マツダ 新型CX-8(CX8)最新情報|発売日は2017年12月14日。価格320万円スタートの上級SUVを徹底解説!(2/2)

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マツダ 新型CX-8(CX8)の納期はすでに2018年にズレ込んでいる

CX-8(CX8)の選び方だが、グレードは前述のように3種類を用意した。これらの内、ベーシックなXDには、アダプティブLEDヘッドライトやレーンキープアシストシステムが装着されないから、XDプロアクティブ、あるいはXD・Lパッケージを選びたい。

CX-8の納期は、9月上旬の時点ですでに2018年にズレ込んでいる。販売店では9月上旬から価格も明らかにして予約受注を行っているが(メーカーの公式発表では9月14日からが正式な受注開始日)、納車を伴う「発売日」は12月14日になるからだ。試乗車が配車されるのも12月になる見込みで、試乗してから契約すると、納期が2018年3月以降になる可能性もある。「実車を見ないで買うか、納得した上で購入して納期を長引かせるか」という選択をユーザーに押し付けている。

マツダ 新型CX-8(CX8)の真価はどこにあるのか

冒頭で述べたようにCX-8(CX8)は3列シートを備えたSUVで、プレマシーとビアンテの生産終了間近に発売された。従ってこの2車種のミニバンの需要を受け継ぐクルマに思えるが、実際にその代替にはかなりの無理が伴う。プレマシーの価格は20Sスカイアクティブが226万8000円で、値引きを差し引くと実質190万円くらいで販売されている。CX-8(CX8)の価格は約2倍だから、乗り換えの需要は発生しにくい。

しかもCX-8(CX8)はSUVだから、プレマシーやビアンテに比べて空間効率が下がり、ボディが大柄な割に3列目のシートと荷室は広くない。ミニバンとSUVはカテゴリーの異なる商品だから、ミニバンの需要をSUVで継承できないのは当然だ。

新型CX-8の本当のライバルは高級車?

そうなるとCX-8(CX8)の価値は、3列目シートの有無ではなく、全長が4900mmに達する快適性の優れた最上級SUVという点に置かれる。

この位置付けを象徴するのがXD・Lパッケージの2列目シートだ。中央にアームレスト付きのコンソールボックスが装着され、後方にスライドさせると足元空間をタップリと広く取れる。後席に固定式センターコンソールボックスを装着した車種は、レクサス LS460L/600h・Lのエグゼクティブパッケージなど数車種に限られ、2人掛けの後席を備えるだけで豪華な雰囲気が盛り上がる。CX-8(CX8)の価格は400万円前後に達するが、豪華なクルマを求めるユーザーには魅力だろう。

従ってCX-8(CX8)のライバル車は、SUVについてはトヨタ ハリアーハイブリッドなどが該当する。また固定式センターコンソールを備えた2列目シートの雰囲気は、ヴェルファイア&アルファードのエグゼクティブラウンジなどにも通じる。この位置づけを考えると、CX-8(CX8)の外観はCX-5に似すぎており、もう少し豪華にして存在感も強めるべきだった。

新型CX-8の真価は贅沢さにあり。では3列シートSUVが果たすべき役割とは

SUVに広い空間と豪華さを求めるならCX-8を選ぶとよい

後席が快適で豪華なクルマといえば、昔からLサイズセダンが挙げられるが、ボディスタイルが古典的で、一部の輸入車を除きユーザーの関心度もおしなべて低い。いっぽうLサイズミニバンは人気上昇中だが、4名以内の乗車で使うには車内が広すぎてムダも生じる。その点でCX-8(CX8)なら、外観がカッコ良くて後席の快適性、豪華さも満喫できる。新型CX-8(CX8)の需要があるとすれば、このあたりだ。3列目のシートも一応の実用性を備えるが、CX-8(CX8)のコンセプトを考えると補助席に過ぎない。むしろ広大な荷室空間として使い、もしもの際にサードシートを起こして使うのが正しい用途だ。

逆に豪華さを求めないユーザーはCX-5で十分。ボディを拡大して3列目のシートを加えたことによる価格上昇は、装備の違いを補正しても37万円くらいに達する。ボディを変えず単純に3列目シートを加えた場合の価格アップは7〜15万円と想定されるから、CX-8(CX8)では3列目のシートが相当な高価格になってしまう。しかも全長が4900mmと長く、最小回転半径も5.8mに達する。CX-5の5.5mに比べるとかなり大回りだ。CX-8(CX8)のユーザーはかなり限定される。

新型CX-8(CX8)ではミニバン需要は吸収しきれない

それにしてもマツダは、長年にわたってプレマシーやビアンテを愛用してきたユーザーを、どのようにケアするのだろう。「魂動デザイン」に固執するクルマ造りは、背が高く実用性や効率重視のミニバンボディとは親和性が悪く、SUVが限界になるのは理解できるが、やはりCX-8ではプレマシーやビアンテを使うユーザーの期待に応えられない。

もはや遅きに失した印象はあるが、プレマシーとビアンテの安全装備を充実させるなど、可能な限りのマイナーチェンジを施すべきだった。

今のマツダでは、いわゆる選択と集中の欠点が露呈しており、その一番の犠牲がプレマシーやビアンテのユーザーという見方が成り立つ。日頃からマツダ車のユーザーに接している販売店からは、「トヨタと業務提携したのだから、ヴォクシー&ノアのOEM車でも良いから供給して欲しい」という声まで聞かれる。販売店のスタッフは常にユーザーに接しているから、この不満はユーザーの声と受け止めるべきだ。マツダはもう少し販売店の意見を聞くべきだろう。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正・MAZDA]

マツダ CX-8(CX8)主要スペック

マツダ CX-8(CX8)主要スペック
グレードXD L Package

駆動方式

AWD

価格

4,190,400円

燃費

17.0km/L

全長

4,900mm

全幅(車幅)

1,840mm

全高(車高)

1,730mm

ホイールベース

2,930mm

乗車定員

6人

車両重量(車重)

1,900kg

エンジン

水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ

排気量

2,188cc

エンジン最高出力

140kW(190PS)/4,500rpm

エンジン最大トルク

450N・m(45.9kgf・m)/2,000rpm

燃料

軽油

マツダ/CX-8
マツダ CX-8カタログを見る
新車価格:
299.4万円505.9万円
中古価格:
144.7万円513.2万円
マツダ/CX-5
マツダ CX-5カタログを見る
新車価格:
291万円422.5万円
中古価格:
51.5万円407.6万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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