Mクラスエアロミニバン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
総合力の高さが光る
モデルチェンジの直前まで売れ続けた先代のコンセプトの良い点をそのまま受け継ぎつつ、先代ではやり残したことをやり、不満が出た部分を改善するなどした結果、全体的にグレードアップしている。直噴化されたエンジンや、制御のこなれたCVTの印象も良い。
さらに、アイドリングストップと、楽しみながらエコドライブできる演出など、新しいフェイズに入ったクルマであることも見て取れる。
計14バリエーションという、下記ライバルを圧倒するシートアレンジもそうだが、それ以前に、視界、収納性、使い勝手のひとつひとつに、「理由」を感じさせる仕上がりだ。
走りについても、先代は乗り心地が固く、それでいてロールは大きめと、あまり褒められたものではなかったところが、非常に良くなっている。
また、セレナで特筆できるのが、3列目の乗り心地である。下記2台がアレンジ性を優先した結果、乗り心地が落ちてしまったのに対し、セレナはシートとしての機能を優先したという見識も評価したい。
このように総合力の高さが光るセレナは、おそらくこれまで同様にヒットし、2011年にはミニバン販売トップの座に返り咲くことだろう。
もっともオーソドックス
7人乗りが選べることが大きなポイントで、一時は流行ったものの、今では貴重な対座モードにアレンジできる点も特徴。
室内空間は、今回の中ではもっとも小さいものの、これだけあれば不自由することはなく、またユーティリティ面でも、ワンタッチで跳ね上がる3列目シート以外に、これといって特筆すべき点はないが、選んで後悔することもないだろう。
ただし、装備面で、シートヒーターやパワーバックドアなどの上級を設定しているのはヴォクシーのみである。スタイリングも、ヴォクシーはZSの販売比率が高く、Sも含めるとエアロ系の比率が高いのは、イメージ戦略の賜物だろうが、現行モデルの当初は特徴的すぎたところ、マイナーチェンジでやや控えめにアレンジされたのもよかったと思う。
走りについても、加速感や乗り心地などに、スポーティさが行き過ぎた印象が薄れ、好ましい方向となった。
操縦安定性と乗り心地のバランスも上手く取れているし、アイドリングストップ機構はなくとも、全車に採用されたバルブマチック仕様のエンジンの燃費も良好だ。
今回の中ではもっともオーソドックスで無難なクルマといえるだろう。
上記2モデルに対してユニークな存在
2010年の上半期は、ミニバンとしてトップの販売を達成し、スポーティ路線から、スペース追求型に舵を切ったことは、販売面では正しかったといえるだろう。
とはいえ、先代の高い志は損なわれたわけではなく、見た目こそこのようになったものの、低重心が生み出す走り、ワンステップで室内にアクセスできる使い易さなど、低床プラットフォームなればこそ得られるものは健在だ。フローリングフロアが選べるのもステップワゴンならではである。
また、上記2モデルに対しては、3列目を床下に格納することで、上記2モデルよりもはるかに大容量のスペースをつくりだせるところがポイント。
ただし、3列目シートの出し入れを頻繁にしたいユーザーにとっては、アンダーボックスに荷物を入れっぱなしにすることができないなど、重宝と不便の両面があることも覚えておくべき。
3列目はほぼ畳んでおいて大きな荷物を積みたいとか、あるいは逆に、3列目はほとんどいつも出しっぱなし、という使い方に適するといえるだろう。
こうして見てくると、ステップワゴンは上記2モデルに対しては、ちょっとユニークな存在のように思えてくる。
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