200万円で買える!お手頃ミニバン 徹底比較(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
進化したカラクリ7thシート
先代と比べ、インパネもミニバン的な雰囲気の払拭を図るとともに、ドライバーを包み込むようなデザインとされた。シート生地にも「NAGARE」のエッセンスが採り入れられている。
爪を傷つけないようインナードアグリップ部の底にフェルトを貼ったり、収納スペースを随所に設定したりと、細やかな配慮がなされている。
こうしたパッケージでありながら、後席に「両側スライドドア」を持つのはプレマシーならでは。開口幅はフリードよりもやや大きく、サイドシルがやや低いために乗降性も良好だ。
2列目の「カラクリ7thシート」もプレマシーの特徴で、2列目をキャプテンシート(2人分)にしたり、ベンチシート(3人掛け)にしたりと、簡単にアレンジできる。また、座面下には収納スペースが設けられている。
3代目プレマシーでは、カラクリ7thシートのサイズ延長や、クッションの厚みの拡大などにより着座感の向上が図られており、2列目中央の席と3列目に3点式シートベルトが与えられたこともニュースである。
3列目の居住空間については、頭上の余裕はさすがに無く広いといえるほどではないが、実用には十分に耐えうるスペースが確保されている。
なお、20Sグレードは、控えめな価格ながら装備が充実しているグレードだが、スライドドアを電動にするには「電動スライドドアパッケージ」(20Sで両側で15万7,500円、片側で9万4,500円)を選ぶ必要がある。
「ミニバン」という表現が似合わない室内空間
室内の雰囲気はいたって乗用車的だ。運転席と助手席の間がコンソールで区切られているし、後席にはセンタートンネルがあるなど、ミニバンという表現が似合わない印象を受ける。
インテリアの質感について、車格を考えるともう一歩という気もするが、価格の安さを考えると十分ではないかと思う。
後ろに行くにしたがって7cmずつヒップポイントが上がる「シアターシートレイアウト」を採用していて見晴らしがよく、各シートにも十分なスペースが確保されている。一人あたりのシートのサイズは3台中でもっとも大きい。
さらに、オプションのパノラミックガラスルーフを選ぶと、いっそう開放感が高まる。
3列目は2人掛けで、さすがに成人男性が座ると頭上空間に余裕はないが、制約のある中でよくこれだけ確保したと思える。ひざまわりのスペースも3台中でもっとも余裕がある。
ラゲッジスペースは、3列目シートを立てるとさすがにあまり残らないが、ボディサイズに余裕があるので、他の2台よりもずっと大きい。横幅は3台中、唯一ゴルフバックを置けるくらいの広さがある。
ラゲッジフロアは3台中でもっとも高いが、そのぶん使いやすいアンダーボックスが設定されている。こうすることで、3列目を前倒しした際にラゲッジのフロアと3列目の背もたれの背面がフラットにつながる。
なお、20iグレードのみメーカーオプションのHDDナビやクルーズコントロールが付かないなど、装着可能なオプションにはいくらか制約がある。
とはいえ、一部改良で横滑り防止装置が採用されるなどしたこともあり、けっして廉価版に終始せず、「素」の状態でも必要な装備は与えられており、十分に現実的な選択肢となりうる設定といえる。
小さい中にハイルーフミニバンの機能を
コンパクトな中にミニバンとしての機能を詰め込んだ、フリードの室内空間。
ユニークなデザインのインパネは、ステアリングホイールより上に見えるメーターなど、他にない斬新なデザインも興味深く、また収納スペースやスイッチ類のレイアウトもよく整理されており、使い勝手もよい。ただし、全面樹脂のインナードアパネルなど、質感的にはもう一歩という部分も見受けられなくはない。
着座姿勢がアップライトなので、シートの前後スライドだけでもなんとかなりそうではあるものの、シートハイトアジャスターやテレスコピックステアリングも欲しいところだ。
スライドドア開口も十分で、プレマシーと比べ開口幅は同程度だが、天地方向は10cmほど高い。
また、プレマシーより高い390mmのフロア高を実現しているため、あまり腰をかがめることなく、ワンステップで乗降できる。
このクラスで2列目キャプテンシート仕様の7人乗りがあるのもポイントで、しかも価格が8人乗りよりも少し安い。7人乗り仕様であれば、2列目の後方だけでなく、2列目中央からも3列目にアクセスでき、1列目から3列目まで車内でラクに移動できるのも特徴だろう。
着座姿勢は全席アップライトで、2、3列目はヒップポイントが高いながら、頭上空間にかなりの余裕がある。2列目を少し前にスライドさせれば、3列目のニースペースもなんとか確保できる。
ただし、この横幅に3人が座るというのは少々無理がある印象。ましてやシートベルトを締めにくいつくりであるところは少々難点だろう。
ラゲッジスペースの雰囲気はまさにミニバン的で、フロアが他の2台よりも圧倒的に低いのも特徴。ただし、3列目を立てた状態では、ちょっとした買い物に使えるくらいのスペースとなる。
3列目は跳ね上げ式となっているのも今回の中では唯一だが、シートが重く、女性にはちょっと大変そうだ。
なお、Gジャストセレクションでは、パワースライドは左側のみ標準装備され、右側はオプション(5万2500円)となる。カーテンエアバッグは、最上級のGiエアロとFLEXiエアロに標準装備され、その他には設定がない。
総評
今回はタイプの違う3台なので、良いor悪いではなく、ボディタイプが違えばこういうものだということをご理解いただければと思う。3列目を立てると、現実的な積載スペースが残らないのはどれも共通(エクシーガのみなんとかなりそう)だが、3列目を使わなければ、いずれもかなり大きな荷物でも積載できるので問題ないだろう。2列目や3列目を乗り降りする機会が多いのであればフリードが適しているだろう。スライドドアの利便性は捨てがたいが、走りも求める人にとってはプレマシーだ。チルト&テレスコピックについては、プレマシーは全車標準装備。エクシーガは、今回の20iグレードのみテレスコピックがキーレスアクセス等のセットオプションとなり、その他グレードでは標準装備となる。フリードについては上記のとおり。カーテンエアバッグは、プレマシーとエクシーガは全車オプション、フリードは最上級グレード以外に設定はなし。横滑り防止装置については、プレマシーは一部を除き標準装備、エクシーガは今回で全車標準装備となり、フリードは4WD車と上級モデルのみ設定あり。
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