新型フィットハイブリッドのマイナーチェンジを徹底解説!2017年モデルのおすすめグレードは!?(1/2)

新型フィットハイブリッドのマイナーチェンジを徹底解説!2017年モデルのおすすめグレードは!?
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人気コンパクトカー、ホンダ フィットとは

ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)

ホンダ フィットは国産コンパクトカーの中心的な存在だ。初代モデルは2001年に発売され、燃料タンクを前席の下に搭載するセンタータンクレイアウトにより、後席と荷室に広いスペースを確保した。

外観のデザインもバランスが良く、当時のコンパクトカーでは燃費が優れ、価格も割安だったのでヒット作になった。2代目も初代モデルの持ち味を継承して、ハイブリッドを加えたこともあり、好調に売れていた。

ところが2013年に発売された3代目の現行フィットは、売れ行きが伸び悩む。先代型は1年間に18~20万台(1ヶ月当たり1万5000~1万6000台)を安定的に販売したが、現行型は2015年が11万9846台(月販1万台)、2016年は10万5662台(月販8800台)にとどまった。国内需要が低調なことを考えても下降の仕方が大きい。

ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)

ホンダでは軽自動車のN-BOXが2011年末に発売されてフルモデルチェンジを控えた今でも好調に売れており、フィットから乗り替えるユーザーも多いが、それにしてもフィットの販売状況は深刻だ。今は月販8000台を超えれば立派な人気車だが、フィットとしては不本意な実績になる。

最近のホンダは国内における販売順位がトヨタに次ぐ2位となり好調に思えるが、2013年・2014年頃に比べると全般的に売れ行きが下がった。この販売動向はフィットと重なる。つまりフィットの人気度は、国内におけるホンダ車全体の活力を示すバロメーターだから、ホンダの社内でも問題視されているだろう。

そこで2017年6月29日に、かなり力の入ったマイナーチェンジが行われた。

>> 【2ページ目】新型フィット・フィットハイブリッドのおすすめグレードはこれ!

2017年モデルのフィットは内装と外装のデザインを大幅改良

ホンダ フィットRS(2017年マイナーチェンジモデル)ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)

今回のマイナーチェンジでは内装デザインと外装デザイン、両方の変更が行われた。

まず外装デザインにおいては、ヘッドランプとグリルに一体感を持たせ、前後ともにバンパー下側の形状を変更してワイド感を強調している。テールランプのデザインも異なっているので、マイナーチェンジ前のフィットとは全く印象の異なるデザインとなった。

上級グレードのフィットハイブリッド“S ホンダセンシング”と、1.5リッターのガソリンエンジンを搭載するフィット“RS ホンダセンシング”は、スポーティな形状のバンパーや大型のテールゲートスポイラーなどを備える。

2017年モデルの新型フィットは、エクステリアデザインをSUV風にアレンジするパーツが、ディーラーオプションで用意されていることにも注目だ。

この“クロススタイルパッケージ”は、13万8240円と比較的割安な設定。ブラックのホイールアーチやボディサイドモールが装着され、外観の印象がかなり変わる。

>>【画像ギャラリー】SUV風の新型フィット クロススタイルパッケージをもっと見たい方はこちら

ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)

インテリアではメーターパネルの視認性を向上させ、内装全体の質感のも高めている。

中でも、新しくメーカーオプションとして追加されたプレミアムブラウンは、本革巻きの専用ステアリングホイールと、ウルトラスエードを採用したシート、ドアパネルパッドなど随所にブラウンをあしらい、高級感を演出。RSグレードも併せて6パターンから内装色を選ぶことができるようになった。

エンジンの改良でフィットハイブリッドの燃費が34.0km/Lに向上。

ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)ホンダ フィット(2017年マイナーチェンジモデル)

マイナーチェンジでエンジンの燃焼効率も改善した。新型フィットに搭載されるすべてのエンジンについて、カムシャフトの軽量化、冷却性能の向上によるノッキングの抑制、摩擦損失の低減を図っている。

新型フィットハイブリッドでは、燃焼時のタンブル流の最適化により燃焼を安定させて、ノッキングも抑制している。さらにボディの空力特性も1.5%向上させた。

これらの相乗効果で、フィットハイブリッドの売れ筋グレードのJC08モード燃費が従来の33.6km/Lから34.0km/Lに、1.5リッターのノーマルエンジンを積んだ“15XL”は21.8km/Lから22.2km/Lにそれぞれ引き上げられた。

最も燃費が優れているのはフィットハイブリッドの標準仕様で、従来の36.4km/Lから37.2km/Lに向上。37.2km/Lという数値はノートe-POWERと同じだ。 ただし、ノートe-POWERの“S”グレードはインテリジェントエマージェンシーブレーキなどを装着できない燃費スペシャルで、フィットハイブリッドの標準グレードも、残念ながら同様の位置付けになる。

実際のところ、燃料タンクの容量を8リットル減らして32リットルに抑え、車両重量を1080kgに抑えることで、燃費計測時の等価慣性重量を軽くして燃費数値を高く見せているだけだ。

ホンダセンシングやLEDヘッドライトも装着できず、低燃費をアピールすることだけを目的に設定された存在価値の乏しいグレードだから、購入時には惑わされないように注意していただきたい。

ホンダ 新型フィット 主要スペック(2017年6月マイナーチェンジモデル)

ホンダ新型フィット・フィットハイブリッド 主要スペック
グレード名13G・L Honda SENSINGHYBRID L Honda SENSING
駆動方式2WD(FF)2WD(FF)
価格(消費税込み)1,653,480円2,079,000円
JC08モード燃費24.6km/L34.km/L
全長3,990mm3,990mm
全幅(車幅)1,695mm1,695mm
全高(車高)1,525mm1,525mm
ホイールベース2,530mm2,530mm
乗車定員5人5人
車両重量(車重)1,060kg1,150kg
エンジン水冷直列4気筒横置 DOHC水冷直列4気筒横置 DOHC
排気量1,317cc1,496cc
エンジン最大出力73kW(100PS)/6,000rpm81kW(110PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク119N・m(12.1kgf・m)/5,000rpm134N・m(13.71kgf・m)/5,000rpm
モーター最大出力--22kW(29.5PS)/1,313-2,000rpm
モーター最大トルク--160N・m(16.3kgf・m)/0-1,313rpm
燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン

新型フィットは安全装備が大幅改良!ホンダセンシングをようやく採用

ホンダ フィットのマイナーチェンジにおいて、最も注目されるのはホンダセンシングの採用だ。

ホンダセンシングとは、すでに幅広い車種に搭載されるホンダの安全装備で、ミリ波レーダーと単眼カメラが常に車両の前方を監視することを基本とする8つの先進安全機能の総称。

“衝突軽減ブレーキ(CNBS)”は、歩行者を含めて衝突の危険を検知すると警報を発して、さらに状況が悪化した時は緊急自動ブレーキを作動させる。

また、“歩行者事故低減ステアリング”も注目される。時速10~40キロで走行中、車線をはずれて路側帯を歩く歩行者と衝突しそうな時、音と表示で警告して電動パワーステアリングにも回避操作を支援するトルクを与える。この機能はフリードやヴェゼルには採用されるが、ステップワゴンには装着されていない。7月下旬に発表される新型シビックも非装着になる見込みだから、フィットのホンダセンシングは内容が充実していると言える。

このほか車線逸脱時の警報と元の車線へ引き戻す“路外逸脱抑制機能”、ペダルの踏み間違い事故の防止に役立つ“誤発進抑制機能”、制限速度など道路標識をアイコンで表示する“マルチインフォメーションディスプレイ”などが備わる。

さらに、ミリ波レーダーと単眼カメラの併用で、運転支援の機能も充実させた。

車間距離を車両が自動制御してアクセル/ブレーキペダルの操作を大幅に軽減するアダプティブクルーズコントロール、中・高速走行時に車線の中央を走れるように操舵を支援する車線維持支援システムも採用。

改良前に採用されていたシティブレーキアクティブシステムは、赤外線レーザー方式の簡易型で歩行者を検知せず、作動速度の上限も時速30km以下だったので、ホンダセンシングになって安全性は大幅に向上した。

今後の課題は、後方を並走する車両の検知機能などを充実させることだ。前方に比べて後方の安全確保が手薄になっている。

以上の機能を備えるホンダセンシングのオプション価格は10万8000円で、セットでマルチインフォメーションディスプレイ、テレスコピックステアリング(ハンドルの位置を前後方向に調節する装備)なども備わるので、機能の内容を考えると買い得だ。

また、安全に関係する改良としては、ボディの補強も挙げられる。前後の足まわりの取り付け部分、中央のピラー(柱)の下側付近、ルーフの両サイド、リアフェンダー付近など、ボディの捩れが生じやすい部分を重点的に補強した。

これに伴ってショックアブソーバーのバルブを変更するなど足まわりの設定も変えている。変更の目的は、走行安定性と乗り心地を向上させることだ。 遮音材の改良などによって静粛性も改善された。

特に最上級グレードとなるハイブリッドSホンダセンシングは、エンジンマウントにマスダンパーを装着して、エンジンの振動が直接的に伝わるのを抑制する。遮音ガラスも採用した。 このほかブレーキペダルの操作感なども全グレードにわたって向上している。

余談として、競合他社の安全装備に関して、比較用に補足しておく。

トヨタではアクアやヴィッツにToyota Safety Sense C(トヨタセーフティセンスC)を採用するが、緊急自動ブレーキは歩行者を検知できず、車間距離制御の可能なクルーズコントロールも付かない。

ダイハツ車とそのOEM車になるトヨタ パッソやトヨタ ルーミー&タンクが備えるスマートアシストIIは、歩行者を検知するが警報だけで緊急自動ブレーキは作動しない。

日産はノートにインテリジェントエマージェンシーブレーキを装着するが、車両に対する緊急自動ブレーキの作動上限は時速80kmで、クルーズコントロールはない。

マツダ デミオはミリ波レーダーを装着して高速域でも車両については緊急自動ブレーキが作動する。クルーズコントロールも備わるが、歩行者を検知できない。

スズキがスイフトなどに装着するデュアルセンサーブレーキサポートは、単眼カメラと赤外線レーザーの併用により、歩行者も検知して制動できる緊急自動ブレーキを備え、専用に装着されたミリ波レーダーで車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも採用する。機能を幅広く充実させたが、歩行者事故低減ステアリングや車線維持支援システムは備わらない。

スバルのアイサイトバージョン3は先進的だが、1.5リッター以下のエンジンを搭載する5ナンバーサイズのコンパクトカーは製造していない。 ホンダセンシングを備えたことにより、1.0~1.5リッターエンジンを搭載する5ナンバーサイズのコンパクトカーの中で、新型フィットは、緊急自動ブレーキを筆頭とする安全装備と運転支援の機能が最も充実することになった。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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