トヨタ プリウス vs 日産 新型ノート オーラ “プレミアムハイブリッド対決”! ひとクラス上のプリウスに内装の質感で勝利したオーラ【前編・内装&使い勝手勝負】

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂 幸正・小林 岳夫・NISSAN・TOYOTA
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日産から、新型プレミアムコンパクトカー「ノート オーラ」が発表された。“プレミアム”を名乗るだけあって、日産自ら、ひとクラス上の『トヨタ プリウス』の名をライバルとして挙げていた。

そんなライバル関係にある人気ハイブリッドカーのプリウスと、新型ノート オーラを、国内外の新車事情に精通するカーライフジャーナリスト 渡辺 陽一郎氏が徹底比較。前編ではノート オーラとプリウスの内装と使い勝手を中心にお届けしよう。

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  1. 新型ノート オーラのライバルはコンパクトカーにあらず! 挑むのはひとクラス上のハイブリッドキング“プリウス”だ
  2. 扱いやすいサイズと質感の高い内装でプリウスを圧倒する新型ノート オーラ
  3. 室内や荷室の広さは車体の大きいプリウスが有利! ただしノート オーラはシートの良さでプリウスを上回った

新型ノート オーラのライバルはコンパクトカーにあらず! 挑むのはひとクラス上のハイブリッドキング“プリウス”だ

日産がコンパクトカーの新型「ノート」を発表したのは2020年11月。そこから約半年後の2021年6月には、早くも上級シリーズの新型「ノート オーラ」を追加した。

新型ノート オーラはボディを3ナンバーサイズに拡幅したが、全長は4045mmだから新型ノートと同じ数値だ。売れ筋グレードの価格は、ノート オーラ Gが261万300円、ノート Xは218万6800円になる(駆動方式は2WD)。

日産 新型ノート オーラは新型ノートに比べ42万3500円高いが、この内の約27万円は装備の違いで埋まる。そうなると残りの約15万円で、ボディが拡幅され、内外装が上質になり、モーターの駆動力も強化される計算が成り立つ。新型ノートオーラは意外に割安といえるだろう。

新型ノートシリーズの拡販を狙い“オーラ”は割安な設定とした

新型ノート オーラが割安な理由は、売れ行きを伸ばしたいからだ。販売目標は1年間に5万1000台/1か月平均で4250台になる。オーラノートの目標は8000台だから、オーラノートシリーズ全体では1か月当たり1万2250台の販売をねらう。その35%をオーラノート オーラが占めるわけだ。

日産のノートは現行型になってノーマル(通常のガソリン)エンジン車を廃止したが、この不足分を価格の高い新型ノート オーラで補えれば効率が良い。ボディは別設計になるが、ノーマルエンジンやCVT(無段変速AT)を開発する必要はない。

日産は新型ノート オーラのライバル車として、ハイブリッドカーの代表格である「トヨタ プリウス」を視野に入れる。新型ノートのライバル車はコンパクトカーの「トヨタ ヤリス ハイブリッド」や「ホンダ フィット e:HEV(ハイブリッド)」だが、新型オーラはひとクラス上のプリウスをターゲットにしているのだ。

扱いやすいサイズと質感の高い内装でプリウスを圧倒する新型ノート オーラ

勝負その1! ボディサイズ/スタイル/視界/取りまわし性比較

日産 新型ノート オーラのボディサイズは、全長が4045mmで、全幅は1735mmだ。プリウスは4575mm・1760mmだからひとまわり大きい。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も、ノート オーラは2580mm、プリウスは2700mmになる。

最小回転半径は、ノート オーラは5.2mで、プリウスは15インチタイヤ装着車は5.1mだが、17インチのツーリングセレクションは5.7mに拡大する。ノート オーラはボディがコンパクトで、側方と後方の視界も優れているから、プリウスよりも運転しやすい。

■勝者:ノート オーラの勝ち

勝負その2! 内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較

内装のデザインでは、日産 新型ノート オーラがインパネの上面にツイード調織物を巻いていて個性的だ。木目調パネルも装着され、上質に造り込んだ。

メーターの視認性は、ノート オーラは液晶ながらデザインはオーソドックスだ。プリウスは薄型で、インパネの高い位置に装着した。スイッチやATレバーの操作性も含めて一長一短だが、質感はノート オーラが上まわる。

■勝者:ノート オーラの勝ち

日産/ノート
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新車価格:
229.9万円306.4万円
中古価格:
17万円344.6万円

室内や荷室の広さは車体の大きいプリウスが有利! ただしノート オーラはシートの良さでプリウスを上回った

勝負その3! 前後席の居住性比較

日産 新型ノート オーラの前席は、本革シートを選ぶと3層構造になって座り心地はしなやかだ。ベース車のノートを含めて、現行ノートの座り心地にはボリューム感が伴う。プリウスの座り心地にも不満はないが、腰から大腿部の支え方は、ノート オーラの方がしっかりしている。

その代わり後席の足元空間はプリウスが広い。身長170cmの大人4名が乗車して、ノート オーラの後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱、プリウスは握りコブシ2つ半だから広々としている。頭上は少し窮屈だが、プリウスは4名乗車にも適する。

■勝者:プリウスの勝ち

勝負その4! 荷室の使い勝手比較

荷室の広さは、全長が530mm長いトヨタ プリウスに余裕がある。特に荷室長(荷室の奥行寸法)は、後席を使った状態で、日産 新型ノート オーラが約600mm、プリウスはさらに200mm以上長い。プリウスは後席の足元空間も広いが、荷室面積に余裕を持たせた。

またプリウスはリヤゲートが大きく開くので、荷物の収納性も優れている。

■勝者:プリウスの勝ち

トヨタ プリウス vs 日産 新型ノート オーラ「プレミアムハイブリッド対決・前編「内装&使い勝手勝負」はここまで。次回の後編は「動力性能&コストパフォーマンス勝負!」をお届けする。

>>後編は2021年6月30日(水)公開予定! 乞うご期待!

[筆者:渡辺陽一郎/撮影:茂呂 幸正・小林 岳夫・NISSAN・TOYOTA]

トヨタ/プリウス
トヨタ プリウスカタログを見る
新車価格:
275万円460万円
中古価格:
27.8万円4,449万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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