75%減税対象 人気コンパクトカー 徹底比較(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
ウルトラシートによるアレンジ性
初代よりもひとまわり大きくなったボディを得たことと、使い勝手の不満点の改善を図ったことから、居住性やユーティリティに関しては全面的に向上している。
前進した細めのAピラーとクォーターピラーウインドウにより、シートに座るとミニバンに乗るかのような感覚となる。
シートが初代よりも格段によくなっているのもポイント。それは後席についても同様で、後席がリクライニングできるのは今回の中ではフィットのみ。座るとカカトまわりに空間の余裕がある、コンパクトカーではなかなかない感覚でもありよけいに広さを感じる。
独自のセンタータンクレイアウトとウルトラシートにより、後席のチップアップが可能で、ワンアクションでフルフラットになるところもポイントだ。
ラゲッジルームは、標準状態でも十分に広いが、スペアタイヤの廃止により床下も広い。さらにシートアレンジにより自在に使えるところは、フィットならではである。Lグレードでは、最廉価のGグレードには付かない、フルオートエアコンや電動格納式ドアミラーなどが標準で備わる。
安全装備は、前席SRSエアバッグとABSは全車標準装備で、前席サイドエアバッグおよびカーテンエアバッグはオプションとなっている。VSAは1.5L車のみ設定がある。
重宝しそうな2段マルチトランク
4mを切る全長の中で、2,600mmのロングホイールベースを確保している。車内は外観からイメージするよりも乗用車的な室内空間となっている。たっぷりとしたシートは、乗車姿勢もそれほどアップライトになっておらず、見た目以上にホールド感がある。
機能的なインテリアは、デザイン的にはオーソドックス。センターにシルバーのパネルを配するなどして上級イメージを演出していて、明るいベージュ内装も選べる。
アッパーボックスや、大きなグローブボックス、仕切りを好みに応じて設定できるマルチセンターコンソールなど、収納スペースも豊富に設定されている。
後席の広さも十分で、リアシートのサイズはフィットを上回る。居心地や座り心地は、3台の中でもっとも上で、長時間の乗車にも対応する。
シートアレンジは、前倒しするだけのシンプルな機構で、ラゲッジフロアとフラットになる。アレンジのバリエーションではなく、シートのつくりを優先した印象で、見栄えより実を取ったというところだろう。
ラゲッジルームでは、特徴的な2段マルチトランクが目を引く。シンプルで使いやすく、ボードを縦にさしてパーテーションとするなど、いろいろな使い方ができて重宝しそうだ。
装備面では、前席エアバッグやABSは全車標準装備で、カーテンエアバッグは「15RX」のみ標準装備。その他グレードではオプションとなり、横滑り防止装置の設定はない。
パーソナルな室内空間
エクステリアと共通イメージで全体的にラウンドさせたようなデザインのインテリアもまた、視覚的な楽しさのある空間となっている。とくに運転席まわりは、あえてタイトな居心地とされているが、それはそれでデミオのコンセプトであろう。
カームホワイトのオシャレなシートが選べるのもデミオの特徴。特殊処理を施されているため汚れにも強いという。
2008年11月の改良で、黒色センターパネルや、シート中央と同素材の生地をドアトリムに配したり、シフトノブやインナードアハンドル等にシルバー塗装のパーツを用いるなど、全体的にインテリアの質感向上が図られた。
ドア内張りの取っ手部分の底に、ツメを傷つけないよう緩衝材を施したり、テールゲート内側にもわずかではあるが緩衝材を貼っているあたりなど、マツダらしい細やかな心遣いを感じる。
後席のスペースは、上記2モデルと比べるともちろん広いとはいえないが、成人男性が乗り込めるスペースはちゃんと確保されている。
シートは前倒しするだけのシンプルな機構で、段差も残るが、この割り切りは悪くないと思う。ラゲッジ容量や開口形状もご覧のとおりで、積載性を重視する向きには、デミオはあまり適さないかもしれない。
反面、上記2モデルよりもパーソナルな雰囲気に満ちている。そのあたりを楽しみながら乗りたい人に最適なモデルである。
安全装備は前席SRSエアバッグやABSなどが標準装備されるが、横滑り防止装置の設定はない。
内装・装備の総評
室内空間の広さはフィットの圧勝となる。センタータンクレイアウトによるシートアレンジの多彩さもポイントだ。ただし、シート自体のつくりは、とくに後席はノートが上回る。コンパクトなサイズで乗用車並みの居心地を求めるのであればノートが適する。対するデミオは、パーソナルな雰囲気がポイント。女性向けをアピールしているとおり、デザインの面白さも光る。
装備面では、前席エアバッグ、ABSの全車標準装備化など、3モデルともほぼ同等であるが、横滑り防止装置の設定が不十分であるのは否めない。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。