なぜデジタル(カメラ式)サイドミラーの普及は進まないのか!? 最大の理由はコストがかかる割に使い勝手の悪さにあった
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:MOTA編集部
日本車でいえばレクサス ES、そしてホンダeと未だ2車種しか実用化されていないデジタルサイドミラー。クルマそのもののデザイン性が拡大するのに加え、悪天候時でも確認しやすいなどメリットも多い。だが、現段階では普及しているとはいえない状況である。一体なぜデジタルサイドミラーの普及が進まないのか!? 今回はその理由を明確にするとともに、メリットとデメリットを考えてみたい。結論からいえば、まだまだ従来通りサイドミラーの時代は続きそうだ。
今新車で買えるデジタルサイドミラー搭載車はたった4台
車外のカメラで後側方を映し、その様子を車内のモニターで確認するカメラ式のサイドミラーは、一般にデジタルサイドミラーと呼ばれている。
日本で販売されるモデルでは2018年の登場時に量産車では世界初となったレクサス ES、ホンダe。そして輸入車ではアウディ e-tronという採用例はある。だが、採用するモデルはまったく増えていない。ここではカメラ式サイドミラーが実用化された経緯と、普及しない理由を考えてみた。
レーシングカーが先に採用! 日本の市販車は2016年〜デジタルサイドミラーを実用化
カメラ式サイドミラーはSUPER GTなどのレーシングカーや限られた市販車で実用化されていた。
市販車においては250台限定という少量生産車ながら、2013年登場のVW XL1(プラグインハイブリッド機能を使うと燃費は100km/L!)で先駆けて採用されていた。
日本では2016年6月から法改正によりカメラ式サイドミラーが解禁されたため、それに伴い市販化の準備ができた量産車から採用されている。
デジタルサイドミラー最大のメリットは悪天候時の視認性と死角低減
ではカメラ式サイドミラーはなぜ普及しないのか? 答えは簡単で、カメラ式サイドミラーは現在メーカーオプション価格で20万円以上という高価であるということ。そして、現段階ではメリットよりもデメリットの方が大きいからである。
車種による違いもあるが、筆者が感じたカメラ式サイドミラーのメリットとデメリットを挙げていくと以下の通りとなる。
鏡より本体がコンパクト! そのためデザイン性とすれ違い時に便利
まずメリットとして“サイドミラーなし”に近い見た目ということもあり、デザインの自由度の広さが広がる。そして空気抵抗低減に加え、ミラーtoミラーと呼ばれる実質的な全幅を小さくできる点。特に後者は狭い道でのすれ違いの際などには有難いと感じている。
雨天時の視認性がデジタルサイドミラー最大の魅力!
さらにはサイドミラーがあることによる斜め前方の死角が、外部ユニットが上下に薄いことなどによるほぼなくなること。鏡のサイドミラーだとサイドウィンドウや鏡の画面が濡れて見にくくなる雨の日も、カメラ式サイドミラーなら視界はクリアとなるのだ。
さらには、拡大モードにすると後輪の動きが鏡のサイドミラーより詳細に確認でき、コインパーキングのロック板超えやギリギリの角を曲がる際に便利なことなど、多彩な機能を備えるのだ。
安全性に関わるデメリットも! トータルで考えればコスパが悪かった
逆にデメリットとしてはモデルによっては車内モニターの後付け感が非常に強いこと。そして搭載するモデルによるが、モニターに映る画質が悪い点にある。
さらにはモニターにLEDポジションランプのクルマが映ると、画面がチラチラしてしまうだけでなく、車両後方に強い日差しがあると、スチールカメラでいう逆光のように見にくいのだ。
老眼ユーザーは注意! とっさの確認がしにくい仕組み
また老眼の方だと運転中カメラ式サイドミラーのモニターを見ても、即ピントが合わず従来の鏡式よりも使うまでに慣れが必要。さらには追い抜いていく後続車との距離感、スピード感が掴みにくいとうことが挙げられる。
最後の距離感とスピード感の掴みにくさはカメラ式サイドミラー最大の弱点で、デメリットの中には危険につながるものもある。もっといえば、これで20万円以上の投資が必要な上に自分に合わなかった場合には普通のサイドミラーに戻すこともできないのだから、普及しないのも仕方ないのだった。
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