ホンダ 新型CR-Vハイブリッド&1.5ターボ 試乗|ニッポンのためのCR-Vが遂に帰って来た!(3/3)

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ライバルSUV「スバルフォレスター」や「マツダCX-5」と新型CR-Vを徹底比較

そしてもう一点気になるのは、結構強気の値付けだ。

例えばもっとも安い1.5ターボの標準グレード「EX」の5人乗りFFでも323万280円で、この価格でライバル車の何が買えるかというと、スバル フォレスターならe-BOXER(ハイブリッド)搭載の「Advance」(アドバンス)が309万9600円なので余裕で買えるし、マツダ CX−5ならば2.5リッターのNA・4WDモデルの装備充実グレード「L Package」が買える。

さらに新型CR-Vのハイブリッド、4WDモデルの上級グレード「EX・Masterpiece」だと436万1040円となる。例えばフォレスターだと、上記のAdvanceに様々なオプションを付けても380万円以下、一方CX−5だとディーゼルの4WDでもっとも上級な特別仕様車「Exclusive Mode」(エクスクルーシブ・モード)と同じくらいか、むしろCX−5が少し安いくらいという感じになってくる。

もっともこれには理由があって、まずCR-V EXでHonda インターナビや安全運転支援系装備のHonda SENSING(ホンダセンシング)が標準となっており、さらにEX・Masterpieceは電動サンルーフやハンズフリーアクセスパワーテールゲート、本革シートも標準となるなど、ほとんどオプションが不要となっているからでもある。

日本仕様の新型CR-V、最大の仮想敵は「トヨタ ハリアー」だった

新型CR-Vの商品企画を担当する方に話を聞くと、確かにCX−5やフォレスターも気になるが、やはり気にしているのは「トヨタ ハリアー」なのだとか。

車格は少し異なるが、確かにハリアーの価格からするとCR-Vは高くないのかもしれない。また他のライバルSUVとしては日産 エクストレイルも存在するが、これもまた価格的にはリーズナブルな存在。こうしてみるとやはりハリアーだけがひとつ上の車格感で飛び抜けて高い。しかしながらハリアーには独自の世界観が強くあるわけで、CR-Vはそれと真っ向から比べる種類のものではなく…。

というか、ハリアーは別格として、フォレスターやCX−5のようなキャラクターの濃さと比べると、CR-Vはブレッド&バターカー的にあっさりしているのに、見た目のプライスが高いということになっている。もちろん標準装備が充実していることによる価格設定であるのは確かだが、これがどのくらい受け入れられるかが気になるところではある。

CR-Vは確かに良く出来たクルマだが何か釈然としないのは・・・ホンダに対しもっと大きな期待を寄せているから

フォレスターにもCX−5にもないもの。といえば、i-MMDによって圧倒的な動力性能を生み出すハイブリッドシステムが、やはり新型CR-Vの最も強い個性となる。新型を購入するならば、ここはやはりハイブリッドモデルを選ぶべきだろう。

プロダクトとして悪くはない。しかしキャラがあっさりしていて、見た目プライスが高くて…と、ここがどうしても気になってしまう。

と、自分の中で何か釈然としないのは、やはりそれはホンダへの期待が大きいからなのだろうと納得した。

僕、というか日本人にとって、やっぱりホンダの送り出すプロダクトには、どこか夢とか憧れとか情熱とかユニークさとか、そういう類のものを求めてしまうところがある。

そうして今回の新型CR-Vを見ると、それはアメリカや中国で大ヒットしている“正解”であることは間違いない。それがゆえに最大公約数的なクルマなのだと頭でわかっていても、しかしどこかで納得できないのは、やはりホンダへの期待を抱いてしまうからに他ならない。

もちろんCR-Vの歴史を振り返れば、どの代のモデルもそつなく、最大公約数的なクルマであることに変わりないのだけど、やはりどこかに期待はある。

というか、ホンダの送り出すプロダクトはいまや、登録車に関しては特に「日本よりも世界」という優先順位を強く感じるようなラインナップだ。それだけに日本人としては余計に寂しさを感じるのかもしれない。

かといって、もう少し日本を向いた雰囲気漂う登録車を送り出して…なんてことはなかなか考えられないのもまた事実。そうしてホンダに対するモヤモヤはさらに増していくのだ。

とはいえ、新型CR-Vは2年半ぶりの復活であり、開発陣は相当に気合いを入れ原点回帰をして勝負を挑む自信作である。今後の販売の推移にも注目したいところだ。

[筆者:河口 まなぶ/撮影:島村 栄二]

ホンダ 新型CR-V の主要スペック
試乗車グレードHYBRID EX-Masterpiece

[4WD/5人乗り]

EX-Masterpiece

[FF/7人乗り]

EX-Masterpiece

[4WD/5人乗り]

メーカー希望小売価格(消費税込)

4,361,040円

3,814,560円

3,807,000円

JC08モード燃費

25.0km/L

15.4km/L

15.0km/L

WLTCモード燃費

20.2km/L

-

-

WLTC市街地モード燃費

19.1km/L

-

-

WLTC郊外モード燃費

21.6km/L

-

-

WLTC高速モード燃費

19.8km/L

-

-

全長

4605mm

全幅

1855mm

全高

1690mm

1680mm

1690mm

ホイールベース

2,660mm

乗車定員

5人

7人

5人

車両重量(車重)

1660kg

1630kg

1610kg

エンジン種類

直列4気筒DOHC ガソリン直噴ターボエンジン

駆動方式

4WD

FF(前輪駆動)

4WD

排気量

1993cc

1496cc

エンジン最高出力

107kW(145PS)/6200rpm

140kW(190PS)/5600rpm

エンジン最大トルク

175N・m(17.8kgf・m)/4000rpm

240N・m(24.5kgf・m)/2000~5000rpm

モーター最高出力

135kW(184PS)/5000~6000rpm

ーー

モーター最大トルク

315N・m(32.1kgf・m)/0~2000rpm

ーー

トランスミッション

電気式無段階変速機

7スピードモード付 無段変速オートマチックトランスミッション(CVT)

燃料

無鉛レギュラーガソリン

タイヤサイズ

(前後)235/60R18

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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