動画を是非ご覧いただきたいのだが、マツダのエンジニアは今回、この構造に徹底的にこだわった。RFのような電動収納式のメタルトップのクルマは数あれど、おそらくここまで“作動”にこだわったモデルは他にないだろう。
開閉スイッチを上に押すと、このクルマのデザイン・アイデンティティでもあり、キャラクターを強く物語る例のピラー部分が、実に静かに、そして滑らかに上昇する。そして完全に持ち上がると同時に、間髪入れず頭上のルーフが2分割して重なるように後方ヘ弧を描きながら下がっていき、これと同時にリアウィンドウも2分割のルーフに重なり合うようにして下に下がっていく。そして再びピラー部分が下降を始め、最後の瞬間に“スッ”と収まる。そう、気持ち良いくらいにスッ、とだ。
僕もこうしたクルマには多く触れているが、ここまで美しく滑らかにスッと作動するトップを備えたモデルは世界中を探してもない。それほど今回の開閉機構は、緻密で丁寧な動きなのだ。
リトラクタブル・ファストバック構造を採用した深い理由
ドライバーの頭上だけが開いた形で、リアの美しいピラーが残るマツダ ロードスター RFの姿は実に、心を揺さぶるものがある。
そしてこの姿を眺めて思うのは、
「よくこの形を選んだな」
ということ。つくづく、そう思うのだ。
先代NC型ロードスターの時に、初めて追加されたリトラクタブルハードトップモデル<RHT>の姿を思い出して欲しい。RHTは、ソフトトップ以上に高い耐候性や防犯性を備えるハードトップとしつつも、オープン時にはノーマルのソフトトップと同じような開放感を持つフルオープンスタイルを採用していた。
そうした経緯があることに加え、そもそもオープンカーとして世界の名車であるロードスターゆえに、今回のRFのような変化球的オープン構造を採用することは、ともすればロードスターの本質を揺るがしかねない。
では、どのようにして今回のようなリトラクタブル・ファストバック構造を用いることになったのだろうか?
RFの企画を通すことが出来た裏ワザとは
「当然ながら、これまでの開発で実に様々な案があって、いろいろと検討をしてきました」とロードスター開発主査 兼 チーフデザイナーの中山 雅(まさし)さんは言う。
旅行用のトロリーが2つ入る実用的なトランクスペースをしっかりと確保しつつ、キレイに収納する方法を工夫して、先代のようなフルオープンになるタイプも考え(上記動画の最後にその試作案がちょこっと登場するのでお見逃しなく!)、いくつかの方式は1/5の可動モデルを作って検討も行なった。
>>マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) フォトギャラリー[画像100枚超!]
そうした中で、今回採用されたピラーを残した案が誕生して、これが意外や悪くない・・・というか魅力的なものだったという。しかし中山氏をはじめとしたスタッフたちはこれを会議でプレゼンしても絶対に企画は通らないと分かっていたため、ある“技”を使ったのだ。
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