軽自動車の車庫証明はいらない? 必要な地域や手続き方法などをわかりやすく解説

  • 筆者: MOTA編集部
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軽自動車の購入時には「車庫証明は必要なのか」「車庫証明はどうやって取得したらよいのか」などを事前に確認しておきたいですよね。

この記事では軽自動車にとっての車庫証明となる「保管場所届出」についてや車庫証明との違い、保管場所届出の手続き方法、出し忘れた場合のペナルティなどを解説します。

軽自動車の購入や買い替えを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次[開く][閉じる]
  1. 車庫証明とは
  2. 軽自動車は車庫証明ではなく「保管場所届出」が必要
  3. 軽自動車の保管場所届出を自分で手続きする方法
  4. 軽自動車の保管場所届出に必要な書類と書き方
  5. 保管場所届出をしないと罰則が課される
  6. 軽自動車の保管場所届出は代理で依頼できる! 3つの方法を紹介
  7. まとめ

車庫証明とは

車庫証明とは自動車の保管場所を公的に証明する書類で、正式には「自動車保管場所証明書」と呼ばれます。車を購入した際は、原則として車庫証明が必要です。車庫証明がないと車両登録はもちろん、納車もできません。

車庫証明の手続きが必要なのは普通自動車や小型自動車を購入した場合や、譲り受けた場合、居住地を変更した場合などです。

軽自動車を購入した際は、車庫証明は不要ですが、代わりに保管場所届出が必要な場合があります。


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軽自動車は車庫証明ではなく「保管場所届出」が必要

軽自動車には車庫証明は不要ですが、代わりに保管場所届出が必要なケースがあります。ここでは、保管場所届出の概要と届出が必要なケースを詳しく解説します。

保管場所届出とは?

保管場所届出とは軽自動車を保管する場所を、管轄の警察署長に届け出る書類です。次項で解説する届出が必要なケースに該当する場合は、購入した車が新車か中古車かにかかわらず届出なければなりません。

また、購入したときだけでなく人から譲り受けたときや、駐車場を変更するときも届出が必要です。

届出の要不要は、軽自動車を使用する本拠の位置によって決まります。そのため、軽自動車を購入するのであれば、まずは車を使う地域が保管場所届出の対象かを確認しましょう。

保管場所届出が必要なケース

軽自動車の購入に際し保管場所届出が必要になるのは、以下に該当するケースです。

軽自動車の購入に際し保管場所届出が必要になるケース

・各都道府県の県庁所在地

・人口10万人以上の市区町村

・東京や大阪の中心から30km圏内の市区町村

届出が必要な地域の詳細は、全国軽自動車協会連合会のWebサイトで確認できます。Webサイトを確認しても届出が必要な地域かわからない方は、管轄の警察署窓口で相談しましょう。

保管場所として認められる要件

軽自動車の保管場所届出には、駐車場として利用する場所を記入します。駐車場として認められるには、以下の要件を満たす必要があります。

保管場所として認められる要件

・自動車を使用の本拠の位置(個人の場合は住所地または居所、法人の場合は事務所の所在地)から直線距離で2キロメートル以内

・道路から支障なく出入りでき、自動車全体を収容できる

・保管場所(駐車場)を使用する権限を有する

上記のほか、同じ場所を他の車が保管場所として登録していない、賃貸駐車場の場合は定期契約ができる等の要件をクリアしなければなりません。保管場所として適しているか不安な方は、管轄の警察署で相談すると安心です。

軽自動車の保管場所届出を自分で手続きする方法

軽自動車の保管場所届出は、軽自動車の所有者自身でできます。手続きの流れは、以下のとおりです。

軽自動車の保管場所届出の手続きの流れ

1. 保管場所の確保

2. 必要書類の準備

3. 管轄警察署へ届出

4. 保管場所標章を車に貼る

車両に貼る標章の交付には、地域によって500~600円程度の費用が必要です。なお、軽自動車の保管場所届出の手続期限は以下のように決まっています。

・軽自動車を購入したときは、直ちに

・車庫変更は、変更した日から15日以内

・軽自動車を持って転入したときは、転入した日から15日以内

手続きができるのは、管轄警察署の窓口が空いている平日の日中です。受付時間の詳細は警察署によって異なるため、事前に確認しましょう。

軽自動車の保管場所届出の手続きは、オンラインでは受け付けていません。期限内に手続きを済ませるには、計画的に予定を立てることが肝心です。

軽自動車の保管場所届出に必要な書類と書き方

ここでは、軽自動車の保管場所届出に必要な5つの書類を解説します。

必要な書類は以下の5点です。

軽自動車の保管場所届出に必要な5つの書類

1.自動車保管場所届出書

2.保管場所の所在図・配置図

3.保管場所の使用権限を証明する書類

4.保管場所標章交付申請書

5.使用の本拠の位置が確認できるもの

書類に不備があると、手続きに時間がかかったり手間が増えたりする可能性があります。

スムーズに届出をするには、事前に必要な書類や書き方のポイントを確認しておくことが重要です。

1.自動車保管場所届出書

自動車保管場所届出書は、軽自動車の保管場所が確保されていることを届け出る書類です。

書類の書式は届け出る都道府県によって異なるため、管轄の都道府県のものを使用してください。

自動車保管場所届出書には車名や型式、車台番号、自動車のサイズ、自動車を使用の本拠の位置、届出者の住所・氏名などを記入します。記入の際は、車検証を手元に用意するとスムーズに進められます。

2.保管場所の所在図・配置図

保管場所の所在地・配置図は、保管場所の地図や図面を記す書類です。それぞれの書類の概要は、以下のとおりです。

所在図:保管場所が自宅から2km圏内であることを明示する書類

配置図:駐車スペースが十分であることを明示する書類

所在図には、自宅車庫の場合は自宅近隣の地図、自宅と駐車場が離れている場合は自宅から駐車場までの地図を書きます。配置図には、駐車場の大きさや周辺道路の道幅、周囲の建物を記入しましょう。駐車場が建物内にあるときは、高さも記してください。

所在図および配置図は手書きだけでなく、インターネット上の地図を印刷して貼付しても構いません。

3.保管場所の使用権限を証明する書類

軽自動車の保管場所届出を行う際には、軽自動車の駐車場とする土地を使用する権限を持っていることを明示する書類の提出が必要です。提出する書類の種類は、駐車場の所有者が誰かによって以下のように決まっています。

・自分の所有地の場合:保管場所使用権原疎明書面(自認書)

・他人の所有地(貸し駐車場など)の場合:保管場所使用承諾証明書および駐車場の賃貸借契約書の写し、都市基盤整備公団等の公的法人が発行する確認証明書等

他人が所有する土地を駐車場とする場合は、必要書類が多くなる点には注意が必要です。駐車場の賃貸契約書の写しが用意できないときは、駐車場使用料金の領収書などでも問題ありません。

4.保管場所標章交付申請書

保管場所標章交付申請書は、保管場所証明のため標章(ステッカー)の交付を受けるために必要な書類です。交付には500~600円の費用がかかるため、あわせて準備しましょう。

なお、2024年5月17日に可決された車庫法(自動車の保管場所の確保等に関する法律)の改正により、標章の交付は公布後1年以内に廃止される予定です。

5.使用の本拠の位置が確認できるもの

申請する住所と使用の本拠の位置が異なる場合は、申請者の居住地を確認できる書類を提出する必要があります。居住地を確認できる書類は、以下のいずれかを用意しましょう。

・水道や電気といった公共料金の領収書

・消印のある郵便物

・運転免許証

・軽自動車の車検証

保管場所届出をしないと罰則が課される

届出を期限内にしなかったといった、保管場所届出に関する違反があったときは以下の罰則が課されます。

違反の内容罰則
虚偽の保管場所証明申請

20万円以下の罰金

保管場所の不届、虚偽届出

10万円以下の罰金

道路の車庫代わり使用

3か月以下の懲役または20万円以下の罰金、違反点数3点

道路における長時間駐車

20万円以下の罰金、違反点数2点

届出が必要であることを知らなかったために手続きが済んでいなかったとしても、免責されることはありません。罰則を課されないためにも、届出の要不要や期限をしっかりと確認することが重要です。

軽自動車の保管場所届出は代理で依頼できる! 3つの方法を紹介

保管場所届出は、代理による手続きも可能です。平日に警察署窓口を訪れる時間がない、書類を集める時間がないという方は、以下の3つの代理手続きも検討しましょう。

軽自動車の保管場所届出の代理依頼方法

・ディーラーの代行

・行政書士に依頼

・家族や知人に依頼

ディーラーの代行

代理による手続きの1つめは、ディーラーによる代行です。軽自動車を購入したときは、ディーラーが保管場所届出を行ってくれるケースもあります。

ディーラーによる代行費用は、1万円程度です。場合によっては、車の購入価格に代行代金が含まれていることもあります。その場合、保管場所届出を自分で行うことでの値引き交渉が可能なケースもあるようです。

軽自動車を購入する際は、保管場所届出の取扱いや代金をあらかじめ明確にしておくと安心です。

行政書士に依頼

代理による手続きの2つめは、行政書士への依頼です。行政書士は、公的機関に提出する許認可等の申請書類の作成および提出の代理ができる国家資格のため、保管場所届出の代行も受け付けています。

行政書士に依頼する際の報酬の相場は、数千〜3万円程度です。書類の作成から依頼もできますが、費用を抑えたいのであれば書類作成は自分で行い、申請と受領のみを依頼することもできます。

代行の内容や具体的な報酬額は、行政書士によって異なります。依頼を検討しているのであれば、いくつかの行政書士事務所で相談するとよいでしょう。

家族や知人に依頼

代理による手続きの3つめは、家族や知人への依頼です。家族や知人が本人に代わり書類を作成することはできませんが、届出のみであれば代行が可能です。平日警察署に出向くことが難しいときは、身近な家族や知人に手伝ってもらってもよいでしょう。

作成した書類に不備があったときの修正は、原則として本人が行う必要があります。しかし、事前に委任状を作成し保有していれば、加筆や修正の代行も可能です。委任状に記入が必要な項目は、以下のとおりです。

・代理人の氏名および住所

・委任する内容

・委任者(自分)の氏名および住所、連絡先

・委任者(自分)の署名捺印

まとめ

軽自動車を購入した際は、車庫証明ではなく保管場所届出が必要です。保管場所届出を求められるかは、軽自動車を使用する本拠の位置によって異なるため、管轄の警察署に事前に確認しましょう。

また、保管場所の広さや場所についてもいくつかの要件があるため、不安なときはあわせて確認すると安心です。

保管場所届出には、主に5つの書類の提出が必要です。平日の日中に警察署窓口に行かないと、届出手続きはできません。提出期限に遅れると罰金が科せられるため、日中の手続きが難しい方はディーラーや行政書士、家族知人による代行も検討しましょう。

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