200万円で買える!お手頃ミニバン 徹底比較(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
特徴的なデザインとリニアなドライブフィール
4,585mm×1,750mm×1,615mmの、アクセラセダンと同等のコンパクトな外寸のボディに、ちょっと高めの車高というプレマシーのフォルムは先代から受け継がれている。そこに、アクセラに通じるフロントマスクや「NAGARE」を採り入れたサイドに特徴あるラインなど、デザインへのこだわりを見せている。
プレマシーのパワートレインは、最高出力110kW(150ps)/6200rpm、最大トルク186Nm(19.0kgm)/4500rpmを発生するMZR2リッターDISIエンジンに5速ATの組み合わせ。
そして、アイドリングストップシステム「i-stop」が新たに採用され、10・15モード燃費を先代の15.0km/Lから「16.0km/L」へと向上させている。前ストラット、後マルチリンクの形式を踏襲したサスペンションやシャシーの洗練ぶりも目を見張る。
従来の味付けもスポーティではあったものの、いささか動きが速すぎて、ドライバーがクルマの挙動に無頓着だと、後席乗員は頭を揺すられて不快な思いをしやすい傾向があった。ところが現行モデルでは、あらゆるものの反応がリニアになり、不要な動きを出しにくい味付けとされている。
アクセルやブレーキを踏んだら踏んだぶんだけ加減速し、ステアリング操作に対しても、横Gの応答性がとても一体感のあるフィーリングとなった。
また、荒れた路面にもタイヤがしなやかに路面に追従する印象で、乗り心地も良好だ。
売れ筋である20Sグレードは、上級かつスポーティな仕様。これに標準装備される16インチ仕様がもっともバランスがよく、快適性を十分に確保しつつ、プレマシーらしいスポーティな走りへの期待にも応えてくれる。
20iグレードにもリニアトロニックの恩恵
4,740mm×1,775mm×1,660mmというエクシーガのボディサイズは、今回の中でもっとも大きく、レガシィワゴンを天地方向に拡大したようなフォルムを持つ。
外観では、エントリーグレードらしくアルミホイールは付かないのが20iグレードの特徴。
エクシーガに搭載された2リッター自然吸気ボクサーエンジンは、最高出力110kW(150ps)/6,000rpm、最大トルク191Nm(19.5kgm)/3,200rpmというスペック。これに、20i-Lや20i-Sグレードには約1年前に採用されていたが、20iにのみ未採用となっていたリニアトロニック(CVT)がようやく与えられた。
これにより10・15モード燃費が、2WD車で従来の14.0km/Lから15.0km/Lへと向上。
試乗すると、4速ATの時代よりも実用域のトルク感が大きく増して走りやすくなったことが直感できる。
また当初のものに対し、バリエーターのノイズを低減する改良を加えられたとのことで、それもあってか加速感がいくぶんスムーズになったように感じられた。
エクシーガの2リッター自然吸気エンジン搭載車には、レガシィにはない2WD(FF)モデルがラインアップされているのも特徴。降雪地等ではAWDの恩恵は小さくないだろうが、ごく普通の使い方がメインであれば、2WDだからといって何かハンデを負う印象もない。
前ストラット、後ダブルウィッシュボーンの足まわりは、十分に確保されたストロークを活かした快適な乗り心地も美点である。20iグレードは、スポーティな走りはさすがに得意ではないが、もともと素性として重心の低さや好バランスにより、無理することなく優れた操縦安定性を持ち合わせている。
市街地走行がメインなら軽快な走りを楽しめる
ホンダ フリードは、ステップワゴンを前後からギュッと縮めたようなパッケージで、ボディサイズは4,215mm×1,695mm×1,715mmとコンパクト。フィットに比べると300mmほど長い。車両重量は、上記2モデルが1,500kg程度であるのに対し、1,300kgと軽い。
そのため、最高出力87kW(118ps)/6,600rpm、最大トルク144Nm(14.7kgm)/4,800rpmというスペックの1.5リッターi-VTECエンジン+CVTでも、動力性能に不満はない。組み合わされるCVTも好印象で、ダイレクト感があり、軽量な車体をより軽快に走らせる。
10・15モード燃費は16.4km/Lと、今回の3台の中では辛勝といったところ。
ちなみに、フィットに燃費面でだいぶ劣るのは仕方がないとしても、実はステップワゴン(2WD車で14.2km/L)に対する差もイメージほど大きくはない。
見た目の通り重心が高いので、スポーティな走りは得意ではない。重心が高く、エンジン性能の違いもあるので、不利な部分はあるのは否めず、その点は宿命ではある。また、ボディ側面が垂直気味であるため、横風に弱い面も稀に感じられる。
それでも、クルマ自体の安定性は悪くなく、高速巡航も概ねそつなくこなしてくれる。
乗り心地にはやや突っ張った印象の固さ感を伴うものの、高い重心を補うために適度に引き締められた足まわりによってロール感も抑えられており、市街地ではキビキビと走ることができる。
市街地走行がメインであれば、不利な部分が顔を出すこともあまりなく、フィットのようなコンパクトカーさながらの軽快な走りを楽しむことができるだろう。
総評
横から見ると、プレマシーがもっとも低いが、ほかの2台とも、イメージしたほどの車高の差はないように感じられる。フリードは短く、フロントエンドからAピラーからまでが一直線に近いラインを描く。
対してエクシーガはAピラーがかなり立っている。
デザインテイストは、こうしたクルマながらいずれも個性的な印象。最小回転半径は、プレマシー5.3m、エクシーガ5.5m、フリード5.2mと、ボディサイズが異なりながらも、タイヤ幅がそれほど大きくないこともあってか、その差は小さい。
また、こうしたタイプの異なるクルマながら、燃費値は近いところにあるあたりも興味深い。
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