レクサス RC F 試乗【後編】│V8ユニットは現代において大切にしなければいけない存在(2/2)

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マイチェンしたRCこそ理想的なレクサス製スポーツクーペではないか

ホットなサーキット試乗を終えると、FではないRCの試乗が待っていた。

そしてマイナーチェンジを受けたRCこそ、理想的なレクサス製のスポーツクーペではないか? と感じた。

3.5リッターのV型6気筒ユニット(318PS/380Nm)を搭載した「F SPORT」は、なにもかもがちょうどいい。5リッターV8のRC Fに乗った直後こそ加速感に物足りなさを感じてしまうが、スポーツモードで8速ATのギア比を駆使しながら元気に走らせれば、自然吸気の“V6サウンド”が荒々しくも心地良い。欧州勢のようなトルクの湧き上がりはないが、伸びやかなパワー感には踏み切れる楽しさがある。

そして何より、Fパッケージングながら乗り心地がなかなかにいい。まったりと路面をつかむサスペンションは穏やかながらも微少舵角から確実に反応し、上質なスポーツクーペのハンドリングだ。

そしてこの動きの素直さを味わうと、いかにこのシャシーでV8エンジンを搭載するのが難しいかがよく分かる。もしかしたらこのV6モデルにこそ、いやこのモデルにもパフォーマンスパッケージを用意したら良いのでは無いか? と思えてしまう。

そしてV6ユニットの瞬発的な加速レスポンスに物足りなさを感じるのであれば、「RC300h」のハイブリッド仕様がベストだと思えた。

直列4気筒ユニット(131PS/221Nm)はモーター(143PS/300Nm)とバッテリーの重量を僅かながらも相殺し、その車重はRC350の+70kg増(1740kg)に留まる。

タウンユースでこの重量差はモーターのトルクが巧みに補ってくれるから、加速感に不満はない。いやむしろゼロ発進からの出足や、アクセル踏み始めの追従性は、300hの方がリニアで、日常的なドライビングにタイムラグを感じさせない。

運転感覚は低重心な乗り味とノーズの軽さで、十分スポーティクーペの役目を果たす。そして当然ながら、ハイブリッドとしての静かな走りを約束する。アクセルを踏み込んでしまえば4気筒サウンドが炸裂するのはご愛敬だ。

よってRC300hは、オープンロードにおけるRCの魅力、「カッコ良さ」と「素直な運転特性」を満喫するには、ベストな選択ではないかと感じた。

LCよりも細身で小振りだけれど、エッジの効いたシルエットはスポーティ。どちらを選ぶかは予算だけでなく、パーソナリティによると思う。そういう意味で、レクサスは実に贅沢なスポーツクーペラインナップを揃えていると言えるだろう。

RC FのV8ユニットは大切にしなければいけない存在

今回通常のRCに試乗できたことで、ひとつのことが理解できた。

つまりそれだけRC Fに積まれるV8ユニットは、トヨタにとっても大切な存在なのだ。また実際に、ターボ車ばかりとなった現代においてこのユニットが生き残ってくれていることを思うと、大切にしなければいけない存在だと思える。

だからこそRC Fに限っては、トレッドを広げるなど、もっと大胆で抜本的なエボリューションを施してもよいのではないかと感じた。

これだけ利便性が高くカッコ良いスポーツクーペが日本にあるのは嬉しいことだ。ここから着実に、その歴史を重ねて行って欲しいと思う。

[筆者:山田 弘樹/撮影:和田 清志]

レクサス RC F 主要スペック
グレード名パフォーマンスパッケージカーボン
エクステリアパッケージ

価格[消費税込]

14,040,000円

10,996,364円

全長

4,710mm

全幅

1,845mm

全高

1,390mm

ホイールベース

2,730mm

駆動方式

後輪駆動(FR)

車両重量

1,720kg

1,760kg

乗車定員

4名

エンジン種類

V型8気筒

総排気量

4,968cc

エンジン最高出力

345kW(481PS)/7,100rpm

エンジン最大トルク

535Nm(54.6kg・m)/4,800rpm

トランスミッション

8速AT

使用燃料

無鉛プレミアムガソリン

燃料消費率[WLTCモード燃費]

8.5km/L

燃料消費率
[WLTC:市街地/郊外/高速道路モード]

5.3km/L/9.0km/L/11.0km/L

レクサス RC 主要スペック
グレード名 RC350 “F SPORT” RC300h “version L”

価格[消費税込]

7,070,000円

6,470,000円

全長

4,700mm

全幅

1,840mm

全高

1,395mm

ホイールベース

2,730mm

駆動方式

後輪駆動(FR)

車両重量

1,700kg

1,740kg

乗車定員

4名

エンジン種類

V型6気筒

直列4気筒

総排気量

3,456cc

2,493cc

エンジン最高出力

234kW(318PS)/6,600rpm

131kW(178PS)/6,000rpm

エンジン最大トルク

380Nm(38.7kg・m)/4,800rpm

221Nm(22.5kg・m)/4,200~4,800rpm

モーター最高出力

105kW(143PS)

モーター最大トルク

300Nm(30.6kg・m)

トランスミッション

8速AT

電気式無段変速機

使用燃料

無鉛プレミアムガソリン

無鉛レギュラーガソリン

JC08モード燃費

10.2km/L

23.2km/L

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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