街乗りやセカンドカーに最適! コンパクトで小回りが利いて運転しやすい電気自動車「Honda e」(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:土屋 勇人
リラックス空間の中に5枚並んだ液晶パネル
内装では、インパネに5枚並んだ液晶パネルが注目される。両端はサイドカメラ・ミラーシステムの画面で、インパネの中央と助手席の前側には、2枚の12.3インチワイドスクリーンが備わる。この両方にカーナビ情報や各種のコンテンツを表示できる。
インパネには木目調パネルが使われ、光沢を抑えてリアリティを追求した。手触りも良くリラックスできる雰囲気がある。
前席も同様で、シート生地には適度な伸縮性が伴い、乗員の体を柔軟に受け止める。フロントピラーの角度を立てたので、前席は乗降性が良い。
後席は車両の後部にモーターなどのユニットを搭載したので、取り付け位置が前寄りだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ分に留まる。駆動用電池を床下に搭載したから、床も高めになって座面との間隔も不足した。そのために後席に座ると、膝が持ち上がって腰が落ち込み少々窮屈だ。
後部にモーターを搭載したから荷室の床も少し高く、路面からリヤゲート開口下端部までの寸法は730mmになる。一般的なハッチバックを100mmほど上まわるが、スズキ ハスラーやダイハツ タフトと同等だから、極端な高さではない。
先進的な通信機能
Honda eは各種の装備も充実している。衝突被害軽減ブレーキは、センサーにミリ波レーダー、単眼カメラ、超音波ソナーを使い、歩行者、自転車、車両を検知する。誤発進抑制機能も前後両方向に対応した。全車速追従型クルーズコントロールなどの運転支援機能も充実する。
通信機能は先進的だ。インターネットに常時接続できて、車内Wi-Fiも使える。ホンダパーソナルアシスタントも採用され「OKホンダ」と呼びかけると起動する。カーナビの検索などを頼むと、モニター画面でキャラクターのイラストが動き、クルマと話をしている感覚になる。
スマートフォンを使って、発進前に充電状態でエアコンなどを作動させることも可能だ。予め冷暖房を利かせておけば、発進後の電力消費量を抑えられる。スマートフォンをキーとして使い、走行することも可能になった。このほか大型ガラスルーフのスカイルーフも標準装着される。装備の充実度は高い。
Honda eはセカンドカーや街乗り目的に最適のキャラクター
電気自動車の場合、1回の充電で走行可能な距離が短いという指摘を受けるが、日産の販売店では「リーフは短距離を移動するセカンドカーとして使われることが多い」という。日本の場合、総世帯数の約40%が集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくい。所有できるのは必然的に一戸建てで、2台のクルマがある世帯のセカンドカー需要が増える。
ファーストカーがあるなら、電気自動車が1回の充電で長距離を移動できる必要はないだろう。駆動用電池の劣化で走れる距離が著しく短くなるのは困るが、そこを防げれば、電気自動車は小さくて小回りが利き、運転しやすい方が実際の用途に適する。走行距離を伸ばす代わりに、車両重量が増したり、ボディが大きくなったり、価格が高まるとむしろ使いにくい。Honda eはこの点に重点を置いて開発された。
[筆者:渡辺 陽一郎]
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