SUVみたいなフリード「クロスター」誕生|ホンダ フリード、マイナーチェンジで新ラインナップ追加

マイチェンの目玉は新シリーズ「クロスター」、その特徴はSUV風クロスオーバースタイル

シェアを拡げるライバル「トヨタ シエンタ」にホンダが“ちょっと待った!”

3列のシートを備えたミニバンは、ファミリーユーザーが選ぶカテゴリーとして、今でも人気が高い。その一方で最近は安全装備の充実などにより、クルマの価格が上昇している。運転のしやすさも重視され、乗り替える車種のサイズを小さくする傾向も見られる。

そこで注目度を高めているのが、1.5リッターエンジンを搭載するコンパクトミニバンだ。2019年8月には、トヨタ シエンタが小型/普通車の販売ランキングで1位になった。この流れの中で、ホンダのコンパクトミニバン「フリード」と「フリード+」が比較的規模の大きなマイナーチェンジを受ける。改良されたフリードの発売は2019年10月18日の予定だが、概要を把握できたのでお伝えしたい。

>>マイナーチェンジでラインナップが拡大した新型フリード/フリード+[フォトギャラリー]

遊び心満載なクロスターの外観

今回のマイナーチェンジで最も注目されるのは、新しいシリーズの「クロスター」を用意することだ。クロスターは、SUV風のクロスオーバーモデルになる。専用にデザインされたフロントグリルとバンパー、フロントロアスポイラー、ルーフレール、専用アルミホイールなどにより、外観を遊び心のある雰囲気に仕上げている。

ミニバンのバリエーションとしては、ステップワゴン スパーダのようにエアロパーツを装着するカスタム仕様を追加することが多いが、フリードは人気のカテゴリーであるSUVの手法を取り入れた。

フロントマスクは標準ボディに比べると、メッシュ状で存在感の強い形状だ。ボディ前後の下側には、アンダーガード風のパーツも備わり野性味を盛り上げる。ボディサイドの下側には、サイドシルガーニッシュも装着した。

ルーフレールは、車種によって飾りになるタイプもあるが、フリードはルーフキャリアなどを装着できる実用性を備える。アルミホイールもSUVらしい特徴のあるデザインだ。

マイナーチェンジの限界か、いまひとつSUVっぽく見えない原因は“樹脂パーツ”にあった

クロスターで残念なのは、SUVの定番装備ともいえる、ホイールアーチに沿った樹脂パーツが装着されないことだ。フェンダーにこの樹脂パーツが付かないと、いまひとつSUVに見えず物足りない。

ちなみにトヨタ アクアのクロスオーバーモデル“Xアーバン”も、この樹脂パーツが備わらないために売れ行きが低迷して、アクアクロスオーバーへマイナーチェンジした段階で加えた。なぜ樹脂パーツが装着されないのかを開発者に尋ねた。

「樹脂パーツも検討したが、まず3ナンバー車になってしまうという問題がある。(アクアクロスオーバーも3ナンバー車だが)フリードは5ナンバー車であることが大切な魅力になっている。樹脂パーツの追加に伴う全幅の拡大は避けたかった。また樹脂パーツが加わると、ボディに沿って開閉するスライドドアに干渉する場合がある。スライドドアの設計変更が必要になるかも知れない。これらの課題を解決する手段として、樹脂パーツではなく(樹脂風の)ステッカーを貼る方法がある。これも検討したが、組立工場や販売店で貼るのは難しいと判断された」とコメントしている。

地上高やタイヤサイズの変更がないのもSUVっぽさが足らない一因

またクロスターの最低地上高、サスペンションやタイヤの設定などは、標準ボディと共通だ。従って悪路の走破力、乗り心地、舗装路での走行安定性なども変更されない。開発者は「コストアップの問題もあり(サスペンションまで変える)本格的なSUVにはしていない」という。あくまでもSUV風のテイストを盛り込んだ仕様という訳だ。

イメージとしては、例えば奥さんが実用的なミニバンを希望しているのに、旦那さんはカッコイイSUVを買いたいといったケースで、その折衷案としての選択肢が「フリード クロスター」・・・ということになるのだろう。

唯一それっぽいのが、クロスターのツヤ消しの仕上げのアルミホイールだ。開発者は「光沢のあるアルミホイールは、製造時に小さなキズなどが付いた場合、磨けば補修できる。ところがツヤ消しは、磨いたらツヤが出てしまう。細かな補修がしにくく、一般的には採用しにくい塗装になるがあえて採用した」と説明した。

今回のマイナーチェンジで追加されたフリード/フリード+のクロスターは、ノーマルエンジンとハイブリッド、2WDと4WD、2列シートと3列シートのすべてに用意され、標準ボディと同様のワイドなバリエーションになる。

フリード/フリード+もマイナーチェンジで大幅改良

マイナーチェンジで実施した内外装の変更点

標準ボディのフリード/フリード+も、今回のマイナーチェンジで先代型に比べてボンネット、フロントグリル(下側を含む)、フロントバンパーが変更され、ハイマウントクリアレンズなどの色彩も変わるなど、外観上の変更が分かりやすい違いとなっている。また外装色(ボディカラー)も、プレミアムクリスタルオレンジとシトラスブルーという新色を採用した。

内装の木目調パネルも変更を受けた。クロスターは差別化として金属調パネルにする見せ方もあったと思うが、こちらも木目調を採用している。

走行性能や安全面での変更点もあるが…ここでもマイナーチェンジで出来ることの限界が散見

走行性能に関しては、パワーステアリングの操舵感覚を改良した。ノーマルエンジン車では、下り坂などで自動的にエンジン回転を高めてエンジンブレーキの利き方を向上させる制御も加えた。エンジンの排出ガス対策は、低排出ガス車の認定が4つ星から5つ星に向上した。

緊急自動ブレーキを作動できるホンダセンシングの制御は、軽自動車のホンダ N-WGNが自転車と夜間における歩行者検知を可能にし、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも、全車速追従型になっている。

これに対しフリードの場合、マイナーチェンジでもこれらの機能は採用されていない。

開発者は「ホンダセンシングの自転車と夜間の歩行者検知は、基本設計から変更しないと対応できない」という。全車速追従型クルーズコントロールには、N-WGNも含めて一般的に電動パーキングブレーキが必要だが、フリードは足踏み式だから対応できない。いずれもマイナーチェンジの範囲を超えているわけだ。

その代わりクルーズコントロールの追従性能が改善されて反応が良くなり、後方誤発進抑制機能も追加された。

今回のフリード/フリード+のマイナーチェンジは、せっかく追加されたクロスターの外観ドレスアップ度合いが少々物足りない。N-WGN同等の安全機能が付かないのも不満だが、従来に比べれば選択肢を広げた。

「マイナーチェンジの限界」に悩まされながら、地道に商品力を高めているといえる。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:和田 清志]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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