日本でもジープの売れ行きは右肩上がり! ジープ 新型グランドチェロキーLはパワフルで乗りやすいフルサイズのアメリカンSUVに仕上がっていた

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10年ぶりにモデルチェンジしたジープの4代目グランドチェロキーが、待望の日本上陸を果たした。このところジープの日本での販売は驚異的な右肩上がりが続いている。

一体どのように進化したのだろうか。

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  1. 6人乗りと7人乗りの2モデルを用意! フルサイズの大柄ボディが特徴だ
  2. 直感的に触れるスイッチ類にシートも広々としていて使いやすい
  3. 欧州プレミアムSUVと比べても極めて高い乗り心地!

6人乗りと7人乗りの2モデルを用意! フルサイズの大柄ボディが特徴だ

ジープ 新型グランドチェロキーLの売れ行きが好調な理由には、アメリカに次いで世界で2番目にたくさん売れているというジープ ラングラーの寄与度が非常に大きいわけだが、フラッグシップであるグランドチェロキーのモデルチェンジを心待ちにしていた人も少なくないはずで、右肩がもっと上がるかもしれない。

本国にはより豊富なバリエーションがラインアップされているのだが、日本仕様としてまず導入されたのは、新設の3列シート仕様「L」の7人乗りの「Limited(リミテッド)」と、最上級の6人乗りの「Summit Reserve(サミット リザーブ)」の3.6リッターV6自然吸気エンジンを搭載する2グレード。価格は788万円と999万円と、その差は200万円超となる。

ボディサイズは全長5200mm×全幅1980mm×全高1795~1815mmと、フルサイズと呼べる大きさになり、実際にもけっこう大柄。フラッグシップらしい風格を感じさせるスタイリングは、ラグジュアリーSUVの草分け的存在として知られる往年の初代ワゴニアにインスピレーションを得ながらモダンに仕上げたとのことで、たしかに新しさの中にもどこかなつかしい感じがする。

さらには、インテリアを見てビックリした。上質なマテリアルをふんだんに用いた空間が見せる高いクオリティ感たるや、これがグランドチェロキー!? である。

さすがは「クラストップレベル」を自負しているだけのことはある。ついでに述べると、これまでジープを含めアメリカ車の革シートでよく見受けられた独特の匂いもなくなったことに気づいた。個人的にはきらいではなかったが、対策されたようだ。

直感的に触れるスイッチ類にシートも広々としていて使いやすい

感心したのは、あらゆる操作系が非常に直感的に使えるように配慮されていること。

中央に10.1インチのタッチスクリーンを配したインターフェイスも実によく考えられていて、適度に残された物理スイッチ類ともども、ひと目でどういう機能でどう使えばよいかわかるので迷わずにすむ。

ジープ初となるロータリーシフトの採用も特徴で、直感的な操作を可能としている。その両脇には、車両設定を任意で選択できるセレクテレインと車高調整など走りに関わる機能を選択するレバーがある。

サミット リザーブには、フロント16ウェイパワーシート、マッサージ機能、マッキントッシュプレミアムサウンドシステムなどが装備される。19個ものスピーカーを備えたオーディオのサウンドも素晴らしい。

独立した2座となるサミット リザーブの2列目は広々としていて快適だ。1列目よりもやや目線が高めに設定されていて、見晴らしもよい。

3列目はさらに目線が高く、広くはないにせよ平均+αの成人男性の体格である筆者が座っても頭上に空間が空き、シートのクッション厚も確保されているので、しばらく乗っていても苦痛でないほどの居住性は確保されている。

3列目にアクセスするには、2列目の肩のレバーを引くとシートがそのまま跳ね上がり、最前端までスライドさせて前側を軸にさらに倒すことができて、間口の広いスペースが出現する。

大柄な車体のおかげで3列目までフルに座っても、それなりに荷室容量が残るのもありがたい。荷室側から遠隔操作で後席を個別に電動で格納することもできるのも重宝する。Summit Reserveにはパワーリフトゲートにハンズフリー機構も備わる。

欧州プレミアムSUVと比べても極めて高い乗り心地!

走りの仕上がりも上々だ。最高出力286馬力/6400rpm、最大トルク344Nm/4000rpmというスペックのエンジンと8速ATの組み合わせは、出足も軽やかで、かつてのようなルーズな印象もなくほどよいダイレクト感もある。量販グレードとしては申し分ない。

いまやアメリカ車以外では見かけられなくなった3.6リッターV6エンジンは、自然吸気の素直な吹け上がりとV6の上質感を兼ね備えていて、あらためて中排気量の自然吸気V6エンジンとはよいものだと痛感した次第である。

一方で、グランドチェロキーといえばそのうちまたV8にスーパーチャージャーを付けて700馬力オーバーというとてつもないクルマも出てくるかもしれないが、もちろんそちらも楽しみだ。

フットワークも現代的で乗りやすい。車体も大きいのでさすがに小回りは利かないが、走り出してしまえば重々しい印象もなく、なめらかで静かで心地よい。欧州プレミアム勢と比べても、そのドライバビリティはぜんぜん遜色ない。

従来型ではやや気になった直進安定性の甘さも払拭されている。今回は短い距離しか走っていないのだが、ロングドライブでも疲れ知らずだろう。

運転支援機能も非常に充実していて、車両周辺の状況を映し出すサラウンドビューカメラや、デジタルリアビュールームミラー、交差点衝突回避支援機能などの先進装備がぬかりなく用意されている。

車体がとてもしっかりしている感覚があり、路面から伝わる入力の受け止め方も巧い。ストロークをたっぷり確保した足まわりがよい仕事をしていて、エアサスの与えられるサミット リザーブはなおのこと、しっとりとしなやかで上質な乗り味に仕上がっている。悪路走破性についてもジープのことだから何も心配していないが、オフロードもさぞかし快適に走れるに違いない。

見た目も装備も走りも感心せずにいられない出来映え。いままでが安かっただけに、当初はグランドチェロキーの量販グレードで1000万円とはずいぶん高くなったと感じたものだが、これで1000万円ならむしろ相当安い! と断言しておこう。SUVの大御所であるジープが満を持してプレミアムSUV界に送り込んだ、非常に印象的な秀作であった。

【筆者:岡本 幸一郎】

ジープ/グランドチェロキーL
ジープ グランドチェロキーLカタログを見る
新車価格:
855万円1,060万円
中古価格:
488.7万円1,250万円

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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